晴れて巣立つ頃、不快な透明度
空は嫌いなの 堕ちてしまいそうで。
何を失くしたの?不浄の樹の下で
声を聞かせてよ おかしくなりそうだ。

低く鈍いオト、鼓動が揺らぐオト。
切に願う程、遠ざかるのは何故?
誰に赦したの?無情な夜の虚
手と眼腫らす程、無常の日々に

あんなに嫌いだったこの場所で
生きる術を身に付けてしまう
幾ばくかを犠牲にして

在りし日の僕らは
きっと、嘆くのだろう。

『足掻く者達の笑みよ死を示せよ』
『天秤の両端に立ち、身を晒せよ』

露に濡れた木々の葉に幾度、風が吹き付けた?

空しくなる。

何かを手に入れ、何かを奪われて――。

やがて、幕が降りて鐘が鳴る。
それが、自ずと真意をひた隠す。

『幾重に痩せた手が覆う。 ―― 眼前を』
『罪状を読む手が挙がる。 ―― 壇上へ』

誰を愛したの?俯瞰、不感の世界で
視界を遮られ、
「そばで、わらっていて?」
膝下の悪夢が醒める、その時まで。

何を叫んだの?不協の喉笛で
根と芽絶やすほど不毛な野の上で
何故に無くしたの?不浄の樹の下で
声を聞かせてよ、おかしくなる。

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