2014-03-20

宇宙まお、詞と声には、どこを切っても宇宙まおがいる

 デビューから2年という月日を経て、ついに待望の1stフルアルバムをリリース! CDに13曲、さらにDVDにはライヴ映像と未発表曲を含む10曲を収録しており、さまざまな面から彼女を堪能できる贅沢な作品に仕上がっている。

──2013年12月にワンコインシングル「つま先/哀しみの帆」をリリースしましたが、手に取った方からの反響はいかがでしたか?

「つま先」のサビのフレーズ“トトトトトン♪”が頭から離れない!という感想をたくさんもらいました! かなりの中毒性がある模様です。「哀しみの帆」はライヴでもすでに前から演奏していたのですが、セットリストの中で一番印象に残っていると言ってくださる方が多いです。

──リリース後、ライヴなどで披露した時にはどんな実感がありましたか?

歌いながら、聴いてくれているみなさんのお顔を拝見して、音楽の中で会話できている気がしています。しっかりメッセージを放って、しっかり受け取ってもらっている実感があります。

──改めて、この2曲は宇宙まおさんにとってどんな2曲になったのでしょうか?

まったく雰囲気の違う2曲ですが、どちらも宇宙まおワールドのど真ん中を堂々と歩いている印象です。これを作って、次のステップに上がった感触をしっかり掴めたと思います。

──そして、いよいよデビューから2年という月日を経てリリースされる今回の1stアルバムは、いつ頃から構想があったのでしょうか?

2ndミニアルバムの『ワンダーポップ』をリリースした直後に「つま先」と「哀しみの帆」が生まれて、その時“次回作への旅が始まったんだな?”と漠然と考え始めたというのが正直なところです。自分の表現の可能性をとにかく貪欲に探していこう、という想いから始まったと思います。

──今作には13曲が収録されていますが、ほとんどは新しい曲ですか?

「ロックの神様」「あの子がすき」以外はこの1年で書いてきたものです。だから、込めた想いの密度が異常に高いです。“宇宙まおが作って歌って面白いのはどんなものだろう?”という好奇心で始めた楽曲作りでしたが、レコーディングに入っていくにつれ、最終的にどこに着地したいのかを考えざるを得なくなり、終盤では“とにかく誰かに聴いてもらいたい”という願いの純度を高めていくことに曲作りの神経が集中していたと思います。

──1曲目を飾るギターでの弾き語り「ドアー」は続く「つま先」への流れもとても自然で、タイトル通り、このアルバムの入口というか。サビのフレーズも印象的です。

《何が自由か知ってる 本当の意味を知ってる》というサビのフレーズは、もともと違う曲で使っていたんですが、この作品に似合う言葉と思ったので作り直して1曲目にしました。“自由を知ってる”のは“君”という設定でしたが、この曲では曖昧なままにしました。

──「あの子がすき(2014 mix)」ですが、「あの子がすき(lovely version)」(「つま先/哀しみの帆」収録)のようにオリジナルの「あの子がすき」とは違うかたちにアレンジをしたり、リミックスをするのはどのような思いからですか?

「あの子がすき」は、今の宇宙まおの世の中に出ているイメージの中で一番広く知ってもらっているものだと思うので、今回はこの曲の“人懐っこさ”をもっと強調してみようという考えのもと、作りました。

──ライヴで定番の「ロックの神様」をバンドメンバーでアレンジしたものを「ロックの神様(new version)」として収録していますが、アレンジの際に意識したところはどういうところだったのでしょうか?

