地下室を出てみよう
世の中を見てみよう
まっさらに

信じられないけど
僕たちの世界は幻
色即是空(しきそくぜくう)
色付きの眼鏡で
逆様に覗いたモザイク
空即是色(くうそくぜしき)

隙間だらけに浮かぶ 空
欠伸しながら寄せる 海
そして気付く
虚無のゆえに 愛おしい

世界が終わる
この世が消える
虚空に響く
虚無の声

恋人の腕(かいな)の
温もりは一夜(ひとよ)の浮橋
色不異空(しきふいくう)
ありふれた月日が
灰色の景色で遠のく
空不異色(くうふいしき)

砂塵まみれに霞む 街
月の光に滲む 夜
やがて分かる
空(くう)のゆえに 美しい

世界が終わる
この世が消える
虚空に響く
虚無の声

色即是空
空即是色

生きるために生きる
僕たちは無常の嬰児(みどりご)
五蘊皆空(ごうんかいくう)
苦しみも涙も
過ぎ行く雨風と托生
諸法空相(しょほうくうそう)

すべて 愛おしい

世界が終わる
この世が消える
虚空に響く
虚無の声


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