予定を少し過ぎて バスは遅れてるようだ
まだ寒い午後のベンチ
君がくれた時計は 今も正しいけれど
ため息で曇ってく

見上げた蕾も 僕と同じように
ずっと 咲く瞬間(とき)を待っているんだ

いつも慌ててさ 駆け降りてくる
君は照れながらさ はにかんでは 僕を見つけるのさ
そして 春色のどんなものより
僕を彩ってゆく 笑顔を待ってた

「桜が咲いた頃に 二人でここで見よう」って
他愛もない約束を
色づく前の姿 風に揺れるたびに
懐かしく見つめるよ

毎年 巡る季節だけど
きっと 同じ花はもう見れない

もしも 僕たちが出会えてないなら
咲く色も知らずに 今ここで 何を見ていただろう?
そして 柔らかな君の頬のよう
薄紅色の花を 今年も探すよ

バスがそっと やって来てさ
僕は息を 吸い込んだ

いつも君が座ってた席を
今も探してる僕さ
ひとり苦しくなるほど
ずっと 君は綺麗だ

君のいない 未来が今日もさ
動き出してくんだ 笑顔を僕も探しにいこう

きっと そんなこと気にもしないでさ
春はまたやってくる ほら違う色でさ


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