2015-12-09
一夜の「同窓会」を満員の仲間たちと開いたHeaRt。「桜舞う頃にまた逢いましょうと」いう言葉は,「二次会」への約束となった指切りの誓い。
ν[NEU]の前身バンドとなったHeaRtが、ν[NEU]ヒィロの音頭により12月7日(日)柏ThumbUpを舞台に「同窓会」と題し1日だけの復活ワンマンライブを行った。
チケットは、発売後すぐにSOLD OUT!!を記録。場内は立錐の余地もない人たちで埋めつくされていた。その日のライブの模様をまとめたので、ここに報告したい。
身動きするのも大変なほどの人で埋めつくされた場内。暗くなった空間に鳴り響き出した、時を刻む針の音。時計の秒針の音は、一気に時を戻すようにカチカチカチと駆けてゆく。メンバー一人一人が姿を現すたびに上がる歓声。ライブは、ktのギターの旋律へ導かれるよう『モンスター』から幕を開けた。
空間美を活かしたギターサウンドがゆったりと鳴り響く中、准が凛々しい表情で観客たちを攻めるように歌い出した。5人の中に眠っていたモンスターが…いや、HeaRtというモンスターそのものが眠りから醒めた風景が、そこには広がっていた。
「時間なんてねぇぞ!!」。由希のタイトなドラムビートに合わせ、准が叫びを上げた。切れ味鋭いクールな『サレコト』だが、そこには熱いエナジーがふつふつと煮えたぎっていた。
演奏がソリっドだろうと、胸に響く音は、熱した鉄のように振れただけで火傷しそうな勢いだ。何より、准がすでにキレかかっている。ヤバいな、奴のハイなテンションが!!
「同窓会へようこそー!!時間なんて全然ないよ!!飛べ!!」。ファンキーかつソリッドに疾走する『ゼリープール』に合わせ、会場中の人たちが跳ねだした。なかなか身体を動かせない密集した場内。それでも、一人一人が限られた空間の中で飛び跳ね、身体を揺さぶり続けていた。
そう、この瞬間瞬間を熱狂としてみずからの身体に刻み込まないと、次なんて保証はないという想いへ突き動かされるように…。
「俺たちがHeaRtだっ!!。今日は同窓会ということなんでね、みんな落ちついたなーとか、変わってないなーとか、太ったなーとか…あっ、伝わったみたいです(笑)。今日は、10年経って格好良くなったなと思ってもらえるように突っ走っていくので」(准)
ヒステリカルでフリーキーなギターロックが炸裂。准の煽りを受けて飛び出したのが、『調布』。准に合わせ、一緒に振りをしてゆく観客たち。
切れ味鋭い演奏ながらそこはかとなく大人の色気を醸し出しているのは、10年という歳月が彼らを大人の男として磨きあげた成果?!。終盤では、会場中の人たちが全力で頭を振る場面も…。
ザクザクとした准とktのギターの音が絡みだした。妖艶な雰囲気を漂わせながらも、思いきりヒリヒリとした歌と演奏をHeaRtは突き付けてきた。『ムシクイキップ』の作り上げた痛心地好くもタイトなグルーヴに、誰もが嬉しそうに身を委ねていた。
ゆったりとまろやかに。でも、そこには鋭利な棘も…。今にも感情壊れそうな悲声を上げて歌う准。彼の切々とした想いを後押しするよう流れたのがミッドバラードの『さなぎ恋』。
悲しい恋心を綴った歌は、HeaRtという存在を失った人たちの想いにも重なって見えていた。それも、10年という歳月が起こした痛い心の疼き?!
浮遊感抱いた音が場内を優しく包みこんでゆく。この会場に満天の星を映し出すよう、哀愁味と浪漫な香りを携えた『プラネタリウム』を5人は奏で出した。
そこに広がったのは無限に輝く星…ではなく、抱きしめないと消えそうな光の塵。だからこそ、壊れそうな悲哀な想いを、空から零れそうな心の本音を2人(メンバーらと観客たち)は必死に心で受け止めていた。
一転、ふたたび演奏は輝きを放ちだした。ゆったりと、光零れる感情を抱きしめながら、『ソフィア』が心地好くスキップし始めた。途中、准と要が1本のマイクで歌う場面も。
その笑顔を見ていると、彼らのわだかまった10年なんて、とっくに忘却へ捨て去ったものとして映ってきた。ブランクによる演奏面での拙さもあるとはいえ、無邪気に5人で演奏を楽しんでいる姿が、ほんと眩しかった。
「残すところ僅かです。未だにほんとに夢を観ているような不思議な気持ちです。僕も一人の人間として(失踪という)取り返しのつかないことをしてしまったので、このステージに立てていること自体が不思議なこと。これも、メンバーやみなさんのおかげだと思ってます。ホントにいろいろ葛藤はあるんですけど、正直な気持ちを言うなら、ただただ会いたかったです」
准が素直に想いを告白し、彼自身の気持ちがすっきりしたところで演奏は終盤戦へ。勢いよく駆けだした『ムキンヨクソウ』が観客たちへ牙を剥いて襲いかかってきた。
その想いへ熱狂ではなく、暖かな眼差しと手の花咲かせ想いを返していたところが、HeaRtと、久しぶりや初めて出会ったファンたちとの今の嬉しいはにかんだ関係だ。
挑む姿勢を崩くことなく攻め込んでゆくHeaRtのメンバーたち。「暴れる準備はいいかー」。デスボイスも交え、准が『虹彩キャロルアンプ』を通し全力で煽りだした。その熱に対し、拳振り上げ挑んでゆく観客たち。
