2011-08-20

THE WAYBARK、バンドをやってて今が一番楽しい

 セルフタイトルを掲げる、直情的で痛快な1stアルバムを完成させたTHE WAYBARK。バンドの中心人物である成田大致(Vo)のロックスピリッツに触れつつ、アルバムについて訊いた。

──いきなり愚問ですけど、大致くんの考えるロックとは?

別に定義っていうのはないんですけど、なんか察知はするんですよね。何がロックかっていうのは言葉じゃ説明できないんですけど、その判断は自分の中ではっきりしてます。

──THE WAYBARKは2002年のロックの日に結成されたわけですが、やはりそういう感覚をもとに?

そうですね。ってか、ずっとロックファンだったんで、常にそういう感覚はありました。でも、やりたいことがバンドで表現できるようになったのは最近なんですよ。自分でいろいろ試してみないと満足しないタイプなんで、なんでもチャレンジしてみて、“これはなかったね”とか“これは良かったね”っていうのが経験値となって、バンドの足腰を強くしていった感じですね。

──地元の青森でロックフェス『AOMORI ROCK FESTIVAL ・夏の魔物・』もオーガナイズされているわけですが、それも自分が思うロックをかたちにしようと?

それしかないですね。よくあるじゃないですか、授業中に理想のセットリストを書いたりって(笑)。そういうノリですよ。ただ、THE WAYBARKがホストバンドとしては実力不足すぎるんで、早く成長しないとっていう焦りがずっとありました。

──『夏の魔物』をやりながらバンドも成長させていった?

そうですね。このメンバーになって3年半ぐらいの時に、嫁さんから“自分でイベントをやって、いいバンドもいっぱい知ってるのに、自分のバンドがこれで恥ずかしくないの?”って言われたんです(笑)。自分でもどこかで思ってたんですけど、それをズバッと言われちゃったんで、“…だよね”ってなって。それまで曲はギターのJohnnyに丸投げだったんですけど、それじゃダメだろうってことで、自分も曲を作るようになったんですよ。前はJohnnyが仕切ってたのが、4人で支え合うようになったんで、バンド感というのがグンと出てきて、ディスカッションする時間も増えたし、4人の中にはっきりとした意識っていうか、やっとそこで“THE WAYBARKをこういうバンドにしていこうぜ!”っていうのが出てきましたね。それまでは自分たちが聴いてきたロックバンドの延長線上っていうか、先輩のマネごとだったなって。楽曲的にも“THE WAYBARKって何?”ってなった時に、“こういうバンドだよ”って言えない…2010年に自主制作でアルバムを作ったんですけど、それはまだそう言えなかった。

──1stアルバム『THE WAYBARK』が完成したわけですが、やっとバンド名をタイトルに掲げられるものが作れたと?

結成した頃からずっとあった“こんなバンドになりたい”という理想像が、初めて表現できたなって。定番じゃないですか、1stアルバムでセルフタイトルで、初期衝動が詰まっているっていうのは。そういうものをずっと作りたかったんですけど、なかなか納得がいかなくて…前回の自主盤の時もセルフタイトルにするかどうかでもめたんでけど、まだその時じゃないって。だから、ようやくスタートラインに立てたっていうか、やっと“これが僕のバンドです”って言っても恥ずかしくないものが作れましたね。今のTHE WAYBARKというのが、うまい具合にパッケージされていると思います。

──そんな今のバンドのテンションはどんな感じですか?

めちゃめちゃ高いっすよ(笑)。ライヴをやっても充実感がすごいっていうか、こんなに4人とも状態がいいっていうのは初めてだし、バンドをやってて今が一番楽しいですね。

取材:石田博嗣

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