2019-02-05
手鞠が極妻に変貌?!。Soanプロジェクトwith手鞠、全員和装姿で公演。愁と絶叫が交錯する異形たちの宴を、ここに!!
その語りは、その調べは、一体どんな不思議な、そして心を揺らす素敵な歌と旋律を織りなすのか。Soanプロジェクトwith手鞠、今年最初となるライブが、1月26日(土)に池袋EDGEで行われた。今宵のライブに掲げられたのが、3rdミニアルバムと同じ『「静廉鳴る共奏、静脈に宛がう。』~2019 1st Oneman Live~」のタイトル。メンバーは、Soan/手鞠/健希(from Bräymen)/祐弥(from DuelJewel)/Sachi(from 黒色すみれ)とお馴染みの顔ぶれ。彼らがこの地にどんな宴を催したのかを、ここへ記そうか。
新年を愛でるライブという理由もあるのか、今宵のメンバーたちは和装姿で登場。「変わらない日常、変わらない空気…大きな何かを漠然と求めるのは辞めたんだ。何かを自分に求めるのも辞めたんだ。それだけで少し優しくなれる気がした。それを教えてくれたのは…何時も君だった」
時空をゆっくりと歪ませ、その隙間へ訪れた人たちを導くように響く、哀切なSachiのヴォイオリンの音色とSoanの奏でるピアノの旋律。「夕なぎを抱いて~」、歪んだ時空の景色の向こうから、手鞠が人々を招くように『夕闇に鳴動する衝動と幸福の在処』を歌い出した。たおやかな音色に誘われた観客たちは、夕闇の先に見える景色の中へ、郷愁な心と一緒に足を踏み入れた。まどろむ優しい夕暮れのような調べの中、僕らは、それまでの日常をすべて消し去り、温かさと悲しさが交錯する茜色の景色の中へ溶け込んでいた。想いを零すように切々と響くピアノの音色が、なんて温かく濡れていたことか…。
Soanのピアノの調べに導かれ呼吸をするように歌いだしたのが、『相対する質量の交錯する熱量』。想いを優しく綴るように歌い奏でるメンバーたち。その歌声と演奏は、サビへ向かい感情のレベルをゆっくりと上げだした。沸き上がる想いを抱きしめるように歌う手鞠。彼の気持ちの揺れを、優しく包みこむ演奏陣。夕闇の中に見えた景色のその先には、触れた僕らをそれぞれの思い出の中へと連れ出すように、温もりを覚えるまどろみの風景が広がっていた。その思い出の映像を、この空間に身を浸した人たちは、どんな風に心の記憶の中へ映し出していたのだろうか…。
調律…心と音色を…調律。「今日は和装ですが、若干、僕に漂う極妻感がね(笑)。Soanさんも、でっかい筆で文字を書きそうですよね」と、さりげなく笑いを取る手鞠。この緩さを届けてくれたことで、心地好い緊張感を消し去り、一気に親しみ覚える空間が広がりだした。もしや今年のSoanプロジェクトwith手鞠、MCではかなり緩い姿を見せてくれるのだろうか。そこへも期待したい。
「陽炎の揺らめきの向こうに、立ち枯れの君を見た。そして、使い果たされるわたし」。祐弥の奏でる二胡の旋律が、観客たちを深く色めく桃源郷な世界へ導いてゆく。「誰にも心許さずに生きる術があるなら」と、異形と化した手鞠が『黄昏色に融解する視界と屈折した類推(アナロジー)』を朗々と歌いあげる。そこは、霧に覆われた深い森や湖畔の広がるまどろみの地?!。幻想的な景色の中、そこへ棲む手鞠という異形が人の心を妖しく惑わせる。その声に惹かれた僕らは、その招きに手を差し伸べ、共に、まどろみの景色へと足を踏み入れていた。
温かいSoanのピアノの音色に乗せ、手鞠が語りだす。「柔らかな日差し、風に揺れる花…まるでこの僕を見透かすかのように」。ほのかに甘い香りを会場中へ漂わせるように、Soanプロジェクトwith手鞠は『林檎の花の匂いと記憶野に内在する存在。』を届けてきた。手鞠の視線にはどんな景色が、Soanの記憶にはどんな景色が、映っていたのか。言葉の一つ一つを心へ刻むように、一つ一つの言葉へ感情を塗り込むように、手鞠は歌を響かせる。終盤には、手鞠がアカペラで歌う場面も登場。なんて壊れそうな美しさと悲哀を抱いた歌だろう。そして彼は語りだした、「薄れない記憶、イメージの向こう側、心の向こう側、記憶の向こう側、何時か、また」と…。
零れ落ちるように響くアコギの音色と、その音を優しく掬いあげるヴァイオリンの調べ。Soanの叩くピアノの旋律が嘆く声を上げた瞬間、場面は一転。闇の中から郷愁を引き出すように『それは呪いと同義語の魂の鎖 永遠に続く祝福と云う名のカルマ』が流れだした。その歌は、魂の嘆き?!。迷宮の中から響き渡る消えない叫び?!。みずからの運命を呪うように、同じくその先へ幸せを求めるよう、手鞠が心を唸らせなから歌いあげる。呪縛した感情を解き放つように響くその歌声は、生きる命を鼓舞するようにも胸に響いていた。
