2011-12-20
DUSTZ、結成から今までの全てを詰め込んだ

英仏の3言語を巧みに操り、独自の音世界を構築する日仏ハーフ3人組ロックバンド、DUSTZ。待望の1stアルバム『TROIS』では、トリオ編成に立ち返ったことで、ロックバンドとして彼らが目指す理想の姿に一歩近付いた。
【どの曲も重要な 節目を象徴している】
──アルバムタイトルの“TROIS(トロワ)”は、フランス語で“3”という意味ですね。どんな思いが込められているのですか?
Ray 一番大きいのは僕らが3人編成に戻ったということ。ドラムがいなくてもバンドはやれるんだという吹っ切れですね。この3人は小学校から一緒なんです。あとは、言語が日本語、英語、フランス語の3つというのもあるし、いろいろな局面で“3”という数字が出てきたんです。
──1曲の中にいろいろな要素が詰まっているというよりは、それぞれが異なった世界観を表現しているように感じました。アルバム全体を貫くコンセプトはありましたか?
KenT アルバムを想定して作ったというよりは、それぞれの曲に専念して作ったので、そういうふうになったのかもしれない。
Ray アルバムを作る話が出たのは1年前ぐらい。シングル「Criez(クリエ)」を出して、ちょっとエレクトロっぽいほうに触れていた時期だったんで、そういうものにしようかという話も出ていて。でも、それから1年の間にいろいろと考えているうち、バンドに立ち返って、すごくロックなもの、すごくポップなものと曲単位で割り切ったほうがいいんじゃないかというふうになっていって。要は、もっとバンドっぽくしちゃっていいじゃないか、と。そういう吹っ切れはありました。いろいろな時代の曲が混在していて、「Border Line」なんてインディーズの頃、最初に作った曲。結成から今までの間、その時々に僕らが触れてきた音楽の要素がそれぞれの楽曲に詰め込まれています。
──その時々に見えた風景が描かれている、と。
Ray まさしく。「Border Line」を書いたのは16や17歳の頃で、ミクスチャーが大好きで。今、歌詞を見ると若い(笑)。“初恋が淡く消えるなんて”って、何をそんな分かり切ったことを…(笑)。とはいえ、今だからそれを歌えるというのもあるし、残しておきたい部分でもあるので。どの曲もDUSTZにとっての重要な節目であったり、新たな挑戦、何かが見えた曲なんです。このアルバムを聴いていると、いろいろな思い出が蘇ってくるんですよね。
Gus その意味でも、捨て曲というのはひとつもない。3人の歴史を凝縮したアルバムのように感じます。
Ray DUSTZとしてのひとつのかたちが見つかった集大成が、このアルバムなんじゃないかな。アルバムが完成したことで、やっとひとつの色が見えた。色って、自分たちで出そうとして出るものじゃなくて、やっていく過程で“こういうのがDUSTZっぽいんだ”って分かってくるものだと思うんで。
──1曲目「Toi=Moi:▽」の読みは、“トワエモワ”でいいんですか?
Ray “=”を“et”ととれば“あなたと私”、“est”ととれば“あなたは私”という意味になるので、そのダブルミーニングをかけて、あえて“=”にしたんです。
──それはフランス語の語学経験がないと分からないかもしれないですね(笑)。日本語、フランス語、英語のバランスに関してコンセプトはあるのですか?
Ray 曲を聴いた時に受けた印象をもとに、それぞれの言語の性質を生かして効果的に使い分けるように心掛けています。“この歌メロは日本語っぽいな。でも、サビは英語かな”とか。日本語は漢字があってさまざまな意味を含ませられるし、デリケートな感情を表現しやすい。英語は軽く、ノリがいい。フランス語はアンニュイ感を出したい時やラップにすると、濁音が多いのでリズミカルになるという利点がある。あと、日本人でフランス語が分かる人は少ないから、フランス語の歌詞の中で日本語が1行だけあれば際立つし、歌詞の内容に振り回されないで、イメージで聴いてもらえるという利点もあります。言葉ではなく音として聴いてもらえるというか。
KenT 日本語では言えないようなことも、フランス語なら言えたりすることもあるしね。
Ray 俺たち自身が書いている言語によって性格が変わってくるんです。日本語だと丁寧でかしこまった感じなのに、フランス語になった途端“ざけんな!”とか(笑)。
──本音が出る、と(笑)。3人の間でフランス語で話すこともあるのですか?
