2013-07-21

【TOTALFAT】進化し続けるパンクロックの最前線

 磨き抜かれた7曲が収録されているミニアルバム『SEVEN LIVES』。エモーショナルな演奏、描かれている多彩な心情が、リスナーの心を熱く高鳴らせること間違いなし! 本作について4人が語る。


──今回のミニアルバムに関してブログで“生きる”と“執念” がテーマだと書いていらっしゃいましたね。

Shun「バンドを続けるのって大変ですけど、俺らは運とメンバー間の関係性もありつつ13年間やってこられたんです。でも、その反面、周りではいろんなバンドが解散したり、休止したり、世代交代的な雰囲気も漂ってたりして。あと、友だちが亡くなったり、病気になっちゃったりとか。“そういうことになんとか抗っていけないかな?”と。理想とは違う現実に対して抗う、マイナスをプラスに変えるエネルギーや姿勢が、今の自分たちの音楽に必要だと思ったんです。それが今回のミニアルバムに込めた一番強い精神性ですね。」

──サウンド面もすごくカッコ良いですよ。Kubotyさんのギターソロが最高ですし。

Kuboty「ありがとうございます(笑)。ギターソロは他のバンドと比べると多いのかもしれないですね。それはまぁ意識せずなんですけど、ギターのリードっぽいのが入ってないのは1曲だけなんですよ。でも、歌詞とメロディーが一番前に出てくるようにアレンジしてます。」

Shun「今回、Joseくんにもギターソロをお願いしたんですよ。「Wait For The Song」で。シンプルで渋いソロを弾いてほしかったので、ここはあえて彼のほうがいいなと。」

Jose「いきなり言われてテンパりましたけど(笑)。ギターヴォーカルだと人前で単音で弾く機会はあんまりないんで、これからライヴでやることを考えると緊張しますね。」

Shun「この曲のソロもそうだし、「Space Future」っていう曲の歌もちょっと今までと違うんですよ。いつもはメインもコーラスも俺の声が入ってるんですけど、これは丸々俺の声が入ってないんです。バンド内で持ってるものを全部駆使しつつ、チャンネル切り替えがいろいろできたのも、今回の大きかったことです。“もっといろいろできるな”っていう発見がありました。」

Bunta「13年やってきた中で、そういう新しい発見とかがいろいろできたのは嬉しいことです。気持ち的にもっと尖っていかないと、先がないと思うので。作ってる自分たち自身が新鮮に思える進化した部分っていうのは、今回いろいろ考えることができました。」

──ストレートに盛り上がれる潔さがありつつ、サウンドのアレンジはどれもすごく凝ってますよね。

Shun「アレンジは大変だったね?」

Jose「うん。今まで作ってきたアルバムの中で、一番各曲のアレンジに使った時間が長いと思います。プリプロに入って、ある程度全体のイメージができていた段階でも、いろいろ試しましたから。メロも変えたり、どんどん更新して。“原曲ってどんなだっけ?”って思うくらいで。」

Shun「いろいろ手を加えた結果、“あれ? この曲、誰が作ったんだっけ?”っていう話にもなったり(笑)。」

Jose「でも、何度も作り直すと、曲がどんどん面白くなる。」

Shun「しかも、曲を複雑にするためじゃなくて、“いかにシンプルで、印象に残るものにするか?”を考えるのがTOTALFATのアレンジなんで。そして、印象に残るものでありつつ、その奥でいろいろ感じてもらいたい。そういうことを今回考えることができたと思います。」

Bunta「一曲一曲に今まで以上にみんなの血を通わせることができたから、ライヴでやる時も気持ちが入るんじゃないですかね。曲のイメージも、すごく共有し合えてるし。」

Jose「今日もさっきまでスタジオで新曲をやってたんですけど、音を合わせるとすごく楽しいんですよ。」

Shun「バンド内のコミュニケーションが、今までで一番詰まってる作品だと思います。バンドとしての体力、声の吐息とかも含めた熱量みたいなものも感じてもらいたかったんで。これを聴いて“いつもよりガッツあるね”とか、“ドラムの勢いがすごい”とか感じてもらえたら嬉しいです。」

──例えば「Room45」も、今おっしゃった部分がすごく詰まっていると思います。

Shun「これはKubotyが原曲を作ってきて、それをみんなでアレンジしたんですけど、みんなで仕上げたことで4人それぞれに新しいアンテナが立ったような感じです。」

Jose「これはめっちゃアレンジしたもんね?」

Shun「うん。“7曲のうち、どれか1曲を聴いてもらうとしたらどれですか?”って訊かれたら、やっぱりこれですかね。俺らの今後を新しい方向に導いてくれる曲になるんじゃないかなと思ってます。サウンド面でも、より現代的な部分を入れることができましたし。“東京から発信する最新のメロコア”っていうものを、TOTALFATとして確立したいですから。」

──他にもいい曲が揃ったし、早くお客さんの前で演奏したいんじゃないですか?

Shun「そうですね。例えば、最初の3曲のパンチ力は観モノだと思いますよ。夏フェスで初めて俺らを観る人もいると思いますけど、この3曲で盛り上がってるのを観た時に、“仲間に入りたい”って思ってもらえるんじゃないですかね。」

──4曲目の「Space Future」は、夏フェスの夕暮れ時に聴いたらめちゃくちゃ気持ちいいはずです。

Kuboty「いいですね。それくらいの時間帯に演奏してみたいです。絶対に気持ちいいと思います。」

──まさにライヴで聴きたくなる7曲ですね。

Shun「初めてのライヴDVDも同発なんですけど、これもぜひチェックですよ。去年のZepp DiverCity Tokyo、めっちゃいいライヴになって。Zeppって最大のライヴハウスだから、そこでワンマンをやれたっていうのは、自慢してもいいことだと思うし、この景色をみんなにも観てもらいたい。どれだけあそこが素晴らしい場所なのか、お客さんにも知ってもらいたいです。」

取材:田中 大

(OKMusic)


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