震え届く風 頬撫でゆく
静寂に抗う 赤子のように
抱え込み離さなかった
籠は容易く崩れ去る

限られた時間と空間をゆく
瑠璃の鳥 示した星の兆し
月を背にした暗闇さえも
いとおしく思える

罅割れ欠けていく
歪んだ糸模様
届かない叫びを
この胸に押さえて

翳した手のひら すり抜けていく
思い出せもしない
打ち棄てた身体 迷いの中
漂い辿り着くのは 途切れた軌跡

明ける空を忌み 影落とす者
望むべきものは ここに無いと
踏み出した土は脆くて
孤独のままに 堕ちてゆく

閉ざされた世界を 破り逃れるなら
儚い願いは 叶えられるはずもない

確かな記憶を紡ぐように
悲しみが見えぬように
懼れた答えは無間の中
出でた殻は紅く染まった―

翳した手のひら すり抜けていく
もう動くこともない
奇蹟を信じた無垢の心
遠い神話のよう

光を集めた瑠璃の鳥よ
行方も分からないまま
打ち棄てた身体 迷いの中
漂い辿り着くのは 途切れた軌跡

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