2012-04-20

【阿部真央】大丈夫だよ、私も頑張れたもん

 半年振りのニューシングルは、自身がイメージキャラクターを務めるNHK『春ナビ』のテーマソング「世界はまだ君を知らない」。頑張っている人を応援する同曲について語ってもらった。

──まずはアヴリル・ラヴィーンの来日公演『The Black Star Tour』のさいたまスーパーアリーナでのサポートアクトのステージはいかがでしたか? まさに夢が叶った瞬間だと思うのですが。

とても素晴らしい経験をさせていただけたと思っています。もちろん、中学生の頃から憧れ続け、音楽を始めるきっかけにもなった方と同じステージに立つことができただけでも最高な体験なのですが、それ以上にいちアーティストとして、自分のお客様ではない皆様の前でどんなパフォーマンスをするか、どれくらいのテンションや力加減でいけば限られた時間の中でお客様との距離を最大限に縮められるかをたくさん考える良い機会だったので、またひとつ成長できたように思っています。あのアウェー感はデビュー当時を彷彿させ、初心に帰ることができました(笑)

──今回のシングル「世界はまだ君を知らない」は、自分と戦いながら夢をひとつずつ叶えていっている真央さんだからこそのメッセージソングですね。同曲はご自身が出演されているNHK『春ナビ』のテーマソングでもあるわけですが、その“春ナビキャラクター”をやられてみての感想は?

“私でいいの?”が一番の感想でしたね。嬉しくもありましたが、これまで女優さんやモデルさんが担ってきた大役を私が…と思うと、不安も少なくなかったです。でも、今はとても楽しんでお仕事させていただいています。普段の活動では体験できないことをどんどん経験させてもらっているので、ここを越えて自分がどれくらい成長できるのか、とても楽しみです。

──「世界はまだ君を知らない」を作る際に、番組サイドから何かリクエストはありました?

“新しいステップに踏み出そうとしている人の背中を押すような、明るく、みんなに愛される楽曲”というリクエストをいただきました。で、あれこれ考えましたが、結果素晴らしい楽曲ができて良かったですね。

──春らしく弾けるようにポップというか、前に進む力強さや躍動感のある楽曲に仕上がっていますが、アレンジやサウンド面で意識したことはどんなことですか? アレンジもシンプルで、サウンド自体も軽やかなのが印象的でした。

可愛らしい感じがいいなとは思っていました。あとは、ライヴでお客さんがノリやすいリズムにしたいだとか、フックになるフレーズ…“君が好きだ”の部分を強調したり、結構ライヴを意識していたと思います。

──歌詞は頑張っている人を応援していて、《負けたくない、こんな自分に》という言葉が真央さんらしいなと(笑)。落ち込んでばかりでは何も手に入れられないから、涙をこぼしても、苦しくとも、前に踏み出せ!と、ネガティブなものと戦っているというか。

私らしいですよね。私がそうですもんね、ここ最近(笑)

──真央さん自身も、弱い自分と戦い続けてきて今があるわけで、それがそのまま歌詞になったという感じですね。で、そうやって頑張ってきたからこそ、アヴリル・ラヴィーンと同じステージにも立てたと!

そうですね。今現在の自分の状況を歌詞にしたような感じなので。自分が誰かに偉そうに言える立場になったとは到底思えないけど、少しずつ自分に与えられた試練をクリアしながら、今の“愛されている環境”を勝ち取った感があるので(笑)、もし数年前の私のように暗闇にいる人がいたら、“大丈夫だよ、私も頑張れたもん”って伝えたくてできた歌詞です。

──そんな歌詞を歌うヴォーカル録りの時に意識したことは?

あんまり意識しなかったなー、何も。でも、やはり曲の世界観がより良くなるようには努めてましたね。

──メッセージソングではあるのですが、張るような力強い歌声ではなく、気持ち良く歌っているような感じがするのですが。

声が変わったからかな? 声帯の手術をして発声も変えたので、こんな歌い方もできるようになりました。

──カップリングは「愛してほしい」。こちらはアコギをバックに、《側にいるのに 二人は独り》と歌い上げる切ないナンバーなのですが、この曲が生まれた経緯というのは?

恋人と何かあったんでしょうねー、多分(笑)。私がいろんなところで言っていることなんですけど、付き合おうが、結婚しようが、相手の心は完全に自分のものになんかならなくて…当たり前だけど、それが切ないのと、あとは単に危うかったんだと思いますよ。この時の恋の行く末が。

──だからなのか、この主人公は切ない…。付き合っているのに、側にいるのに、寂しいと感じるのは、ある意味それは片思い以上に辛いですよね。この「愛してほしい」の彼は夢に向かって頑張っているんだけど、一生懸命になるあまり、彼女のことが見えなくなっているという。

そうそう、まさにそんな感じです。なかなかねー、上手くいきませんよね。

──そんな2曲を収めた今回のシングルですが、リスナーの方にどう受け止めてもらいたいですか?

いつもと同じように、違ったタイプの阿部真央を楽しんでもらえればと思います。

──このシングルの後、6月6日には4thアルバム『戦いは終わらない』のリリースが控えているわけですが、やはりその布石になっています?

そうですね。今回はシングル曲とアルバムの曲は歌っている内容が一貫しているので、そんな感じだと思います。明らかに前向きというか。前回のアルバム『素。』とはまるで違う感じです。

──絶賛レコーディング中ですが、希望的観測も含め、どんなアルバムになりそうですか?

そりゃー、もう、スゲーですよ?

取材:石田博嗣

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