トーキョー賛歌

降り出す　星屑　目細めた
「ねえ、誰か…」か細く呟く
鳴り響くトーキョー賛歌
口遊（くちずさ）み歩く

タラリラ小煩く鳴く音に
手を引かれて　競走中
背景模様に合わせたお洒落して
顔添えたら　完成形　踊ろう

黒猫が鳴いてる　こちら見て
私を呼ぶ　救難中
何故だろう　目離せない　胸が痛くて
越えたの境界線　駄目だな

上手く泳ぐこと　出来なくて

殺して殺されて　漂う
背伸びで誤魔化してみても
問いかけた明日に泣いて震え出すから
薄汚れた水槽で
呼吸の仕方などあるの?
鳴り響くトーキョー賛歌
息を潜めてる

厳粛さ　操舵（そうだ）されて
まるでコンビニ
並んだ消耗品
有効期限は止まることなく
先人は何処へ　放浪中

掻き消す為　歌い続け　そう

上手く泳ぐこと　出来なくて

春風吹く空　五時過ぎに
沁みる朝焼けと電波塔
溢れ出す感情にただ走り出すから
生きる意味はまだ灯る
背伸びで誤魔化しもせずに
問いかけた言葉を吐いて投げ捨てるから
薄汚れた水槽で
自由に泳ぐ術はない?
鳴り響くトーキョー賛歌
深く息落とす