2014-02-20
KANA-BOON、キラリと輝く2014年第一弾シングル
KANA-BOONのさらなる快進撃を確信させる最新作。温かいメッセージが込められた「結晶星」、骨太なサウンドが轟く「ミミック」、名曲「さくらのうた」の続編とも言うべき「桜の詩」、素晴らしい仕上がりの3曲を届けてくれた。
──「結晶星」、好きです。これはいつ頃作った曲なんですか?
谷口 ありがとうございます(笑)。3年前にできた曲ですから飯田が入る前ですね。作った当時はライヴでやっていたんです。僕らのモードがアップな感じになってからはセットリストから自然と 外すようになったんですけど。
古賀 ギターは今回のためにアレンジを変えました。イントロとか展開はあんまり変えていないんですけど、サビ後ろで鳴っているギターとかはすごく変えていたり。結構チャレンジしたところがあります。ザックリ言うと“星っぽい”っていうイメージのアレンジを目指しました。
──ドリーミーさを感じるギターですね。飯田さんは加入前、まずはリスナーとしてこの曲を聴いたのですか?
飯田 そうなんです。その頃、この曲が入ったCDを渡されて。僕は当時学生だったんですけど、電車の中で聴きました。大学が嫌いだったので、《やめたいならやめればいいじゃん》っていうのを聴いて、“辞めればいいのか”と(笑)。
──実際、辞めたんですか?
飯田 辞めました(笑)。それくらい共感できる曲だったんです。だから、今回レコーディングするにあたって、“新しく聴いてくれる人に何かを感じてもらえるものにしたいな”って思っていました。
小泉 今回やってみて、よりいいものになったと思います。ドラムは前とほとんど変えていないんですけど、僕は前よりもバンド全体の音を聴いて叩くようになったんです。その結果、曲全体の印象が変わりましたね。
──メッセージ性も強い曲ですよね。
谷口 作った当時は他の人に対して作ったんですけど、振り返ってみると自分に対しての部分もあると感じます。曲を作った時は、自分の先も見えていなかったですから。見えないながらも“信じなさい”と自分に言い聞かせていたんです。もともとは“マイナスからのスタート”みたいな意味合いがあった曲で…でも、 今となっては意味も少し変わったのかなと。今は信じて進んできて良かったと思えているので、ひとつ何かを証明できた者として歌える曲になったと感じています。
──“結晶星”っていろいろなイメージが沸く印象的な言葉ですけど、造語ですか?
谷口 造語です。書いた当時、“これだ!”っていう感じがあったんですよね。
古賀 鮪の造語って“ありそうだけど実際はない”みたいな感じがあって面白いですよ…って、なんでこんな評価をこういう場でせなあかんの? 恥ずかしい(笑)。
谷口 ええやん(笑)。
古賀 「結晶星」の歌詞は励まされるものがありますよ。僕らのモチベも上がります。
飯田・小泉 モチベ?
谷口 “モチベーション”って言えや!
──造語で対抗ですか?(笑)
谷口 褒めてくれたのに“モチベ”によって一気にありがたみがなくなったよ(笑)。
──(笑)。今回のジャケットのイラスト、かわいいですね。
谷口 漫画家の佐々木充彦さんに描いていただきました。
──みなさんにそっくりですよ。
谷口 もともと佐々木さんの描くイラストって、僕らにそっくりなんです。『インターウォール』っていう作品があるんですけど、それの登場人物がほぼ俺ら。飯田みたいな髪型の人がいたりするので(笑)。
飯田 ほんまにそっくりなんです。
谷口 ジャケットも気に入っています。
──古賀さんはこのイラストでもトレードマークの黒いシャツを着ていますね。変な質問をするようですけど…黒シャツは何枚持っているんですか?
古賀 クローゼットに5枚くらいあります。
飯田 意外と少ないな。
谷口 ツアーだと足りなくなるんじゃない?
古賀 いつも4枚くらいしか持って行ってない。
飯田 5枚しかないんだから、つまり1枚は着てるってことやろ? ということは全部持って行ってる(笑)。
──貴重な情報をありがとうございます(笑)。では、カップリングのお話も。「ミミック」は、激しい感情がストレートに伝わってくるのですが。
谷口 今回のシングルのレコーディングの時、ギリギリのタイミングでテーマを決めて歌詞を書いた曲です。
飯田 これは作り方が新しかったんです。鮪がiPadで曲のある程度のかたちを作って持ってきたので。“いよいよ俺たちもデジタルになるんや”って思っていました。でも、みんなへのデータの送り方が分からなくて。結局、メンバーはiPadから出る音をレコーダーで録るという。“俺ら、デジタル化は無理なんやな”と(笑)。
──(笑)。そして、「桜の詩」はインディーズ時代から演奏している「さくらのうた」の女性目線からの曲?
谷口 そうです。男の子のストーリーの「さくらのうた」を作った時から、その曲に出てくる女の子を描きたいと思っていたんです。今回、曲制作をしている時に“桜”っていう言葉がピッタリとハマるものが出てきたので、ようやくかたちにすることができました。
──聴きどころ満載の一枚になりましたね。
谷口 いい一年の走り出しができそうです。曲のテンポ感とシンクロさせるわけじゃないですけど、ひとつひとつをきちんと消化しながら去年以上に速いステップでいろんな物事ができる2014年になったらいいなと思っています。
取材:田中 大
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