2017-01-12

Yeti、ツアーのファイナル公演を代官山ユニットで実施。興奮に身を浸してゆくこの感覚が、止まらぬループとなって続けばいい。

アルバム『哲学』を手に昨年9月よりスタートした全国ワンマンツアー「Yeti ONEMAN LIVE TOUR~Antitheses 2016 - 2017~「哲学。」。そのファイナル公演が、1月8日(日)代官山UNITで行われた。


「もっと光を」、Yetiの描く音楽は触れた人たちの心を輝く光(未来)へ連れていった。


 水面に生まれた波紋のように、切々とした涼木聡の歌声が場内へ広がりだした。Yetiのライブは、アルバム『哲学』の冒頭に収録した『ナスカ』から幕を開けた。彼らの奏でる音の滴たちが、触れた人たちの意識を果てのない大地広がる異世界へ連れ出してゆく。その音色は、これから始まる物語を綴るための招きの調べ。誰もが優しくも切々とした音の滴に心を寄り添え、微睡みを覚えていた。
ソリッドなギターの音が羽ばたくように舞台上から飛び出した。激しさを持った『哲学』が、観客たちの意識を彼方な世界へ導きだした。痛く身体へ刺さる音なのに、意識は心地好く揺れていた。何時しか大勢の人たちが大きく手を振り、その音楽に身を委ねていた。
「最高の夜にしよう」の言葉に続いて身体を直撃したのが、タイトなドラムビートに唸る重いベースと切れ味鋭いギターが絡み合った『xi-sai-』。「もっと光を」、その言葉通り気持ちが心地好く天へと吸い上げられてゆく気分だ。Yetiの描くキラキラとしたメロディに乗せたギターロックは、会場中の人たちの心を輝く光(未来)へ連れ出していった。
演奏に合わせ手拍子を返してゆく観客たち。勢いを持って『picasso』が走り出すと同時に、フロアー中の人たちが身体を上下に動かした。「もっとアガりますか?!」、熱を抱き始めた場内、その空気を煽るメンバーたち。身体の奥底からムズムズとした興奮が止めどなく沸き上がってゆく。その感覚が何よりも嬉しかった。


背中へ生まれた羽根を広げ、この目で耳で心で感じるがまま跳ねればいい。それこそが、何よりもの興奮と快楽じゃないか!!
 「目標にしてたこの場所に無事に辿り着きました。今日のために生きてきたと言っても嘘じゃない。だから、今日逢えて本当に嬉しいです。本当にいい仲間を持ったなと実感出来るツアーでした。今夜もファイナルに相応しいライブを一人一人に届くようにYetiは音楽をします。さらに深い『アンチテーゼ』の世界をお楽しみください」(涼木聡)


ふたたび水面へそっと波紋を起こすように、澄み渡る音のゆらぎに乗せ、Yetiは『Life』を奏でだした。歌声のひと言ひと言が、一つ一つの旋律が、想いを届けるように身体へスーッと染み込んでゆく。意識が遠のくよう?!。その感覚に近いくらい演奏へ大勢の人たちが気持ちを寄り添えていた。幸せの裏に隠された痛い真実を歌を通してえぐりながらも、その想いをこの日はとても愛おしく感じられた。それは、心の本音を見透かされつつも、彼らが痛みを分かつよう優しく問いかけてくれたから?!
 心の野生を目覚めるように轟く多村直紀のドラムへ導かれ、フロント陣の織りなすメランコリックな音のアンサンブルに誘われ、『森林に生息する』が流れだした。美しくもドープな音色が感覚を無色に塗り上げてゆく。何より、舞台上から響く音に抱きしめられていたかった。
 涼木聡の弾き語るアコギの音色と歌をリードに、意識をゆっくりと覚醒させるよう『◯◯と僕』が場内を浸食してゆく。無駄を削ぎ落としたシンプルな演奏。だからこそ、その言葉が生々しさを持って目の前へせまってきた。
意識を心地好くトリップさせるように響くクリーンなギターの音色、『ハロウ』の演奏が場内へ優しく渦を巻いて広がっていく。ゆっくりと、でも確かな熱を持って演奏は上がってゆく。サビで想いは一気に爆発。熱を持った高揚とスーッと広がる優しい抑揚、二つの表情を巧みに絡ませながら、Yetiは場内に恍惚へ導く空気を生み出していった。
一転、荒々しく掻き鳴らされたギターの音色が気持ちを掻きむしる衝動を導き出した。疾走する『Unbalance』に合わせ、場内中の人たちも心地好く身体を揺らしていく。
 ラウドな衝撃とクールでスリリングな音をクロスオーバー、サビで感情を一気に破裂させるように『limiter』が轟きだした。「限界なんて超えてゆけ!」の言葉通り、熱く大きな唸りを上げる楽曲へ頭を揺らし、掲げた両腕を大きく伸ばしながら、大勢の人たちが沸き上がる高揚をその身から発散させていた。
歪みを上げた涼木聡のギターのリフが合図だった。躍動する『Scissors』へ飛び乗り、ただただ熱を抱けばいい。背中へ生まれた羽根を広げ、この目で耳で心で感じるがまま跳ね続ければいい。それこそが、何よりもの興奮と快楽じゃないか!!


