2014-06-24
Acid Black Cherry、18万人を動員した全国ツアーが東北にて終幕
6月22日、Acid Black Cherryが【Project『Shangri-la』】と題した全都道府県ツアーを東北の地、宮城セキスイハイムスーパーアリーナで締めくくった。
このツアーはこれまで、2013年の8月13日の福島から4月27日の沖縄までの全都道府県ツアー52本と、5月に行なわれたEncore Seasonの東名阪アリーナツアー6本と、Final Seasonと題した6月13・15日の国立代々木競技場第一体育館の2本を行なってきた。
当初の予定では、国立代々木競技場第一体育館が最終公演とされていたのだが、ツアー中に、宮城の会場に空きが出たという連絡を受けyasuは、迷わずこのツアーの最終地を、東北・宮城の地にすることを選んだのである。
7千人を超す大規模なステージは、ここに至るまでの60本のライヴと同様に、過度な演出を避けたモノで、必要最低限の演出と照明とyasuの唄と音を真っ直ぐに届けるスタイルで行なわれ、同じセットリストでのライヴが1度も無かったというのも、いつものライヴとは違っていた点である。このProjectのテーマが「触れ合い」ということもあり、アンコールには、その日のチケットの半券をステージで引き、引き当てた席のお客さんから直接聴きたい曲をリクエストしてもらうという“直接触れ合える時間"を設けたコーナーもあり“みんなが聴きたい曲を1曲でも多くやってあげたい"というyasuの想いで企画された。
本編では、コアでヘヴィなサウンドを軸とするAcid Black Cherryの真髄を存分に見せつけながらも、身近さを感じるトークでオーディエンスを引き寄せ、ここ最近のライヴに目立って多くなった親子連れをも手放しで楽しませるポップ要素の強い楽曲で楽しませていった。
中盤には、「次の曲は、この日、ここで唄う為に生まれてきた曲だと思います」という言葉から繋げられた、yasuの音楽を何よりも愛しながらも、もう二度とライヴに足を運ぶことが叶わなくなってしまった“君"への想いを曲に託した「君がいない、あの日から…」を披露。3月11日というリリース日が全てを物語っていたように、それは3年前の傷みと、その傷みを現在もしっかりと胸に刻んでいることを示していた。ただ会いたいという切な願いとyasuの優しさが溢れる歌詞が響くロッカバラードは、星空を描いた照明の下、静かに東北の地に響きわたった。
この日yasuはアンコールで、
「日本中を笑顔にしたくてまわってきたツアーでしたが、逆にお客さんに笑顔をもらったからこそまわれたツアーでした。このProject『Shangri-la』は今日で最後になりますが、振り返れば、「シャングリラ」という曲が出来て、そこから『2012』というアルバムが生まれ、導かれるように今日という日を迎えられたと思っています。みんながいたからこそ、僕が日本をまわって来れたと思います。人間としてもミュージシャンとしても成長できた10ヶ月だったと思います。安い言葉でみんなを励ましたくはないんですけど、作品を作って、みなさんに“感動した"って言う言葉をもらうことを、こんなにも嬉しく思ったことはありません。今日は本当に心からそう思っています。最後に、僕からリクエストしてもいいですか? 唯一、このツアーでやってこなかった曲を唄わせて下さい。この曲を届けることで、本当の全県制覇・全曲制覇になります。3.11が起きてから最初に出来た曲です」と、yasuがこれ以上にない素直な言葉を送ったあとに届けられたのは「その日がくるまで」。
“大事なのは 傷みに慣れるのではなく その傷を忘れない事"これは、「シャングリラ」の中に彼が記したもう1つの大きなメッセージ。これこそ、yasuの信念そのものでもあり、彼が唄う意味なのだ。この日、彼はアンコールをこの曲で締めくくりステージを後にした。
いつまでも鳴り止まぬ自らを求めてくれる声に再び応え、最後に「20+∞Century Boys」を届け、このツアーを一緒にまわってくれたサポートメンバーと、このステージを裏で支えてくれた大勢のスタッフを全員ステージの上に上げ、オーディエンスと同じTEAM ABCであると紹介したのだった。
2014年6月22日21時06分。10ヶ月に渡って届けられた総数61本に及んだ【Project『Shangri-la』】は、たくさんの笑顔に包まれる中、幕を下ろした。この先もyasuは、全国の“君"を笑顔にするために唄い続けていくことだろう。
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