明け方の屋上は 風の音だけがして
錆びたフェンスに手を掛け 見下ろせば眠る街

もういっそこの身を投げたかった
居場所など何処を探せど
ある筈無いと判っていた

あなたはきっと曇り空に
差し込んだ一縷の光
寄り添って眠りましょう
永遠よりも長く

昼過ぎの踏切は 不協和音かき鳴らし
吸殻潰す踵 擦り減った黒い靴

もういっそ向こうへ飛び出したかった
誰一人頼れなかった
唯あなた以外には

嗚呼

この場所からもっと遠くへ
頼りない右手を取って
連れて行ってくれるのですか?
この空の果てへ

二人きりで旅立つ日は
太宰あたりに擬えて
手紙でも残しましょう
誰宛でもなく

この場所からもっと遠くへ
頼りない右手を取って
連れて行ってくれるのですか?
この空の果てへ

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