2013-06-20

【back number】俺は妄想の中で勝手に負けて勝手に泣く奴なんです

 9月7日の日本武道館公演を前にして、気合十分のback numberから届いた夏のニューシングルは、清水依与吏(Vo&Gu)の脳内妄想を見事にストーリー化した究極の片想いソング。愛しさと切なさと心弱さをストレートに吐き出した自信作だ。


──これはタイトル勝ちでしょう。“高嶺の花子さん”って、試聴できたら絶対聴いちゃう。

清水「嬉しいですね(笑)。このちょっとファニーな感じは「そのドレスちょっと待った」とか、今までのback numberの曲の中にもであったんですけど、シングルではあんまり出てこなかったと思うんですよ。」

──あー、そうかもしれない。

清水「恋愛に対して健気な感じというか、そういうものが多かったんで。でも、ライヴで盛り上がるものって、結果的に自分のひねくれた部分や、ファニーな部分をちゃんと出した曲が多いんですよ。だから、シングルで1回やりたいなというのは常にあったんです。そこから始まった曲ですね。」

小島「ライヴでこういう曲をやりたい気持ちが強かったので、すごく楽しみですね。これからどういうふうに演奏できるのか。」

清水「何て言うんでしょうね? メロディーは明るいし、キャッチーで広がりはあるけど、歌詞はものすごく個人的なことを言ってるという、この感じ。歌詞だけ読んだら、“これで盛り上がれるのか?”というものなんだけども…という、このバランス感覚をシングルでやりたかったんです。」

──最初、何を歌ってるか分からなかったんですよ。でも、何回か聴いて、“これってひょっとして、妄想?”と。

清水「そうそう。頭の中で始まって、頭の中で終わる曲(笑)。誰ひとり、何も動いてない。僕の頭の中だけのことですから。夏なのに室内というか、頭の中だけで、それが気持ちいいなと思って。だって、ビーチでバーベキューとか、そんなこと歌っても何かイヤじゃないですか。」

──別に歌ってもいいけど(笑)。

清水「俺らがやらなくても、誰かがやるじゃないですか。そういうポジティブ方面の曲は、もうバランスが取れてると思うんで。」

──音楽業界的に?

清水「そうそう(笑)。音楽業界のポジティブ・サマーソングというのは、いろんな人たちがやってくれると思うんで。でも、backnumberが夏に歌うのはこういうことじゃないの?と。去年の「わたがし」もそうでしたけど。」

小島「順序が分かんないんですよ。最初の年は「花束」で“好き”と言っていて、2年目が「わたがし」で誘えたけど何もできなくて、3年目に「高嶺の花子さん」で頭の中で完結してるという。」

──あははは。毎年後退してる!(笑)

清水「だから、これは「わたがし」の前ですね。「高嶺の花子さん」で好きになって、「わたがし」では思い切って誘って、最終的に「花束」みたいにちゃんと言うみたいな。」

小島「面白いですね。時系列に並べると、人によって感じ方が違うと思うので。」

──ちなみに依与吏くんにとって“高嶺の花子さん”ってどんなイメージですか? 

清水「いやー、僕が思う美人全員ですよ。」

小島「ひと言で片付けた(笑)。」

清水「クラスのマドンナから、女優さんまで、ひと括りですよ。パッと見て“ああ、魅力的な人だな”と思うのは、顔もそうだけど、何かが魅力的だと感じるわけだから、そう思うのは自分だけじゃないんですよ。それを先に考えちゃって、“あー、この人モテるんだろうな”や“俺なんか相手にされねぇよ”とか、“どうせ俺なんか病”が顔を出してきて、結果勝手にへりくだって緊張して、勝手に負けて勝手に泣く奴なんですよ、俺は。」

──寿くんは、高嶺の花子さんにチャレンジするタイプ?

栗原「いやー、僕も姿を見るだけで満足しちゃうタイプですね。“どうせかなわねぇだろ”みたいな。それでもいくガッツはないです。傷付くのが怖いというか、結果が見えてると思っちゃう。で、男子3人で、“今日隣に座っちゃった”とか言い合ってる。」

清水「怖いですよ。いつまでこうなのか?と(笑)。武道館やってないからかな? やったら変わるのかなー。」

小島「やったら変わるんじゃない?」

清水「そしたら、いっぱい飲みにいけるかもしれない、女優さんと。」

──はいはい、頑張ってください(笑)。

清水「変わりたいんですよ! きれいな女性と普通に会話が弾めばいいのに、と思いますよ。イメージとしては、同い年くらいで、ヒールを履いたら俺より背が高いくらいで、ロングの黒髪で、みたいな。…はぁ。」

──ため息付いた(笑)。でもね、この曲は今話してるみたいに笑って盛り上がりながらも、身に詰まされる男子リスナーは結構多いと思うんですよ。

清水「大っきい声で歌ってほしいですよね。“そうだよ!”って。せっかく夏なのに、こんなところで本音を歌ってもしょうがないという気もするんですけどね。たまにはこういうのもいいんじゃないか?と。」

取材:宮本英夫

(OKMusic)


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