2023-03-22
umbrella、地元大阪で開催した結成13周年記念ライヴレポ
かつての彼らが、遠く想いを馳せていたのであろう〈いつの日か〉という名の未来。
それは、今宵この場に〈鮮やかな世界〉としてありありと映し出された、今現在そのものだったのではなかろうか。
2010年3月結成のumbrellaが、このたび13周年の節目を記念し開催した[umbrella 13th Anniversary ONEMAN 【雨宿り】]の舞台となっていたのは、彼らの地元である大阪に所在するLive House ANIMA。
そして、今回のライヴタイトルに冠されていた“雨宿り”とは、umbrellaが2011年7月に発表したファーストミニアルバム『アマヤドリ』からとったものであることが明白だった。
ちなみに、当日の大阪では午前中まで雨が降ることに。ある意味それは、天からumbrellaへと向けられた少しばかり粋なはからいだったのかもしれない。
〈僕等が居たこの時代が 見えない君に届くなら 怖がる事は何もない 僕が唄うから。〉
この大切な夜のオープニングを飾ったのは、フロントマン・唯が願いを込めるかのようにこう歌いあげた「永久地図」だ。
これはもともと2012年12月に開催された単独公演 [モノクロレイン-大阪豪雨篇] で会場限定配布されたレア音源に収録されていた曲で、ここまで約11年の時を経て来た中ではライヴアレンジが変遷してきたものとなる。
サブスクでは未解禁なだけに、基本的にはライヴでしか聴くことが出来ない曲でもあるため、これを彼らがこの夜の冒頭に提示してみせたことは、umbrellaがライヴバンドとしての矜持を示したのと同義だとも受け取れた。
なお、今回のライヴにおいては懐かしい過去曲たちのみならず、2022年11月に発表された最新アルバム『vector』からも力強いダイナミクスにあふれた「兵隊さん」や、『vector』で再録リアレンジを施されたことにより骨太さとヘヴィな色合いを増した「「群」」なども演奏されていくことになり、聴衆は濃密でいて最新型のumbrellaならではの迫力ある音像を存分に堪能することが叶った、と言っていい。
「悪路」ではイントロからギターソロ、果てはアウトロに至るまで渋さとエモさが同時に漂う秀逸なギタープレイをたっぷりと聴かせてくれた柊。
「Witch?」でバキバキのスラップベースとテクニカルなフィンガリングベースを披露しながら、フロアをおおいに沸かせてみせた春。
「HALO」での熱い躍動感に満ちたリズムワークで、観客たちを軒並み“ぴょんぴょん”と跳ねさせ楽しませることに成功していた将。
そして、このワンマンについては来場者による声出しが可能になっていたということで、「アラン」においては何時も多くの楽曲で肩にかけているセミアコギターを置き、そのかわりに白いタクトを振って歌いながらオーディエンスにもシンガロングを促していた唯。
つまり、umbrellaの面々が4人それぞれに自由でバイブス高めなパフォーマンスを繰り広げていくさまはとにかく尊く、ライヴならではの圧倒的な醍醐味をひしひしと感じられるものとなっていたのである。
もっとも、曲や歌詞から深いやるせなさを感じた「微熱」や、聴く者の涙腺を刺激するような旋律が印象的なバラード「「管」」については、あらためてumbrellaがただのロックバンドではなく、上質で良質な音楽と文学的な歌詞世界を重んじる表現集団であることがよく伝わってきた場面で、彼らの紡ぎだす音は13年の歴史の中で積み上げられ、研鑽されてきた賜物だということもよくわかった。
「ほんとはこのバンド、こんなに続けるとは思ってなかったし、自分が当時作った曲を全て出し切ったら2年くらいでヤメようと思ってました。
そのあとはちゃんと社会人になって、親孝行して、家庭を築いて、普通に生活していこうと思ってたんです。
でも、実際にはそう行かずもっとたくさん曲が出来て、ライヴに来てくれるみんなの顔や、メンバーの「やるぞ!」っていう姿を見て、そのことが僕を後押ししてくれることになりました。凄いよね…今となっては70曲以上が出来て、13年続いてます。ありがとう!これからもよろしく」(唯)
この赤裸々な唯の言葉に続くかたちで、本編後半では、MCにてメンバー全員による貴重なエピソードをまじえた“umbrellaの歴史秘話”が和気あいあいと語られる一幕があり、結論としては4人全員が「13年も続けられていることはバンド以外にない」と激白。
「バンドが主軸になった生活を何年もして来てましたけど、やっぱりここ数年はほんとに自分が想像してなかった社会状況になって、バンドが置かれる環境も変わって、何をどうしていいかわからなかった時期があったのも確かです。
でも、この3年くらいを乗り越えてきて、それでもくじけなかったという自負というか強みを俺たちは持てたんじゃないかと思ってます。
(中略)ここからは自分たちなりに楽しんでいければ良いんじゃないかと思っていますし、こうしてライヴに来てくれるみんなとも楽しく過ごしていきたいと思っていますので、14年目もよろしくお願いします!」(柊)
そのうえ、この言葉のあとには“前向きなお知らせ”として6月17日に配信ニューシングル『dilemma』が発売されることと、それにともない東名阪でのリリース主催ツアー[アンビバレンス]が行われる件が発表され、さらに14年目の門出を飾る曲として唯がこのステージで歌うことをあらかじめ決めていたという「orbit」が、めでたき祝砲として高らかに打ち上げられた。
「こうやってまた集まれる場所があるんだったら、何時でも来てください。
