2013-03-19

【ザ・ラヂオカセッツ】バンドの“まんま!”がかたちになった

 ライヴハウスシーンを賑わすザ・ラヂオカセッツの2ndアルバムが完成! そのタイトルが意味するように、バンドの“まんま!”が詰め込まれている。

──もともとどんな音を奏でたいと思って結成されたのですか?

山下「最初はコピーバンドだったんですよ。ビートルズとか60年代や70年代のイギリスやアメリカの音楽が好きで、そういう曲をコピーしていたんですけど、何度かライヴをやっていくうちにオリジナルもやるようになって、だんだんオリジナルの割合が増えていったので、本腰を入れたという感じですね。」

──自分たちを説明するとすれば、どんなバンドと答えます?

大谷「自分たちから出てくるものを素直に受け止めて、それをできるだけ不純物がないかたちで音楽にして届けたい…そういうことを思っているバンドですね。」

山下「結果、まっすぐなバンド…僕はポジティブな気持ちになれる音楽が好きなので、聴いてくれた人がポジティブになってくれればいいなって思ってるんですよ。時には怒りも悲しみもあるんですけど、一番はポジティブなんだ、ストレートなんだってことで、まっすぐなバンドですね。」

──では、1stアルバム『ザ・ラヂオカセッツ』から約1年振りとなるニューアルバム『まんま!』なのですが、やはり前作を作る時と意識は何か違いました?

山下「前作はライヴで何度もやり込んだ曲で作ったんですね。でも、今回は前作を出してからできた曲たちで、この作品のために作った…もちろん、ライヴを意識していたりするんですけど、自分に向き合って作れたというのが大きいですね。考える時間が多かったので、言葉だったり、メロディーだったりっていうのは、前回の作品と比べると正直な曲たちだと思います。」

大谷「前作みたいにライヴでやっていた曲は、いろんな人の意見が入ってくる…例えば、お客さんに“あそこが好き”って言われると、無意識のうちにそこを残してリアレンジしていたりするけど、今回は4人がスタジオの中で“自分はどう思うか?”という世界だけで作ったので、タイトルの通りバンドの“まんま!”がかたちになったと思いますね。僕たちはメンバー全員が曲を作るんですけど、それぞれがぞれぞれの生活で思ったことを曲にしてきて、それをバンドでかたちにしていく…バンドとして世の中に送り出すわけだし、歌うのはヴォーカルなので、初めて意志の擦り合わせとかを時間をかけてやりました。」

山下「前までは僕がひとりで曲を作っていたんですけど、バンドで作っていると愛着が沸くというか、ギターやベースを弾いてくうちに自分の気持ちが込められるラインまではいけたと思うんですね。ライヴでどう変わっていくかは分からないんですけど、4人の中では完成させることはできたと思います。」

──今作からメンバー全員で曲を作るように?

大谷「前回からですね。前回はそれぞれが作曲した曲が入っていたので、今回もそうしたいと思っていたんですけど、結果的にギターの小島が曲を書かなかったんですね。でも、それによって次の方向性が見えたというか。3人が曲を書いてきて、小島がアレンジするっていうかたちだったんで、今後はそういうふうにするのがいいのかなって。それが分かって良かったですね。改めて“バンドをやってるんだな”って思いました。」

──そんなザ・ラヂオカセッツなのですが、2枚目のアルバムを完成させた今のバンド内のテンションはどんな感じですか?

大谷「じっくり話し合うとか、新しいことにチャレンジしてアルバムを作ったということで自信じゃないですけど、一枚目よりも4人で作ったという意識が強いので、メンバー間の絆が強くなっているんじゃないかな…誰も言わないですけどね(笑)。」

──このザ・ラヂオカセッツをどんなバンドにしていきたいと思っていますか?

山下「今回のアルバムを作って、自分の言いたいことがはっきり見えてきたり、いろんなことにも挑戦できた…不得意なところや良くないところがたくさん見えてきたんですけど、無謀であっても挑戦し続けたいですね。そういう挑戦し続ける希望の歌に僕は感動してきたので、ずっとチャレンジしていきたい。チャレンジャー代表のようなバンドになっていきたいです。」

大谷「大きな意味では僕も同じですね。恥ずかしい部分も出す…やっぱり、聴いてくれる人に信頼してもらいたいというか、人間付き合いだと思うので、嘘をついたらバレると思うんですよ。“自分はこういう人間で、こういうことを思っている”っていうのことを、恥ずかしい部分も含めて見てもらいたいというか。だから、リスナーの方に“こういう人がこういうことを思ったんですけど、どうですか?”ってことを見せて、その個人的なところが結果的に励ますかたちになってくれたらいいなって。“同じことを思ってるぜ”って近づいて行くんじゃなくて、“一緒なんだ!”って気づいてもらって、ポジティブな気持ちなってもらう。そういうバンドになりたいですね。 」

取材:石田博嗣

(OKMusic)


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