2013-12-20

【PRIMAL CURVE】新人バンドでありながらベスト盤

──前身バンドを経て、2013年10月よりPRIMAL CURVEとして始動ということですが。

笠井「merodianとして活動していく中で自分たちの音楽をより深め、自分たちに変化を起こしたいという思いが強まり、名前を変えて活動することにしました。“PRIMAL CURVE”というのは“最も重要な曲線”という意味で、自分たちにとって、そしてリスナーのみなさんにとってこのバンドが何らかの“転換期”になればいいなという思いで付けました。」

──PRIMAL CURVEとしての活動を始める準備期間はどのようなことをしてきたのでしょうか?

笠井「ロック色を強めたいと思うようになっていたので、スタジオでアレンジの練り直し、歌詞の見直しなどを時間をかけて行ないました。」

──始動より約1カ月でリリースとなった1stミニアルバム『NODE』に収録されている楽曲は前身バンド時代からあった楽曲も含まれているのでしょうか?

笠井「楽曲は前身バンドのものも多く含まれています。前身バンド時代にライヴで人気のあったものを選んで収録しました。しかし、アレンジについては前身バンドのイメージから変えたいという思いがあったので、新しいバンドとして新しい楽曲を作るつもりで取り組みました。」

──なるほど。では、今作のために書き下ろした楽曲は?

笠井「3曲目の「FISH STORY」は今作のために書き下ろしたものです。歌詞にかなりこだわった楽曲で、自分たちにとっては新しい試みをしました。結果的に今までなかったタイプの“生々しい恋愛の歌”に仕上がりました。サビに入ると手を挙げるようなアップテンポで激しい楽曲はあったのですが、体を揺らしながら聴くロックっぽい曲がなかったので、そういうものを作りたいと思って制作しました。」

──1曲目の「アンテナ」のイントロのベースや、曲中のギターのフレーズなどがとても耳に残りやすかったです。もともとあった楽曲ということですが、今回収録するにあたってどのようなアレンジを意識したのでしょうか?

平林「ギターのインパクト感、これはこだわりました。あとは楽曲の“分かりやすさ”も意識しました。」

畑「リズムが攻めてくるような疾走感を出そうといろいろと試みて、結果的に良いアレンジになったと思います。」

──「泡になって消えても」は不安や悲しみを描きながらもライヴの光景が想像できるような疾走感のあるメロディーが印象的ですね。

笠井「ライヴで聴くと盛り上がり感もあって、なおかつ元気が出るような楽曲を作ろうと思いました。“歌であなたを支えたい”というメッセージソングです。ライヴに来てくれた人にはやはり元気になって家に帰ってほしいので、そういう思いで生まれた楽曲です。」

──確かに。全体を通して、人の脆さや想いの儚さ、しかしどこかに芯の強さを感じる歌詞も印象的でした。

平林「自分も悩んでいて、その中で未来に向かって進んでいる。そんな等身大の自分を映し出すことを大切にしています。」

──本作の制作で何か得られたものはありましたか?

笠井「今作ではサウンドプロデューサーとしてアシガルユースから花盛 歩さん(Vo&Gu)と戸渡ジョニーさん(Dr)にご協力いただきました。おふたりと音楽を作っていく中で音楽的な知識や音楽に対する姿勢はとても勉強になりました。音楽を作る、ライヴをする、ということはとても大変で繊細な作業なんだなと。でも、その大変さもあるけれど、やはり音楽は楽しいということも今作の制作で感じられました。」

──そして出来上がった今作はどのような作品になったと思いますか?

笠井「自分たちにできる音楽をグッと詰め込めた一枚で、さらに過去から未来への橋渡し的存在、新人バンドでありながら自分たちのベスト盤みたいな作品になりました。そして、ここから初めて知る人にとってはこれ一枚で僕たちのライヴが十分楽しめるような入門編アルバムになったと思います。」

──“NODE”(ノード)というタイトルに込めた想いとは?

笠井「“NODE”というのは、もともと“植物のコブ、節”という意味があって、そこから派生して“接点、交点”という意味のある単語です。新しいバンドである僕たちとリスナーのみなさんとの接点、そしてリスナーのみなさん同士の接点になってほしいという思いで“NODE”と名付けました。他には、もともとあった楽曲をリアレンジして煮詰めて濃さを増したという意味合いで“濃度”という言葉も引っ掛けています。」

──そんな本作の聴きどころはずばりどこでしょう?

笠井「全体的に気に入っています(笑)。なので、再生ボタンを押して6曲目の「Lyla」の最後の音が終わるまで全て聴きどころと言いたいです(笑)。」

平林「僕は個人的に「ターミナル」が気に入っています。アウトロでかなりギターを重ねたのですが、イメージ通りに上手くまとまって満足しています。」

畑「ドラムは生に近い音で録れたので、そこにも注目してほしいですね。」

金城「僕のコーラス録りが作業の流れ上、朝方になってしまい悪戦苦闘しながらコーラスを録りました。頑張って入れたコーラスワークもぜひ聴いてほしいです。」

──11月13日にリリースとなりましたが、聴いた方からの反響などはどうでしたか?

笠井「前身バンド時代は“良いバンド”という評価になることが多かったのですが、最近は“カッコ良い”という評価をもらうことが増えてきた気がします。“カッコ良い”っていう言葉はやはりめちゃくちゃ嬉しいです(笑)。みなさんからの反響をもらって、ますます頑張らなくちゃなって思います。」

──今後はどのような活動をしていきたいですか?

笠井「楽曲の一曲一曲をしっかりと作って、ライヴの一本一本を大切にして、それを繰り返していくしかないような気がします。そしてその先を、大きなステージに結び付けていきたいな、と考えています。」

──最後に、メッセージをお願いします。

笠井「11月13日に『NODE』をリリースしました! 僕たちなりの音楽と言葉で、みなさんと一緒に歩いて行くような楽曲をお届けしていきたいと思っています! PRIMAL CURVEをよろしくお願いします! ライヴハウスで会いましょうね!」

取材:高良美咲

(OKMusic)


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