鮮やかな幻に 埋め尽くされた体
背中に残ったままの 歯型 爪の跡

かかとで無情を鳴らし 尽きた日々の坂道
君はまた同じように 傷を見せに来た

やがて失われてゆく その時間が触れたもの
青醒めた海の深くに 沈めたから

燃え移るほど傍に来て 凍てつくこの身を溶かして
たとえ記憶が息をしなくなっても
今そこにある君が愛しい

敷き詰めた幻に 紛れた君を探す
背中に刺さったままの 薔薇の花が枯れずにいた

やがて失われてゆく その実感と呼べるもの
青醒めた海の深くに 沈めたくて

目に映るすべての意味が 砂に呑み込まれてしまう
たとえ記憶が二度と帰らなくても
君だけは離せずにいたんだ

燃え移るほど傍に来て 凍てつくこの身を溶かして
たとえ記憶が息をしなくなっても
今そこにある君が愛しい


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