KenT ありますよ。最近3人の間で流行りで(笑)。
Ray 時期によって喋る時とそうじゃない時があって。日本でずっと暮らしているとやはりフランス語を使う頻度も少ないので、たまにこの3人でフランス語しばりで喋るようにしていて。作詞する時も役割分担があって、僕が日本語と英語、Gusがフランス語で書くことが多いかな。KenTは飛び道具。言語に関わらず、思ってもいなかった切り口の言葉がとっさに飛び出すので(笑)。
【「Fantasista」は “越境”のルーツ】
──Dragon Ashの「Fantasista」のカバーはなかなか強烈でした。今回この曲を選んだ理由とは?
Ray まだ僕らがDUSTZと名乗る前、学校で初めてバンドを組んだ時に学園祭でやった曲なんです。フランス人学校にも関わらず、学園祭の最後に必ずDragon Ashの「Grateful Days」をやるという、よく分からないしきたりがあって(笑)、それがきっかけでDragon Ashに出会って、“日本にもこんなカッコ良いバンドがいるんだ”って好きになったんです。他の曲もカバーしていたんだけど、その中で一番受けが良かったのがこの曲だったんです。言葉や年齢に関係なく乗れる曲なんだな、と。初めて音で国境を越えたという意味で、俺たちのルーツなので、今回この曲をカバーしたいなと思ったんです。
──その「Fantasista」には、リンプ・ビズキットのウェス・ボーランド(Gu)とジョン・オットー(Dr)が参加しているそうですね。いきさつを教えてください。
Ray カバーするのはいいんだけど、何かひとつひっかかりが欲しいなっていう話になって、無理を承知で“じゃあ、海外のアーティストに参加をお願いしてみる?”と。言うだけ言ってみようというノリで、エレクトロ曲ならダフト・パンクにリミックスしてもらおう、バンド系ならリンプだ、と。レコード会社の方にダメ元で頼んでもらったら、スケジュール的には大丈夫だという返事が来たんです。それでこっちでオケを完全に作って仮歌を入れて送ったらOKが帰ってきた。ドラムは全てリンプのスタジオで録ってくれたんですよ。で、ギターとドラムが乗ったものが帰ってきて、さらにリンプっぽくするためにこっちで再度アレンジを変えましたね。
KenT 帰ってきた時に、自分が弾くかどうかを決めてなかったんですよ。いろいろ考えたんですけど、こんな機会じゃないと共演することもないので、ベースを全て録り終えた後に“やっぱ俺弾きます!”と(笑)。あえてウェスっぽい音にしました。
──どういった部分で原曲と差別化を図ろうと考えましたか?