Sachiの奏でる哀愁を抱いた和な旋律。その調べに導かれ、Soanはドラム台へ。Soanの叩くハットのリズムに合わせ、演奏は熱を帯びだした。それまで座っていた手鞠も立ち上がり、沸き立つ気持ちを吐き出すように『sign…-resonance-』を歌いだす。その音は、スリリングな空気をフロアー中へ広げていった。心地好い緊張感の中へ、たおやかな色を手鞠の歌声が差してゆく。 新たな胎動?!。何かが破裂しそうな、この張りつめた空気が心地好い。生を謳歌するように駆ける演奏。次第にその熱は音度を上げてゆく。
健希のスパニッシュなギターの旋律が、哀愁と情熱を交錯させるように響き渡る。沸き上がる熱情をギターのボディを叩きながら示す祐弥。奏者たちの音が重なるごと、そこには情熱という真っ赤な感情が上塗りされてゆく。アコギを用いた祐弥の煽情的なソロプレイを挟み、熱を抱きながら演奏は『感情を媒介として具象化する感傷の逝く宛』へ。沸き立つ高揚を歌声に乗せ、凛々しく朗々と歌う手鞠。サビ歌で響かせた、心を掻きむしる慟哭にも似た想い。熱情した語り部となった手鞠、その熱を彷彿させるように音を響かせるメンバーたち。なんて情熱と赤い浪漫を抱かせる歌だろう。「誰かを憎んで 憎んでみたけれども」、己の気持ちを攻めるように歌う手鞠を、みずからの運命を呪うように声を沸き立たせる手鞠の感情を、熱を持った演奏が燃やしてゆく。そして…。
祐弥の掻き鳴らすギターの音色に導かれ、気持ちの走るまま手鞠が『正否の相違、或いは利害の不一致』を歌いだした。演奏が進むごと、楽曲は火傷しそうなほどに熱を帯びてゆく。触れたら壊れそうなくらいみずからを追い込みながら、手鞠は「僕は君のように生きれない」と歌い叫んでいた。僕らもまた、君のようには生きれない。だから火傷を覚悟で、その情熱に手を伸ばしていたかった。
「こっから、いてこましたりましょうか、覚悟はええなっ!!」、極妻気分のもと、エセ関西弁で煽る手鞠。流れだした『醜悪なる獣穿つ矢、致死を以て野卑を屠る』に合わせ、フロアー中から飛び交う叫び声と、天高く突き上げた拳。手鞠が、もっともっとと拳と声を求めてゆく。静なる姿を持ったSoanプロジェクトwith手鞠の中に潜む、動な感情。隠し持った牙を剥きだしたとたん、そこには自由を謳歌する世界が広がっていた。 沸き立つ気持ちを四方八方へ解き放ちながら歌う手鞠、その歌声を煽るように演奏を突きつけるメンバーたち。さぁさぁさぁ、ここから熱く燃え盛ってゆく宴の中へ、拳を掲げ、思い切り飛び込んでいけっ!!
馳せるピアノの音色とスリリングなハットのリズム。演奏は、ねっとりとした熱い旋律の衣をまといながら『吐情、舌上、熱帯夜』へ。がなるように歌う手鞠、うだるようなべっとりと絡みつく熱した感情が、歌と演奏を通し身体中を覆いだす。熱を抱いた宴の中へもっと溺れなよと誘いをかけるように、沸き上がる衝動へ情熱という色を描き加えた歌と演奏がフロアーにいる人たちの理性を溶かしていく。
「完全に頭の中にIKKOさんが浮かんでるんだよね。この格好でいると足が開かなくなるから、そんな動きになるんだよな」と、MCで笑いを取る手鞠。もちろん、シリアスなことも語っていたのも報告しておこう。
「まもなく平成という世が終わりまして、新しい時代になりますけど。我々が生きた平成の時代。未来に対して希望を込めて平和に成りますようにと平成と名付けられたんだと思います。その意に反して、平成は幸せではない時代だったと思います。でも、その時代にSoanプロジェクトwith手鞠を通して素晴らしい音楽を残せたのが誇りであり、これからも残していこうと思っています」(手鞠)
最後にSoanプロジェクトwith手鞠が届けたのが、『落下の挙動、加速、暗転、反射 そして調和する僕と君と。』。激しい唸りを持って奈落へ落下してゆく音の塊。その塊は、途轍もない熱を発していた。触れた人たちをグイグイと引っ張り込む強い力を持って、フロアー中の人たちの心へ衝撃を叩きつけていく。その様に誰もが心を奪われ、じっと想いを受け止めていた。テンションの高い情熱的な演奏が織りなした緊張感。それが、とても心地好かった。最後に、「よーぉ、ポン」の掛け声でライブを締めたのも、嬉しい意外性だったが…。
アンコールでは、熱い手拍子に乗せ『それを僕は普遍と呼び、君はそれを不変と詠んだ』をプレゼント。大きく手を振る手鞠に合わせ、会場中の人たちも掲げた右手を大きく揺らしだす。本編に描いた哀愁や躍動する姿とは異なる、笑顔が零れる暖かな想いをSoanプロジェクトwith手鞠は最後に届けてくれた。メンバーが、この空間に足を踏み入れた人たちが、笑みを浮かべた顔を互いに重ねあわせてゆく。優しさに満ちたこの瞬間が、とても愛おしい。何よりこの景色、また今年も変わらずに味わえることが一番のご褒美だ。
