彼方から眺める私は嘸かし滑稽でしょう
嘲笑が静けさに沁み入り谺する
何度此処を立とうとも 何度此処へ帰ろうとも
其の実、どれだけ重ねど不実

振出を見失う これは行きか帰りか

跪き手を合わせ声高々に喘ぐ
祈り 崇め 拝み その果てに何を掴んだ?
泣けど叫べど喰われ残る痛みこそが
唯一…それが己の唯一

冷たく嗤う石畳 その額を擦り付けて
いついつまでも飽きもせずに朱の口に捻じ込む
それは正に独り善がり 味見もせぬ餌と同じ
辺り一面は吐瀉の海 気付かず入水 揺蕩う

行きも帰りも無い 百度踏めど 振出の壱

跪き手を合わせ天高々に仰ぐ
虚ろな目が游げば 溺死も戯れに
疾うに蝕まれていた食傷気味の痛み
未だ賽は手の内で躍る

空を切るだけの無意と知りつつ
迷い子の手を引いて

繰り返す 繰り返す

「手纏ノ端無キガ如シ」

故に跪く

吐き出した言の葉に命が宿る程
己を曝け出す痛みに慟哭を謳えるのなら
数え歌を置き去り彼方から目を逸らし
唾を吐き捨て賽を振る

然らば


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