1stミニアルバム『風とどこかへ』に収録されているバージョンは、男前の硬派な印象なものだったので、これもこの曲の持つ寛容さというか、人を包み込み巻き込めるパワーに焦点を当てて作りました。ライヴで演奏しても勢いが出てきて、今の宇宙まおの等身大のサイズになっていると思います。

──《わたしが死んでも この歌だけ残ればいい》というフレーズが印象的な「わたしが死んでも」は、歌詞に反して4つ打ちの明るくポップなメロディーに乗せて歌うのが宇宙まおらしいと思いました。

音楽と自分との関係について考えていたら煮詰まって、暗ーい、湿っぽーい曲ができてしまって。それがこの曲の原型です。それをプロデューサーの江口亮さんにアレンジしてもらったら、こんなことになってしまいました! 最初に聴いた時のあの衝撃と興奮はかつてないものでした。

──すでにライヴでも披露されている「声」は、宇宙まおの内面を感情的な歌詞で描き、さらにさまざまな歌い方で歌っているので、情景が浮かびやすかったです。

歌い方の部分でこれまでの自分にない技術を使っているので、それに精一杯で最初はこの曲のパワーに気付いていませんでしたが、こういったメッセージ性の強い曲は、聴いてくださるみなさんの受け取ろうという意思がはっきり見えて、非常にありがたいし、嬉しい。

──「かわいい人」は曲間の異国のようなリズムや打楽器が印象的で、ライヴで聴くのが楽しみです。これはどんな曲を作ろうと思ったのですか?

どの曲も、“あふれ出る気持ちをなんとかしたい!”という思いで作り始めるのですが、それが陰で負なものから始まることも結構多いけど、この曲に関しては全てが陽! 好きな人を愛しく想う、ただそれだけの想いで最後まで駆け抜けています。

──サウンドプロデューサーには亀田誠治さん、根岸孝旨さん、江口亮さんを迎えていますが、制作の上で何か発見できたことはありましたか?

それぞれの方で“宇宙まおはこの表現で活きる!”という視点が違っていて、しかも全部ど真ん中で直球で、それによって開けてもらった扉がたくさんあります。そして、音楽が大好きという気持ちがあれば何でも作れるということを教えてもらいました。

──今作には13曲が収録されていますが、中でも思い入れのある楽曲は?

「深海レストラン」は、あっちこっち振り切っている曲が集まっているこのアルバムの中でも、特に他と距離があるような印象があるんですが、宇宙まおの“ファンタジー”の部分をより濃く抽出した曲になっています。これを13曲の中に入れられたことは、アルバムにとっても、私の気持ちにとっても、バランスのとれた選択だったと思います。

──そして、DVDにはライヴ映像と未発表曲を含む弾き語り10曲収録と、ボリュームたっぷりでさまざまな面が楽しめる作品になりましたね。

自分の想像をはるかに超えた、すごい作品だと思います。制作中は完成形がまったく予想できなくて不安や焦りもありましたが、結果、全て一本の柱が突き抜けていて、宇宙まおワールドに辿り着いていると思います。

──そんな今作に名付けられた“ロックンロール・ファンタジー”という言葉に込められた思いとは?

全ての曲を録り終えて、並べて聴いた時に受け取る勢いや熱量がものすごくて、私の中の“ロック”と直結しました。だけど、“ロック”は私にとって夢や憧れ、幻想の世界のもので。これから音楽を作っていく私は、“ファンタジー”として“ロック”と向き合っていきたいなと感じました。アレンジの面ではたくさんの色を使って目がチカチカするような派手さがあるかもしれませんが、詞と声には、どこを切っても宇宙まおがいます。あなたのすぐ側に。この近さを感じ取ってもらえたらすごくすごく嬉しい。

──4月24日には今作を引っ提げてTSUTAYA O-Crestにてワンマンライヴを控えていますが。

『ロックンロール・ファンタジー』を作った時と同様に、とてつもないエネルギーとパワーで、このワンマンライヴに臨みたいと思っています。この日この時の宇宙まおは、この日この時しか観れません。ぜひ一緒に最高の音楽の時間を共有しよう。

──楽しみにしています。最後に、リスナーの方へのメッセージをお願いします。

あなたの生活の、あなたの人生の一部にしてください。覚えて一緒に歌おう♪

取材:高良美咲

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