僕らは“心に傘を”なんてえらそうに言ってますけど、あなたたちはわたしに傘を差してくれる存在なんです。今日は本当にありがとうございました…!」(唯)
かくして、このライヴの最後を締めくくったのは冒頭にてふれたファーストミニアルバム『アマヤドリ』に収録されていた“君と僕”の物語を美しく綴った「レクイエム」のRe:arrange.ver。
ここでは曲後半で観衆たちがクラップを用いることにより、バンド側との絆をいっそう深めていく光景がもたらされたのだった。
そう。かつてのumbrellaが遠く想いを馳せていたのであろう〈いつの日か=「永久地図」の歌詞の一節〉という名の未来は、今宵この場に〈鮮やかな世界=「orbit」の歌詞の一節〉として具現化されたのだ。
PHOTO:おにてん。
TEXT:杉江由紀
umbrella 13th Anniversary ONEMAN 【雨宿り】
2023年3月18日(土) Live House ANIMA
SETLIST
01.永久地図
02.「愚問」
03.兵隊さん
04.「群」
05.「シェルター」(Re:arrange)
06.anima
07.悪路
08.Witch?
09.HALO
10.アラン
11.アメイジング
12.微熱
13.「管」
14.O3
15.orbit
16.レクイエム(Re:arrange)
≪リリース情報≫
■デジタルリリース「dilemma」
2023年6月11日より各配信サイト、サブスクリプションサービスにて配信開始
≪ライヴ情報≫
■umbrella 「dilemma」リリース主催ツアー
アンビバレンス-OSAKA-
2023年6月17日(土) 心斎橋PANHEAD GROOVE
OPEN 17:00 START 17:30
【出演】 umbrella、マツタケワークス
アンビバレンス-NAGOYA-
2023年6月23日(金)今池CLUB3STAR
OPEN 17:30 START 18:00
【出演】 umbrella、nurié
アンビバレンス-TOKYO-
2023年7月6日(木) WildSideTokyo
OPEN 17:30 START 18:00
【出演】 umbrella、3470.mon、梟、マツタケワークス
【チケット料金】 前売り3600円 当日4100円 ※ドリンク代別
【チケット先行発売】 e+プレオーダー
大阪 https://eplus.jp/sf/detail/3834490001-P0030001
名古屋 https://eplus.jp/sf/detail/3834460001-P0030001
東京 https://eplus.jp/sf/detail/3834790001-P0030001
受付期間:3月26日(日)10:00~4月2日(日)23:59
入金期間:4月4日(火)13:00~4月5日(水)21:00
【チケット一般発売】 4月9日(日)10:00 イープラス
大阪 https://eplus.jp/sf/detail/3834490001-P0030001
名古屋 https://eplus.jp/sf/detail/3834460001-P0030001
東京 https://eplus.jp/sf/detail/3834790001-P0030001
【入場順】1.プレオーダー 2.イープラス一般 3.当日券
■ umbrella 春 生誕祭 【アマヤドリ-六三三-】
2023年4月23日(日) アメリカ村 BEYOND
OPEN 17:30 START 18:00
【出演】 umbrella、Jin-Machine
【チケット料金】前売3600円 当日4100円 ※税込、ドリンク代別
【チケット発売中】 https://eplus.jp/sf/detail/3812400001-P0030001
【入場順】1.プレオーダー 2.イープラス一般 3.当日券
umbrellaオフィシャルサイト http://xxumbrellaxx.com/
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Доброго времени суток, коллеги!
Сегодня хочу затронуть тему, которая долго меня увлекает — что посмотреть в Китае.
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Если говорить о must-see, то трудно обойти вниманием Великую китайскую стену — воплощение силы и стойкости, восхищающий своими масштабами и потрясающими
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истинный архитектурный шедевр, где каждый элемент наполнен древней историей.
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В заключение хочу отметить, что Китай — это страна, где любой обнаружит что-то
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