2013-11-20

【earthmind】“あの頃”から続く夢の軌跡を追いかけたい

 フジテレビ“ノイタミナ”アニメ『ガリレイドンナ』のエンディング・テーマ「イノセント」を、4thシングルとして発表するearthmind。前作「ENERGY」以降の路線を引き継いだ光に満ちたサウンドが、より近い場所から未来へ向かう背中を後押ししてくれる。

──近未来を舞台にしたアニメのエンディング曲ではありますが、壮大さや非日常的な世界よりも、そこに生きる人々の“日常”を感じさせる曲ですね、この「イノセント」は。

Erina「はい。ポップで明るい3rdシングル「ENERGY」から1stアルバム『power of mind』と、ここ最近より聴いてくださる方との距離を近付けたいという気持ちでやってきたので、それをさらに色濃く表したかったんですよ。アニメ制作チームからの“あまりしんみりしない感じで”というオーダーにも、晴れやかな曲のイメージがぴったりハマッて。困難に立ち向かう主人公の三姉妹の姿から、そこで生まれる絆、大切な人がいるから自分も大切なことに気付けるんだという想いを軸に、歌詞も書いていただきました。曲中に出てくる“あの頃”というワードには、歌っていても特に共感できて。」

──“あの頃”を懐かしみながらも“今”を信じて前へ進んでいこうという歌ですものね。

Erina「そうなんです。思い返すと“あの頃”って理由もなく希望にあふれて、前向きじゃないですか。私も“この川は海につながってるんだから、外国にだって届くだろう”って、イギリスに引っ越した友達宛の手紙を流してみたり(笑)。そんな素直な気持ちを今も持ち続けていたら、どんどん想像が広がって、行動につながって、何か大きな力を生み出すんじゃないかって感じたので、レコーディングでも少女時代を思い起こしながら素直に、ストレートに歌っていきました。」

JUN「あの頃って、なぜか自分に対して異常な自信があるよね。僕も小学生の時は“絶対バスケの選手になれる”って信じてたし、戦隊モノを観ては“ヒーローになりたい!”って段ボールで茶色の聖闘士聖衣を作ったりしてた(笑)。」

Ommy「僕も中学時代にバスケやってて、選手交代でコートに入ってく時に“♪タラリラッタラ~”って登場のテーマを口ずさんだら、周りに“お前、何言ってんの?”って言われたことある(笑)。なんだろうね? あの頃の“世界は自分を中心に回ってる!”っていう感覚。」

Erina「分かる! もう自分のことしか見えてない(笑)。」

──そういうお話を聞くと、曲のタイトルが“イノセント”なのも納得です。疑うことを知らない無垢でピュアな“あの頃”から続く夢を追いかけている曲なんですから。

Ommy「まさに。ハードな曲ではない分、サウンド的にはリズミカルなギターでスピード感を出して。最後にキャラクターたちが空を見上げるエンディングも、曲のキラキラ感とうまくリンクしてる気がしますね。」

JUN「うん。より曲を聴かせる映像になっていて、アニメチームの愛情を感じた。あとはサビのリズムに少しフックを付けてみたり、より奥行きが出るようにミックスの仕方を変えたり。音楽的に新しい試みもしてるので、そのへんもマニアックにチェックしてほしいです。」

──カップリング曲「Hello My Days」のほうでは、作詞にJUNさんが参加されているのも新しい試みですよね。

JUN「もともと作曲だけでなく、歌詞も書いてみないか?という話はあったんですよ。それで今回、共作というかたちではありますが、僕が常に感じる“もどかしさ”を核に書いていきました。例えば、歌詞を書いていても上手いこと言葉がハマらなくて、やり切れない想いを味わったり。それでも明日に向かって歩きたいという気持ちを表すことで、みんなが自分を投影させられる歌詞にできたらいいなと。」

Erina「もう、ほんとに刺さる言葉が多いんですよね。Bメロの《正しい答えなんてわからない 選んだ答えがあるだけ きっと遠回りしたその分 少しずつ強くなるよ》とか、すごく慰められる。“あっちにすれば良かった”って悔やむんじゃなく、失敗したから強くなったんだと発想を転換できたら生きるのが楽しくなるし。あとは間奏のギターソロもグッとくる!」

Ommy「あまり渋くなりすぎないように気を付けたんだけどね。少し大人びてる曲な分、変に歌い上げると古臭くなりそうで。ただ、そんな曲だからこそ3 曲目の「ファンタジスター」につながった時にハッとしてもらえるはず。ここまで振り切った曲も、カップリングならではじゃないかな。」

──切なさ漂う曲から、完璧なダンスチューンに一転して驚きましたよ。もう、ミラーボールが目に浮かぶよう。

Erina「これはプロデューサーの(齋藤)真也さんが、新たなearthmindの顔ということで作ってくださった曲で。ノリとリズムと勢いが良くて、芯のある強い女の子がイメージできる曲だから、歌っていても楽しかったです。と同時に“お、JUNくん頑張ってる”と。この曲、ベースがメチャ大変!」

JUN「真也さんから“スラップのフレーズを入れてほしい”と言われて、何パターンか送ったら、それが組み合わさったものが返ってきたんですよ。おまけにシーケンスで入ると思っていたポリリズムがベースになって、ライヴはマジでどうしようかと、今から不安なくらい(笑)。」

Erina「その分、キマったら相当カッコ良いよ。ライヴでは絶対盛り上がる曲だろうから、もう踊り狂ってほしい!」

Ommy「アルバムに収録されていた「brightline」の延長線にある曲でもあって、そう考えると全てはつながっているんですよね。また、次の作品でも面白いことをやるつもりなので、期待していてほしいです。」

──過去の曲で提示された原石が、ちゃんと磨かれ、進化しているのは頼もしいですね。

Erina「ありがとうございます。ハードな曲、ポップな曲、踊れる曲と、いろんな魅せ方ができるだけの曲数も揃ってきて、ライヴでも毎回みなさんの反応を楽しみにしてるんですよ。ようやく11月末でデビュー2周年を迎えるので、これからもearthmindの進化を見守っていただけたら嬉しいです。」

取材:清水素子

(OKMusic)


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