騒ぎたい、はしゃぎたい、暴れたい。そんな気持ちのまま、場内中の人たちが声を張り上げアガり続けていた。


 「今はすごく有意義な時間を過ごせてるよ。いろいろ感謝を届けたいから歌います。一人一人に届くといいな、心を込めて」(涼木聡)。その声を受け、フロアーへ穏やかな音の旋律が広がりだした。楽曲が進むごとに歌と演奏が熱を帯びていく。『cheese』が、触れた人たちの心へ染み込むようにスーッと広がってゆく。その音色は、優しく意識をトリップさせていた。
「集まってくれたみんなへ贈ります」。愛しい人へ想いを伝えるように『birthday』を披露。軽やかに跳ねる演奏の上から届く歌声へ温もりを覚えずにいれなかった、幸せな心模様を互いに分かち合っていたかった。
 涼木聡のアコギの弾き語りからの始まり。彼が紡ぎだした物語は、3人の演奏を重ねながら、次第に想いへ色を塗り重ねてゆく。なんて胸をキュンとセンチに染めてゆく歌だろう。『doc』が、切なくも胸をチクッと刺すロマンチックな物語をズッとズッと心のスクリーンへ映し出していた。
熱を胸の中へ抱きながら『einstein』が駆けだした。演奏が進むごとに想いを放熱するメンバーたち。何時しかフロアーの人たちも、大きく手を上げ笑顔で跳ね続けていた。
昂った感情を煽るように響いたのが『151A』だ。気持ちを開放するよう広がる演奏に飛び乗り、大勢の人たちがタオルを振りまわし、はしゃぐ気持ちのままに跳ね続けてゆく。楽しい気持ちが加速していく。感じるままにはしゃげばいい。何時しか場内には熱狂という言葉が似合う光景が生まれていた。
勢いに拍車をかけるように、荒れ狂う音をYetiは解き放った。躍動するロックなビートの上で『music』が奔放に踊りだした。騒ぎたい、はしゃぎたい、暴れたい。沸き上がる衝動のまま、場内中の人たちが声を張り上げ、歌いながらアガり続けていた。


すべてのマイナスな要素を希望で塗りつぶすよう、Yetiの歌が光の世界へ連れ出してくれた。


 「こうやって帰ってくる場所があるって幸せです。こんな素敵な空間があっていいんだろうかと思うくらい、素敵な日になっています。本当に有意義なツアーでした。また歩きだせます。いろんなツアーが今日に繋げてくれたみたいにね。この時間が、また明日の僕らを作る気がします。今日が明日に繋がって、また明日から新しい第一歩をみんなが踏み出せるように、この4人で力を合わせてお届けします。どうか、届いてください」(涼木聡)


4人の感謝の想いが心のアンサンブルとなり、演奏という形に変え、温もりを持った心の声としてフロアー中へ広がりだした。『Tomorrow land』、なんて両手で優しく心を抱きしめ、背中をソッと押してゆく歌だろう。寄り添うように届ける彼らの想いを手放したくはなかった。伸ばした心の両手で、ずっとずっときつく抱き返していたかった。
最後は、ファンたちの開いた心のドアへ、メンバーみずから飛び込むように『door door』を演奏。すべてのマイナスな要素を希望で塗り替えるように、Yetiの歌が光の世界へ連れ出してくれた。彼らの演奏に触れていることが、ただただ嬉しかった。くしゃくしゃの笑顔で舞台上を見つめていたのも、きっとそのせいだ。


