2011-11-20

Chicago Poodle、いいメロディーでいい曲を歌う そのことに関してはブレていない

 全33曲2枚組、結成から現在までの11年の歴史を詰め込んだベストアルバム『HISTORY I』が完成! そこに込められた想い、そこから垣間見れるバンドの変化などをメンバーが語ってくれた。

──インディーズ時代から現在までの軌跡が詰まったベストアルバムがリリースされるわけですが、なぜこのタイミングでベストアルバムを出そうと思ったのですか?

山口 結成11年ということで“ワンワン”、“1”に縁があるというか(笑)。7月に大阪の森ノ宮ピロティーホールで初めてのホールライヴをやった時に、事前にホームページ上でファンの人からリクエストを募ってセットリストを考えたんですけど、インディーズとメジャーの垣根なく票が集まったんですよ。だったら、僕らの原点であるインディーズの曲もいろんな人に聴いてもらいたいなと思ったんで、今までのものをまとめて出してみようかってことになったんです。

辻本 ただのアルバムじゃなくてベストアルバムなんで、バンドをやってきた甲斐がありますね。長くやってきたからこそ出せるわけだから、学生の頃から遮二無二に音楽をやってきたご褒美みたいな感じで、このタイミングで出せるのはすごくうれしいです。でも、ベストアルバムとはいえ、あくまでも作品なんで収録曲についてもみんなで話し合ったし、曲順もすごく考えました。

──選曲するにあたって、過去の音源を聴き直したり?

花沢 自主制作で作った「オーレオ」から新曲の「太陽は知っている」まで聴きましたね。昔の曲ってどこか荒削りなんですけど、怖い者知らずみたいなところがあるっていうか…アレンジも昔はギタリストもいて、4人でスタジオに入って音を出しながらやってたんですけど、今はパソコン上で音を組み立てて、それからレコーディングに入る場合もあったり、制作スタイルの振り幅も大きくなっていて。そんな作り方とか空気感の違いが曲に出てるなって。歌にしても喉を壊す前の声だったんで、“こんな声しててんな”と改めて思ったり(笑)。ただ、バンドを結成した当初からいいメロディーでいい曲を歌っていう…それがやりたくて作ったバンドでもあるので、そのことに関してはブレていないと感じました。

山口 シングルのカップリングとか、アルバムに収録されていない曲も入ってるんですけど、そういう曲を聴いても一曲入魂で作ってたんやなって改めて思って、誇らしい気持ちになりましたね。歌詞に関して言えば、昔の曲はストレートやなって。例えば、「夢」という曲は学生時代に就活するか、音楽を続けるかって考えていた頃に作った曲なんですけど、改めて歌詞を読んでみたらその時の心境がすごく表れてる。今やったらここまでストレートには言わへんっていうか。それが悪いっていうわけではなく…その時その時の表現ですからね。だから、これからも年齢を重ねていろんな経験をしていくと思うんですけど、その時にしかできない表現で曲を作っていければいいなって思いましたね。

──ボーナストラック的な感じで、一番古い曲「オーレオ」と一番新しい曲「太陽は知ってる」が最後に入っているのですが。

辻本 そこの落差はすごいと思います(笑)。「オーレオ」は大学生の時に自分らでお金を出し合って、今考えるととんでもないスケジュールでレコーディングしたうちの一曲なんですよ。

山口 ヒストリーなんで、その時の音を聴いてもらいたいと思って。久々に聴いたし、ライヴでもあんまりやってなかったんで、改めて聴いて“結構、ええ曲やな”って思いましたね。

──新曲「太陽は知っている」については?

花沢 今年の3月ぐらいに作った曲で、イメージしたのは聴いていて心地良い…キャッチーで疾走感のあるメロディーを作りたいと思ってましたね。

山口 歌詞は青臭い青春ソングにしたいと思ったんですよ。僕の中で青春ソングって“青春バンザーイ!”っていうような楽しいものより、悶々としたものを抱えてるイメージがあるんですね。だから、悩みながらも前に向かっているような…そういうことを歌詞にしました。僕らも音楽をやってたから、いろいろありましたし(笑)。この曲ができた時に震災があって…震災をテーマに書いたわけじゃないんですけど、改めて音楽を発信し続けることの決意表明的な曲にもなりましたね。

──全33曲の一曲一曲に思い入れがあると思いますが、あえて転機と言える曲を挙げるとするなら?

花沢 「Baby my "Jenny"」ですね。『第1回京都学生祭典「全国学生音楽コンテスト」』で演奏した曲で、その時にグランプリをいただいたんですね。そのグラプリがきっかけで音楽がやりやすい環境になった…今のレコード会社と契約ができたんで、この曲を作っていなかったら、もしかしたら今は音楽をやってないかもしれないなって。救われたっていうか、分岐になった曲ですね。

山口 僕は「Hello」ですね。ギタリストが抜けた時の曲なんですよ。ここで別れがあって、新たなる始まりがあったという曲なんで、そういう意味では分岐点となる曲かなって。

花沢 「Hello」はメロディーを作るのにものすごく時間がかかったんですよ。この33曲の中でも一番じゃないかと思うぐらい。ギタリストが抜けてChicago Poodleはつまらなくなったって思われたくなかったから、絶対に名曲を作りたいって。

辻本 僕は、これからの分岐になってほしいという意味で新曲の「太陽は知っている」ですね。テンポ感的にも今までになかったような僕らにとっては速い曲だし、この『HISTORY I』を出してひと区切りじゃないですけど、また新たなところに向かう意味でも“行くぞ!”っていう気持ちが表れてる曲なんで、何年後かに“あの曲が分岐点やったな”って思える曲になるんじゃないかなと思ってます。

──このアルバムを出した後、12月に『犬(one)フェスX’mas 2011 ~僕らが向かう場所~』が開催されるわけですが、どんなライヴになりそうですか?

花沢 やっぱりベスト的な内容になるし、クリスマス的な演出もありつつ…っていう感じですね。集まってくれたみなさんと一緒に、今年を締め括る最高のライヴにしたいなと思っています。

取材:石田博嗣

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