風になりたい
自由な風に
決して目立たぬ風に
優しき人や寂しき人に
息吹(いぶき)や暖(だん)を運ぶ

いつか身が擦り切れたら
小さな藻屑(もくず)となり
遥かを漂うんだ

何も要らなかった
あなたの笑顔があれば
けれど多くを望むふりをしてた
きっと私には眩(まぶ)しすぎるあなたの
愛が畏(こわ)かったから

海になりたい
大きな海に
決して物言わぬ海に
深い深い想いを潜ませ
ただ歴史を見守るんだ

遠くに住む草木や
人々の笑い声に憧れて
佇(たたず)むだけ

何も知らなかった
あなたの傷や涙を
けれどすべてを知るふりをしてた
きっと私には優しすぎるあなたの
愛が畏(こわ)かったから

何も要らなかった
あなたの笑顔があれば
けれど多くを望むふりをしてた
きっと私には大きすぎるあなたの
夢が畏(こわ)かったから
きっと私には眩(まぶ)しすぎるあなたの
愛が畏(こわ)かったから


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