Ray 俺たちの目標としていたのが“ヨーロピアンな「Fantasista」”だったんです。原曲にはない自分たちらしさを追求して、1オクターブ下で歌ったり、マリリン・マンソンの手法でファルセットの部分だけは高く、芯の部分は低く歌ってそれを重ねて1本にするみたいなことを試してたり、試行錯誤の連続でした。いろいろと考えた結果、録り始めたのが朝の3時ぐらいで(笑)。
──マリリン・マンソンといえばシャンソンのスタンダード「Ca, c’est Paris(サセパリ)」のカバーは、原曲の面影がまったく感じられないほどにマンソンしてますね(笑)。
Ray 完全にマンソン・リスペクトですね。気付く方は気付くかもしれないけど、シャレなんです。マリリン・シャンソン(笑)。
Gus 俺たちの間でそう呼んでたんです(笑)。
──ハイレベルすぎて気付きませんでした(笑)。
Ray 2ndシングルを出す前に、フランスに呼ばれてライヴをしに行ったことがあったんですよ。フランスには『音楽の日』という、パリの街中でバンドやミュージシャンが演奏する日があって、日本人アーティスト代表として呼ばれて。ちょうどその時がシャンソン誕生50周年ということだったので、何かシャンソンの曲をカバーしたいなと思っていて。僕はちょどその頃、美輪明宏さんと舞台のお仕事を一緒にさせていただいていて、やっぱり日本でシャンソンといえば美輪さんということで“何かバンドでカバーできるシャンソン曲ってありますかね?”と伺って。そうしたらその場で3曲ぐらい歌ってくれたんですけど、(モノマネで)“ん~でも~バンド・アレンジするなら~やっぱりサセパリよね~”とのことだったので、その場で決定したんです。後日お会いした時に“そういえばサセパリはどうなったの~?”と訊かれたので、その場で歌って見せて。でも、その時点ではシャンソンっぽい歌い方だったので、“バンドアレンジっていうから歪ませてゴリゴリにしちゃうのかと心配していたけど、きれいな歌い方で良かったわ~”と、安心してくれていたんですけどね(笑)。
──結果的に美輪さんが心配した通りになってしまったと(笑)。この曲は2ndシングル「Brilliant Day」のカップリングですよね。今回あえてアルバムに入れたのには何か理由が?
Ray フランス語でロックするのがアリだということを、初めて気付かせてくれた曲だったんですよね。ラジオに出演させていただいた時も“何これ?“という感じでみなさんすごく食い付きが良くて、アリなんだなと。僕らの中でひとつ扉が開いた曲ですね。
──ヘヴィな曲が多数ある一方、「Re:member」のようなポップな曲もありますね。
Ray 「Re:member」を作ったのは「Toi=Moi:▽」と同じぐらいの時期だったかな。エレクトリックっぽい、勢いのある4つ打ちという、ライヴ向きの曲を作りたくて。「Toi=Moi:▽」はロック寄りのエレクトリックサウンドだけど、「Re:member」はエレクトロ寄りのロックにしたいなと。歌詞も僕らが学生の頃の考え方が反映されています。手拍子も入れたりして、若くてチャラい、学生的なノリが出てますね。
──アルバムの中で、それぞれのパートで特にこだわった点というと?
KenT 「Orphee」の壮大なイントロですかね。ホワイトスネイクのような80年代の雰囲気で。
Ray やはり「Fantasista」の歌かな。いろいろな組み合わせを試して、最終的に1本に統合するという作業だったので、結構大変でした。あとは、丸々1年かけて録っているので、その時々の歌が入っているのもポイント。「Break & Peace」なんて曲はリアレンジしているけど、歌は2年前に録ったものをそのまま使っています。声が若くて、“今ならもっとカッコ良く歌えるのに”と思う半面、当時の僕の姿をそのまま残しておきたかったんです。
Gus ベースの音作りに関しては結構こだわりました。ベースはほぼ全曲歪んでいるんだけど、歪みとクリーンを録って重ねることで、輪郭を出しつつもゴリゴリした音にしたり。あとシンセベースを重ねることで、さらにえげつない音にしてみたり。「Break & Peace」は生ベースはなくて全編シンセベースのみ。生音で弾くと普通にバンド感が出てしまうので、ひとクセ持たせるための試みですね。いろいろなかたちでの挑戦ができて良かったです。
──では、最後にそれぞれこのアルバムをひと言で表すと?
Gus “歴史”。16、7の頃に書いた曲が改めてアレンジし直されて入ったということもあるし、よく聴いていた「Fantasista」のカバーに、大好きだったリンプにも参加してもらえて。2枚のシングル曲も入っていて、まさに今までのDUSTZの歴史そのものだと感じています。
Ray “夢”。もちろんリンプとの共演や「Fantasista」のカバーもそうなんですけど、この曲たちをパッケージにすることが本当に待望だったんで、やっとその夢が叶ったという気持ちが強いんです。完成形にひとつ近付けたかな。
KenT “絆”。自分たちだけでは作ることができなかった作品なので。いろんな人との絆があってのアルバムです。それは“TROIS”というタイトルにも通じるものですね。
取材:金澤隆志
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