ぽっかり空いた時間の穴さえ一気に縮めるよう、誰もがみずからの感情へ熱いエナジーを注ぎだした。
その熱した関係へ、さらに熱を差すように『babe』を叩きつけてゆく。光携えた開放的な感情と気持ちはしゃがせるように駆けだす演奏に刺激され会場中に広がった、大きく手の花揺れ動く風景。ふたたび誰もが笑顔を舞台上へ向け、この同窓会を通し、あの頃の自分に還っていた。
「また逢えたらいいなという想いを込めて。桜舞う頃にまた逢いましょう」。
最後を飾ったのが、ずっとバンドの代表曲として歌い継がれてきた『エンドロール』だ。高揚した感情をぶつける情熱的な楽曲として演奏、振れた人たちの心にも痛く高ぶる気持ちを与えてゆく。
沸き上がる想いをすべて解き放つように歌い演奏してゆくメンバーたち。「桜舞う頃にまた逢えますように」。その想いは、メンバーとファンたちとの次の約束をする指切りのようにも、このときは見えていた。
ふたたび場内に流れだした切々としなからもロマンチックさ抱いた旋律。そのSEに乗せ、ふたたびメンバーが舞台上に姿を現した。「ずっと届けたかった曲を歌います」。准の言葉を合図に駆けだしたのが『さよなら観覧車』だ。心地好く走る演奏へ、誰もが優しく身体を揺らしていた。秘めた気持ちを告白するように歌う准。その姿は、はにかんだ優男にも見えていた。
『ベイビーユニバース』を通し会場に描いた、拳振り上げ、大きく手を振り騒いでゆく風景。気持ちを思いきり解き放つロックナンバーが連れ出した、無邪気にはしゃぐことが素直な答えなんだという感情。時代を飛び越えた音楽は、この空間に居る人たちの気持ちさえ10年前の少年少女に戻してくれた。
「10年前にHeaRtというバンドをやってました。もう、今ここに居るってことは一生の付き合いなんで頼みますよ。今までHeaRtを守っててくれてありがとうございました」(由希)
「このバンドは解散しないまま、一度終わってしまいました。ν[NEU]に繋がったのも、このメンバーがいたから。嫌いな人間ほど好きになれました。憎むよりも、その人が自分に何を与えてくれたかが大事だと思いました。また一緒に、ステージに立てたらいいなと思います」 (ヒィロ)
「HeaRtを始めて1年で辞めて。でも、この5人でいるのがだいぶ楽しいんですよ。またみんなで集まってバンドにしろ、呑みにしろやっていけたらなと思います」(要)
「僕がここにいることに違和感を持ってる人たちもいるかと思うんですけど、楽しんでくれれば何でもいいんだよ。失踪した准くんをつかまえたのは俺だからね。准くんお帰りということで、今日はありがとうございました」(kt)
「「同窓会」も終わっちゃうんだけど、みんなも懐かしい顔ぶれと逢えました??。「同窓会」にしたのも、お祭りみたいな感じで出来たらいいなと思って。それに同窓会って、窓の字に心がついてるじゃない。HeaRtを中心に集まれるって、らしくていいなと思って。「同窓会」をやったら「二次会」にも行くよね、来年「二次会」をやります!!。3月20日・HeaRt縁の地である池袋サイバーでやります。「二次会」なんでね、より深い心のやり取りが出来るようにまたいいライブにしたいんで、「二次会」来てくれますかー!!」(准)
新たな発表を受け、最後に届けたのが『橙』。最後は観客たちも左右にモッシュしながら大騒ぎ。むしろ、会場中が揺れまくりのおしくらまんじゅう状態。でも、最後の最後も、みんなで満面の笑顔ではしゃぎ続けた思い出を作れたことが何よりも嬉しいプレゼント。
やはり「二次会」に行ってもっともっと騒がないと、この火照った気持ちは収まらない。むしろ、火のついた二次会ライブのほうがさらにヤバそうだ。
この日のライブの中、HeaRtとして新たな公演も発表。演奏面でのブランクも,きっとその頃には取り戻してくれるだろう。それよりも、2016年3月20日(日)池袋サイバーを舞台にした同窓会追加公演「二次会」。今回も、チケットは争奪戦となりそうだ。
PHOTO:
TEXT:長澤智典
―セットリスト―
1.モンスター
2.サレコト
3.ゼリープール
4.調布
5.ムシクイキップ
6.さなぎ恋
7.プラネタリウム
8.ソフィア
9.ムキンヨクソウ
10.虹彩キャロルアンプ
11.babe
12.エンドロール
en1.さよなら観覧車
en2.ベイビーユニバース
en3.橙
同窓会追加公演「 二 次 会 」
出演_HeaRt
2016年3月20日 (日)池袋サイバー
OPEN 16:00
START 17:00
チケット代 前売3500円 当日4000円
チケット発売 1/17(日)
http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002148531P0030001
HeaRt Web
オフィシャルツイッターURL https://twitter.com/HeaRt_1206
オフィシャルツイッターアカウントID @HeaRt_1206
視聴サイト https://soundcloud.com/heart_official_1206
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