今夜 僕らを乗せて
夜汽車は走り出した
両肩の重い荷物をシートに降ろして
トンネルを抜けて白銀の世界へ
街を背に走る

並んで揺れる吊り革
窓には僕の姿が
頬濡らす雪の雫が風に飛ばされる
その奥に見えた遠い街の灯が
ガラスに滲んで

この冬の日暮れは早い
だけど恐れるな
涙溢れてもそれを拭うなよ
真昼の光に夜は照らせない
だから旅人よ その闇の中で隠れて
―人眠れ


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