螢狩りから もどった君は
足も洗わず 籐椅子に
川むこうには たくさんいたと
ゆかたのすそをぬらして
水無月の夜 送り火の前
夏帯解いて ゆかたを着がえ
たけの長さを 気にして
君の作った 砂糖水には
かげろうゆれて 動いた
水無月の夜 迎え火の前
蚊帳をくぐって 螢かごあけ
笹の葉を持ち とまれと
灯りを消せば 螢も見える
夜具とゆかたのふれ音
水無月の夜 螢火の中
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