興奮に身を浸してゆくこの感覚が、止まらぬループとなって続けばいい。


「僕たちは音楽しか出来ないから、その音楽で、何かをあきらめそうな人などいろんな人たちの力になれたらなと思っています。僕たちの音楽で幸せになれないかなと何時も考えています。だからこそ、より大きな存在にならなきゃいけないと思いました。一緒に生きていこうね」(涼木聡)


アンコールは、涼木聡の爪弾くアコギの音色に乗せた優しい歌を合図に『if』から始まった。みずからの気持ちへ問いかけるよう、フロアー中にいる人たちの心にも想いを重ねるように、Yetiは『if』を歌い奏でてゆく。「意味はなくても、ここにいるよ」、その言葉が身体中にジワジワと染み込んでいた。
意識を異空間へダイブさせるように、Yeti流のダンスロック『high light』が鳴り出した。リズムに重なる手拍子、サビでは大勢の人たちが心地好い熱へ浮かれるように跳ね続けていた。
演奏は、一気に吠えだした。煽るメンバー、絶叫を返す観客たち。身体中から沸き上がる興奮と高揚。光へ向かい、心開放した演奏を持って『green』が駆けてゆく。タオルを振りながら踊り騒ぐ観客たち。どんどんアガればいい。何故なら、はしゃぐ気持ちに嘘はつけないから。
 勢いを加速させるように、Yetiは『tear drop』を投下。場内へカラフルに渦巻いたのはHAPPYな心の色・彩・色。そんなウキウキとする感情に愛おしさを覚えずにいれなかった。
最後にYetiは『loop』をドロップ。興奮に身を浸してゆくこの恍惚感が、止まらぬループとなって続けばいい。そんな気持ちを意識の奥底に感じながら、大勢の人たちがタオルをまわし、みずからもフロアーの中でくるくるとまわり続けていた。その熱狂を、止まぬ無限の繰り返しにしたいと願うように。。。


これからもYetiの動きに視線を注いでいて欲しい。


Yetiは、4月より「Yeti リクエストワンマンツアー2017「Re:quest」」と題した東名阪ツアーを行う。今回は、ファンたちのリクエストに応じる形で実施。ぜひ、特設サイトより投票していただきたい。さらに、結成5周年を祝うワンマンライブ「Yeti 5周年記念ライブ「絶対零度」を12月30日(土)に渋谷duo MUSIC EXCHANGで行うことも発表。これからもYetiの動きに視線を注ぎ続けていて欲しい。


PHOTO:田中伸二
TEXT:長澤智典


★LIVE情報★


【公演概要】
・Yeti リクエストワンマンツアー2017「Re:quest」
4月1日(土) 名古屋ell size  
4月15日(土) 大阪SQUARE 2nd Line 
4月22日(土)  渋谷RUIDO K2  -DAY1- 
4月23日(日)  渋谷RUIDO K2  -DAY2-


リクエスト投票フォームL:https://goo.gl/6SDkee
(リクエスト受付期間:1/9 ~2/11迄)


・Yeti 5周年記念ライブ「絶対零度」
2017年12月30日(土)渋谷duo MUSIC EXCHANGE


★CD情報★


【商品情報】
Yeti1st Full Album
「アンチテーゼ」
2016.09.14 Release
3000円(tax in)/AK-0059


[収録曲]
1.ナスカ
2.哲学(アンチテーゼver.)
3.ハロウ(アンチテーゼver.)
4.Scissors
5.森林に生息する
6.Birthday
7.Life
8.Unbalance(アンチテーゼver.)
9.「151A」
10.○○と僕
11.Tomorrow land


【Yeti オフィシャルサイト】
http://yeti-web.jp/




―セットリスト―
『ナスカ』
『哲学』
『xi-sai-』
『picasso』
『Life』
『森林に生息する』
『◯◯と僕』
『ハロウ』
『Unbalance』
『limiter』
『Scissors』
『cheese』
『birthday』
『doc』
『einstein』
『151A』
『music』
『Tomorrow land』
『door door』
EN
『if』
『high light』
『green』
『tear drop』
『loop』

記事提供元:


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