2011-10-20

阿部真央、今こそ、復活してパワーアップした阿部真央を観せる時!

 6月に3rdアルバム『素。』を発表し、8月の東京と大阪での野音ライヴも大成功させ、声帯の治療から完全復活を遂げた阿部真央。ニューシングル「側にいて」にも、そんな彼女の“素”が詰まっている。

──昨年暮れの『らいぶNO.2』や先日の野音ライヴでも披露された「側にいて」がニューシングルとしてリリースされるわけですが、次はこの曲でいきたいという思いがあったそうで。

そうですね。私の中で“これでしょう!”って決めていたので、それで押し切りました。

──いつ頃作った曲になるのですか?

高校の3年生の時に書いた曲なんですよ。本当は前のアルバム(3rdアルバム『素。』)に入れる予定だったんですけど、急遽『光』が入ることになってしまったんで、さすがに重くなってしまうなって。なんで、お蔵入りになってしまったんです。

──ピアノとストリングが中心のアレンジに仕上がってますが、そういうイメージだったのですか?

壮大な感じで、きれいなアレンジにしたいなって。この曲はデビュー前からいろんな人に頼んでアレンジのデモをやってもらっていたんですね。最初はギターサウンドでバーン!っていうヘヴィな感じかなって思って作ってもらったら、ちょっと私のイメージと違ったんで、その方向はなしっていうことでお蔵入りになって。で、ピアノの弾き語りをライヴでやって…音源もピアノの弾き語りだけで録ってたんですよ。なので、ピアノのイメージがあったんですけど、シングルとして発売するにあたって、バンドバージョンも作ってみて、どっちが良いか聴いてみたいってなったんです。でも、ピアノのイメージがあるからピアノ中心で、弦も入って、ギターがギャーンっていうんじゃなく、柔らかいんだけどドラマチックで大人な感じのサウンドかなって、こういうアレンジになりました。

──いつもジャカジャカ鳴っているアコギはメインではなく、スパイス程度ですよね。

今回、私、アコギを弾いてないんですよ。今までずっと弾いてきたんですけど、“私のアコギはいらない”って思って。今回は上手な人にお願いしました。ムーディな感じで(笑)。初めての試みだったんですけど、良かったなって。

──楽曲についてもうかがいたいのですが、高校時代にこういう失恋をしたと?

これ、私の友達の歌なんですよ。ずっと付き合っていた彼と別れて、その話を聞いて曲にしたんで、なんと私の実体験ではないんです(笑)。でも、二番のAメロの歌詞は、私がギターを弾き始めた時にアヴリル・ラヴィーンの『My Happy Ending』で練習をしていて、それに勝手に日本語の歌詞を付けてやってたんですけど、その二番のAメロの歌詞をそのまま持ってきたんです。高校に入学したばかりの頃だと思うんですけど、そこは自分の体験ですね。

──でも、大本は真央さんの実体験ではないんですね。《優しさを知ってしまった私は 以前(まえ)より弱いよ》のフレーズが印象的で、まさに阿部真央だって思ったんですけどね(笑)。

ハハハ。恋をする度にどんどん弱くなる、臆病になるって言うじゃないですか。失って初めて、その人が側にいたことで、どれだけ自分が自由だったか、強くあれたか、支えてもらっていたかが分かる…甘えられていたものがなくなるから、弱くなったと感じるだけだと思うんですよ。だからこそ、また同じことになるのは嫌だと思って、新しい恋に踏み込めなくなるみたいな。そういうことはあるなって感じて書いた歌詞なんですよ。

──そんな歌詞の歌入れはどうでした? 間奏開けからエンディングに向かって感情が高ぶっていくところが印象的だったし、“もう終わった”と自分に言い聞かせている主人公の切ない気持が歌声から感じられました。

そうですね。この歌はそういう気持ちになるっていうか。自分は忘れたいと思ってるだけで、いつまでも覚えてる…そういうことってあるよね、って思いながら歌ってましたね。

──男は引きずるって言うけど、女の人も結構引きずるみたいですからね。

引きずりますよ~。男も女も関係ないですから。フラれた方が引きずるんです、絶対に。どれだけ好きだったかにもよりますけど、やっぱり引きずりますよね。本気だったら本気な分、残るっていうか。なので、そういう気持ちが歌に出ていると思います(笑)

──カップリングの「YURALI forever」については?

“YURALI forever”という言葉自体に意味はなくて(笑)、歌詞の内容としては、何を言われても自分らしくあろうっていう。サウンド的にも明るい曲だし。作ったのは2009年の末か、2010年の始めぐらいで、すっと入れるタイミングがなくて放置していた曲なんですけどね。

──そういう意味では、このシングルというのは、3rdアルバム『素。』の“自分らしくあれ”というモードを引きずった作品という感じですね。

『素。』はテーマを決めて作ったっていうよりは、私が普段感じていることが軸になった作品なんですよ。だから、『素。』で歌っていた気持ちや想いっていうのは、これからも持って歌い続けると思うんです。それが分かりやすいかたちで分かるのが『YURALI forever』で、“やっぱり、こいつ弱いんだな”って分かるのが『側にいて』で、さらにリアルタイムの阿部真央…アルバムを発売した後、みんなの前に帰って来たライヴ音源も入っている。自然とアルバムの続きとして聴けるような内容になってますね。

──そして、12月には待望のツアーが控えてるわけですが、どんなライヴにしたいと思っていますか?

声帯の治療からの復活後、東京と大阪以外でファンの人に会ったのって夏フェスだけだから、ちゃんとワンマンライヴを観せれてないんですよね。今こそ、復活してパワーアップした阿部真央を観せる時!って(笑)。だから、今まで以上にライヴの制作…曲順とか衣装とか音作りとか全部こだわれるだけこだわりたいと思ってます。すごく前向きですよね(笑)。なんで、自分も楽しみにしています。

取材:石田博嗣

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