外は雨、真夜中窓辺にその身を横たえて
月を眺めてアクビをひとつ
そんな僕は飼い猫
僕の飼い主は普通より寂しがりやで
僕がいないとすぐ「寂しい」と言って泣いてしまうよ
寂しいのかい?もう大丈夫。僕が傍にいるから
だから早く僕のコト気付いてね
君と僕ふたりが見ているこの真っ暗な世界は
今は闇に包まれているけど
朝になればきっと綺麗な花も見えるよ
だからもう泣かないで?
僕には何もしてあげられないけど
僕は所詮猫だから君とは理解し合えない
だけど君の寂しさを拭ってあげたいから
僕の頭を撫でて抱きしめて
その掌で
結局僕の気持ちは君に届かずに
君は何かの薬を飲みその瞳を閉じた
何も知らない僕は
いつもと同じように君の傍へ
いつもと同じように君と共に夢の中へ
満月は太陽に蝕まれ朝になって
君はまだ目を覚まさない
次の日もそのまた次の朝も夜になっても
僕は何度も君を呼ぶけど
君の優しい声は二度と僕の名前を呼んでくれない
僕はひとりで君の部屋に閉じ込められて
もう冷たい大好きな君の掌に抱かれて…
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掌(たなごころ)へのコメント
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