2012-09-20
【ギルガメッシュ】“やってやるぞ!”っていう現在のモードを音で表現したい
“サディスティックイヤー”の締め括りともいえる、日比谷野外大音楽堂でのライヴを目前に控えたギルガメッシュが放つ新曲「斬鉄拳」! 不可能を可能へと変えるべく、タフなサウンドを轟かせる。
──改めて“サディスティックイヤー”と称した今年の活動についておうかがいしていきたいのですが、何と言ってもライヴの熱量が格段と上がりましたよね。
愁 メンバー個人の意識の変化もあると思うんですけど、スタッフを含めた全員の見ている点が絞れてるというか。ギルガメッシュのライヴはこうだっていう、ひとつの共通項を持った上でそれぞれが行動できてるんですね。前にあったような感じ…SHIBUYA-AXを目指してた47都道府県ツアー『“CRAZY TOUR 08-09” IN JAPAN』での“road to AX”へ向けたあの荒行を(笑)。今回は野音に向けて今年の頭から動いてきてたんで、そのへんの意識の違いかな。
弐 『東京Sadistic~ぶっとおし13days~』もやり切って、今年はイケイケモードだなっていうのは確信したんで、愁さんが言ったように、47都道府県ツアーをやった時の感覚にすごい似てて。ネジがどんどん外れるじゃないですけど、幅が広がったというか。本当楽しいなって純粋な気持ちでライヴができてますね。
──バンドとして歴は積んでるけど、気持ちはとても純粋なところへ立ち返れていると?
弐 そうですね。みんなでキャッキャキャッキャ言いながら(笑)。自分の中ではすごい好きなムードですね。今年はそういうモードでみんなで賑やかせていけたらなって感じです。
左迅 今年は音楽の熱再沸騰みたいな年でもあって。ひたすら活動的にも攻めの姿勢を見せて、ライヴでもいかに熱量を注げるかが課題だったんで、ライヴは変わったかなと思いますね。セットリストの組み方だったり、MCで自分たちの思いを伝えるっていうのを見つめ直した部分もあったんで、より激しさと、熱い思いが伝わるライヴになってるなっていうのは実感としてあります。
──こういった変化は、自ずと楽曲制作へも響いてくるのではないですか?
Яyo そうですね。前のシングル「絶頂BANG!!」で、TAKUYAさんにプロデュースしていただいて、曲作りの根本から見つめ直して…今までは土台となるものに対してどんどん重ねてカッコ良くしてたんですけど、神髄をもっと良くしないとダメだってことに気付かされて、音楽理論を学んで。で、今回のこの「斬鉄拳」に関しては、ぶっちゃけそんなに変わったことはしてないんですよ。ただ、音楽理論を頭に入れて曲を作ってるからいろんなことができるようになったというか。よくいるじゃないですか。学校の生徒でも、体育は好きだけど勉強嫌いみたいな(笑)。自分たちがそんな感じだったんで、頭に入れて勉強し直しましたね。
──話題に上がった新曲の「斬鉄拳」ですが、スピード感であり、迫真のバンドサウンドが痛快でした。やはりバンド史上最大キャパである野音でのワンマンライヴを意識しての曲なのですか?
Яyo 『東京Sadistic~ぶっとおし13days~』中の1日だけ作曲期間があって。昔の曲から最新の曲まで13日間ぶっとおしでやってた中で、案外こういうメタルな感じは作ってないなと。ギルガメッシュの“やってやるぞ!”っていう現在のモードを音で表現したいなとずっと思ってたし、野音も決まってたんで、そこに向けてのオープニングを飾れるようなものにしたくて作りました。
──ライヴ三昧の中で誕生した曲っていうのは、すごく納得がいきます。
Яyo リアルタイムで刺激を受けた曲なんで。
左迅 歌詞を書く時も野音のことしか考えてなかったし、歌う時も野音への決意を詰め込んだんで。俺らのバンドに対して、野音に対しての思いが伝わればいいなという思いで歌ったって感じですかね。2011年の後半に、自分たちのことを見つめ直して、弱い部分とかそういうものを一回ぶっ壊して、自分たちの目指すものをひとつ置いて、そこに向けてどんなに困難なことと言われても可能にしてやるぞっていう思い…これを野音でやって、不可能は可能にできるんだぞっていうのを証明させたいですね。
──そして、今作の聴きどころのひとつはギターかなと。
弐 ここまでメタルな感じのフレーズって今までなかったですね。で、僕はどちらかというとメタル畑のフレーズを弾いてきた人間じゃないんで、意外に慣れなかったというか。Яyoに“ここが甘い”と言われ…まぁまぁ、それで自分が苦手とする分野でこれだけ弾けるようになったんで、またひとつ成長できたかなって。Яyoの中でイメージが固まってたんで、特に変えることもなく。このままでもカッコ良いし、このままいっちゃえ!!ってノリでしたね。
──ベースはメロウにプレイされていて、また違った主張をしていますよね。
愁 そうですね。ここ最近、ライヴにしてもどっしりしたいなぁっていうのがすごくあって。ギターが出てくるところはやっぱ出してあげたいし。で、メロディーだけになるところはそれを支えた裏メロみたいなのも弾きたいなぁって。ラストのサビ部分は聴いた瞬間、キタ!と思いましたね。どうにかメロディーと絡ませたいと思って弾いてるんですけど、結構適当だったり(笑)。
Яyo ドラムもどっしりとちゃんとタイトに決めたいなと。しっかりキックの4つ打ちのリズムを聴かせたいなと考えて…ライヴ映えする曲だけど、ちゃんと曲として聴かせたい気持ちもあったんで。で、ドラムはあんまり激しいことはやってなくて、でもどっしりと歌のラインを出して…欲張りですね(笑)。
──その貪欲さが何よりの原動力じゃないですか(笑)。歌詞も《1発目の斬鉄拳》《10発目の斬鉄拳》《100発目の斬鉄拳》と倒すべきものが手強くなっていて。それだけ目標に掲げているものが大きくなっているという、バンドの現在のモードであり、成長そのものを感じられる一節ですよね。
左迅 そうですね。一発じゃ壊せないぐらいの壁に向かってんだよっていうのを表したかったんで。困難であれば、困難であるほど燃えるバンドなんで、その姿勢が伝わればなと。聴き手には俺らを見て、勇気を持ってほしいというか。そういう部分もあるので。そんなところを感じて聴いてもらえれば嬉しいですね。
取材:ジャガー
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