そして物語は、翌日に控えたSoanプロジェクトwith芥へと続いてゆく。
PHOTO:前田俊太郎
TEXT:長澤智典
Soanプロジェクトwith手鞠
Soanプロジェクトwith手鞠Member
Soan / 手鞠 / from Bräymen) / 祐弥(from DuelJewel) / Sachi(from 黒色すみれ)
『夕闇に鳴動する衝動と幸福の在処』
『相対する質量の交錯する熱量』
『黄昏色に融解する視界と屈折した類推(アナロジー)』
『林檎の花の匂いと記憶野に内在する存在。』
『それは呪いと同義語の魂の鎖 永遠に続く祝福と云う名のカルマ』
『sign…-resonance-』
『感情を媒介として具象化する感傷の逝く宛』
『正否の相違、或いは利害の不一致』
『醜悪なる獣穿つ矢、致死を以て野卑を屠る』
『吐情、舌上、熱帯夜』
『落下の挙動、加速、暗転、反射 そして調和する僕と君と。』
-ENCORE-
『それを僕は普遍と呼び、君はそれを不変と詠んだ』
Soanプロジェクト、6月1日と2日に3周年公演「理想郷」と「集束」の開催を発表!!
Soanがみずからのプロジェクトを立ち上げ、新たな動きを示したのが2016年6月1日のことになる。6月1日は、Soanがこの世に生を授かった日。彼は、みずからの意思を示した日を選び、これから自分が背負い続ける生き方を。一つの"命を持った音の姿"を、Soan自身を愛してくれるファンたちに示しだした。それが、先に触れた2016年6月1日に高田馬場AREAを舞台に「『オトノタカラバコ~Soan Birthday Special Live~』」と題して行った、Soanプロジェクトとしてのライブだった。静な衝動を綴るSoanプロジェクトwith手鞠、激情した想いを解き放つSoanプロジェクトwith芥。Soan自身の心を2つの音の姿に変えながら、彼は、ライブと作品を重ねながら、果てない音楽の航海へ帆を上げ進み出した。
2017年には「Soanプロジェクト1st Anniversary Oneman Live『ココロノコエ~Soan Birthday Special Live~』」と、2018年は「Soanプロジェクト2nd Anniversary Oneman Live『ココロノコエ~Soan Birthday Special Live~』」と題し、Soanの誕生日である6月1日を迎えるごと、それまでの1年間の歩みの集大成を成すワンマン公演を、ホームグラウンドとなる高田馬場AREAを舞台にSoanは行ってきた。
もちろん、3周年目となる今年の6月も、Soanは高田馬場AREAで、自身とSoanプロジェクトの両方を祝う"Birthday Special Live"を開催する。Soanは、今年の3周年公演を2日間行うことを発表。日時は、6月1日と2日。Soanのリアルバースデイ当日となる6月1日の公演に、彼は「Soanプロジェクト3rd Anniversary 2days Oneman Live『理想郷~Soan Birthday Special Live~』」と題せば、6月2日の公演には「Soanプロジェクト3rd Anniversary 2days Oneman Live『集束~Soan Birthday Special Live~』」と名付けてきた。「理想郷」と「集束」、その言葉が示す意味は、いずれSoanプロジェクトwith手鞠やSoanプロジェクトwith芥の行動を通して明かされるだろう。まずは、2日間行うことを素直に喜びたい。今年も、Soanプロジェクトの進撃の音は鳴り続ける。その音を、あなたもその手でつかみ取らないか!!
2019.6.1(sat)Takadanobaba AREA
Soanプロジェクト3rd Anniversary 2days Oneman Live『理想郷~Soan Birthday Special Live~』
2019.6.2(sun)Takadanobaba AREA
Soanプロジェクト3rd Anniversary 2days Oneman Live『集束~Soan Birthday Special Live~』
※詳細は後日解禁
TEXT:長澤智典
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