2012-06-20

【カメレオ】“新宿”というワードにはいろんなものが隠されている

 ポップかつ攻撃的なサウンドで中毒症状を巻き起こすこと必至のミニアルバム『新宿』は、6月22日に控えるワンマンライヴ、そして今後のライヴをよりリスナーと楽しむべくして誕生したエネルギッシュな作品だ。

──本作『新宿』を聴いた感想は、“新宿”というのは良い題材だなと。都会なんだけど、レトロな装いもあって、いろいろなものが渦巻いている感じを生々しく表現されていますよね。

HIKARU. インパクトのあるタイトルを付けたくて、たまたま“新宿”というワードが浮かんだんで面白いなと。発端はそのぐらいだったんですけど、考えていくうちに“新宿”というワードにはいろんなものが隠されている気がしたんですよ。物だけじゃなく、いろんな人がいて、いろんな人生を過ごしてるわけじゃないですか。で、歌舞伎町のネオンだったり、僕の中で楽曲のヒントになるような写真と文章をメンバーにメールして、“新宿をテーマにしたい”ってプレゼンをしたんですけど…誰ひとり返信はこなくて。

Takeshi メール見たら、長文でこれちょっと語り入るんだろうなって…そのまま(笑)。でも、メンバー各々が思う新宿が描かれたんで、結果オーライです! それぞれ違った視点で捉えているから同じテーマでも幅のあるミニアルバムになったと思います。

──1曲目の「新宿」が入口となって、その世界観へと引き込まれていきました。

HIKARU. 最初、どの曲でPV録るかで結構意見が割れて、その中でも「新宿」は早々にボツになった曲なんですよ。でも、アレンジの時に何となくアホみたいなセリフを入れて、ライヴハウスの楽屋で“アレンジ変えたんだよね”ってKouichiくんに聴かせてみたら、笑い出して。聴き終わった第一声が、“PVこれでええやん”って。

Kouichi 単純に面白かった(笑)。カッコ良いことより、面白いことのほうが絶対合うと思うんですよ、このバンドは。セリフが重要じゃなくて、セリフが入ったことで聴き手に曲が広がるか広がらないかなんで。作り手が自分たちの作品を理解するなんてことは当たり前で、お客さんに伝わらなかったら意味がないですからね。“カッコ良い曲を作ったから聴いてくれ!”って言われても、“知らんよ!”だし。それは、お客さんへの優しさでもあるかな。

──確かにどの楽曲も情景が想像しやすかったです。

Takashi 俺、この中で選ぶとしたら「マジカルドリンク」が一番好きですね。「思考は常にマイナス」は、スピード感ある曲にしたくて。これからライヴでガンガンやっていきたい曲のひとつです。

Daisuke 「バカ…バカ…バカ…」は僕のギターからHIKARU.に膨らませてもらって作った曲なんですけど、ベースがすごくメロウでカッコ良いです。カメレオは基本的にひとりの人間が責任持って作詞作曲を担当することが多いんですけど、僕の場合はそれをやっちゃダメなんじゃないのって…せっかく各分野に長けているメンバーがいるんだから、そこはみなさんにお願いしますって曲を育ててもらった感じですかね。

──最後に「養え、己を」があり、ちゃんと作品を締め括っているのがいいですよね。

Kouichi ミニアルバムというトータルで見た時に歌詞的な出口がなかったから、最後に作りました。言ってることは結構厳しいんで歌ってもいいのかなって迷いもあったんですけど、ここがダメなんだよって指摘してくれることが優しさじゃないかなって最近思うんです。リスナーに向けてというより、自分たち自身に喝を入れる歌ですね。カメレオが今後売れるのも売れないのも、自分たち次第。だから、日々頑張っていきましょうっていう。ただの偉そうな説教ジジイの歌じゃないです(笑)。

取材:ジャガー

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