焼けるような夏の陽を風が攫い始める頃
輪郭を映し出す滲む光の波

逆らうことを許さない運命の流れに
儚く、だけど確信めいた笑顔

怯えまで捨てたなら 無力に翻弄されずに
その手を掴んだまま 連れて行けたのだろうか

触れたら千切れてしまうほど 細い糸見つめて
壊してしまうより手放す事を決めた遠い日

未だ知らぬ明日へ身体を投げ出すたびに
狂いそうな孤独が肌を突き刺すけれど
網膜に残る微かな記憶の影
目を凝らして言い足りていない思いを綴る

縋るように寄り添った 震えは消えなかった
失う前に捨て去った 幻の感情

瞬いてすぐに消える淡い残像は
時を経ても褪せないまま夢に宿る
たどり着く先にたとえ君がいなくても
あの日そっと言いかけて止めた思いを綴る

結晶が吹き抜ける風に凍え始める頃
輪郭を映し出す滲む光の波

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