“親愛なるきみへ”から 指先が進まないままだよ
夜もふけて 窓の外は バイパスを走る 車の音だけ
くそくだらない僕の桃源郷 君に笑ってほしかった
そんな風に自嘲気味になって ぎりぎりで留まって…
いや君にわかってほしかったんだ ほんとは頷いてほしくって
不確かな場所で揺れている 孤独のボートに酔っていた
“どうか僕についてきてくれ
君にぜんぶあげてもいいから
きっと今 ぼくはおかしいんだろう
そのおかしさを君は 信じてくれるかな”
朝になって 窓の外は 僕を置いて先へといってしまう
肩越しに振り返る桃源郷は 昨日よりずっとくだらない
そんな風に恥ずかしくなって びりびりに引き裂いた
まだ僕は迷いに迷っているんだ 恥をかくこと恐れていた
無責任な夢 積みこんだ 孤独のボートに乗れなんて
“卑怯な僕についてきてくれ
もうそんなことは言わない
そうさ今 ぼくはおかしいんだ
そのおかしさを君は信じてくれるかな”
“親愛なるきみへ”から滑り落ちていった手のひら
君が掴む 夢みたいに それから返事を僕に伝えたんだ
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