2024-07-16
vistlip、晴天の七夕で迎えた17周年記念日。
vistlipの結成記念日である7月7日、今年もまた“約束の場所”へ向かった。
17回目の誕生日は、見事に2階席まで超満員のSOLD OUTを記録。これに対して智(Vo)はライブ中のMCで、「こんなに最高なプレゼントがもらえるなんて思いませんでした、本当にありがとう」と伝えた。
ちなみに、このライブに向けてのカウントダウン企画として歴代36本のMVをYouTubeで公開していたのだが、SOLD OUTを発表した日に公開されたMVが、記念日ライブでのみ演奏される『July Ⅶth』だった。
これが偶然か必然かは確認できていないものの、こうした粋な計らいからもvistlipがファンとの絆をいかに大切にしてきたかが伺える。
“外は酷い晴天”――幕開けを飾った「アンサンブル」のワンフレーズに、誰もが大きく頷いたことだろう。
連日の猛暑はこの日も快晴をもたらし、Yuh(Gt)曰く“(2024年)上半期雨バンド”を見事払拭した。
しかし、晴天と歌い締める「アンサンブル」の曲中は雨が滴るようなレーザー演出と海(Gt)のアコースティックギターの音色も相まってしっとりとした走り出しだった。
今回のライブタイトル「Periodical Cicada」は17年(もしくは13年)で大量発生する“周期ゼミ”から来ているが、セミには幸運・復活・再生といった意味もあり、こうしたことが全部vistlipに合っているということからつけたものでもあるという。
まさに、オープニングから彼らの歩みを優しく語りかけてくるようでもあった。
まず前半で印象的だったのは、「TWISTER」「NEXT」で客席へマイクを向けて積極的に歌声を促す場面や、幸せへのステップアップをカウントしていく「Recipe」、“yeah yeah!”と嬉々としてピースサインを掲げる「Dead Cherry」といったライブではお馴染みの楽曲も含め、一緒に歌うことでvistlipの楽曲をファンと共有していたこと。中でも、「俺たちとオマエたちのvistlipの誕生日、-緒に祝ってくれますか?」とメンバーがドラムへ集結してからスタートさせた「Hameln」の息の合った歩幅が記念日だからこそ一層微笑ましく、さらにライブタイトルからセットリストに入るであろうと予想も多かったという「Little Fabre」でも、“ちょっとダサいダンス”が会場を楽し気に揺らした。
ふと背景に目をやれば、規則的に配置された長方形に翅がレーザーで映し出されると、それはさながら標本箱のようでもある。
そして、SEからドラマチックに繋いだ「Period」もまた、ライブタイトルに準えての選曲だったのだろう。
しかし、ここでのセクションはそれ以上にとても壮大な意味をオーディエンスへ訴えていたようにも思えた。
「Period」から感じられる、表裏一体な終わりとはじまり。与えられた限りある時間をどのように使うのか。
そして、自らに注がれた愛を次の誰かへ繋いでいくことをじっくりと届けた「And The Beauty.」。
この一連の事柄は、2曲を繋いだ「DIGEST -Independent Blue Film-」で歌われている通り“生きて行く意味”に等しい。
17周年を迎えたvistlipが今伝える、人生論のようなものがここには詰まっていたように思う。
「夢の世界へ」と仮想空間へと導いた「BGM「METAFICTION」」では、人生には音楽が必要というシンプルな想いを画にするように、ハイセンスなサウンドに自由に体を揺らしていく観客。
そして「DANCE IN THE DARK」を合図に、vistlipの迫力あるミクスチャーロックが火を噴いていく。
瑠伊(Ba)がセンターに立って牽引した「EVE」では、海がTohya(Dr)の後ろに回り込んでその場でシャウトをかまして2人揃って笑顔を見せたり、智とYuhが肩を並べたり、ステージ上の躍動感も大いに増していった。
「俺らには時間がない。だから今夜を胸に焼き付けて帰れよ!」と得も言われぬ緊張感をもった「Timer」を余韻を残して締めくくるやいなや、フロア一面にヘッドバンギングが広がった「GLOSTER IMAGE」へと畳みかけていく。
ここでこれまでを振り返る場面があり、話を振られたリーダーである海が「17年、よう続いたよね」と切り出すと、「俺たちのおかげでいいバンド組めたでしょ?」とYuhの茶目っ気ある一言に対し、「このメンバーの誰かがいなかったら、そしてファンがいなかったら続かなかった」と続けた。
さらに、ライブ前日に瑠伊と連絡を取り合っていたTohyaが「瑠伊から“17年ホントにありがとう。あしたからもよろしくね”ってLINEが来た」と暴露すると、「恥ずかしいからやめろよっ!」と瑠伊が照れ笑いを浮かべていたが、こうした何気なくも確かな想いが5人を繋いでいるのだということを垣間見れるシーンでもあった。
前のMCでTohyaは、「今日、電車で向かいながら“17年経っちゃった”って思ったけど、電車のモニター見てたらカルピスが今日で105年だって!」と言ったのに対し、「俺たちもおじいちゃんになってもやってたい」と5人から朗らかな未来の話が記念日ライブで出てくることが嬉しくもあり、同時に微笑ましくも嬉しくもある。
これまでの話を踏まえ、「vistlipの歴史は続いていく」と宣言して届けた原点でもある「EDY」は感慨深く、まるで水を得た魚のようにメンバーとファンが全力疾走した「深海魚の夢は所詮、」から間髪入れずにキラーチューン「HEART ch.」へなだれ込んでいく。
そして、勢いが衰えることなく続いた「LION HEART」から得られた充実感がたまらなかった。
メンバーが各々楽し気にステージに立つ姿と、演奏しながらもメンバーとファンとの心の通わせ方が実にエモーショナルで、その中で確実だったのは智が語気を強めて歌った“愛しいお前らのために!”であり、海がリアルタイムな心境を乗せるラップセクションで一際印象的だったのが“いつまで経ってもこのまま”というフレーズだったこと。
一瞬たりとも目を離したくない、vistlipのこれまでとこれからを強く描き出していたハイライトだった。
そして、“七夕”ならではのクライマックスへ。「この曲の前に話そうと思って」と「-OZONE-」の前に智が伝えたのは、「幸せを願われる分、みんな(ファン)を幸せにしてあげたい」という想いだった。
その“幸せ”の1つはvistlipがこれからも続いていくこと。
曲中、心なしか搾り出すように感情的に歌われた“「これから先 何年も一緒」だと”という部分に願いは同じだということを再確認でき、キャノン砲が宙を舞う先ではセンターに集合したメンバーが浮かべた晴れやかな表情を見たときには、熱くこみ上げるものがあった。
「またね、この空間でみんなと過ごせたらという願いを込めて「-OZONE-」を歌いましたけど、これをまた“約束”に変えるためにこの曲をみんなで感じたいと思います」という言葉を添え、会場中に広がるブルーの光の波とレーザーがステージへ描き出した天の川と無数の流星の中で届けた「July Ⅶth」。
1年ごとに気持ちを確かめ合う大切な日、“約束の場所”にかかる天の川のもとでこれからも会えるようにと、また今年も願うことができたのだった。
「いっぱい笑って生きてきたけど、決して楽しいだけのバンドじゃなかったことはみんなも知ってる通り、確かだと思うんですけど――こうやって17年続けてやれていることは本当にたくさんの人が“すごいことなんだよ”って言ってくれます。
どんなことだって長く続けていくっていうことはそれだけですごく負担になっちゃったりもするのかなって思ったりもするんですけど、俺たちもずっと友だちみたいに、だからこそ空気が悪いときもあったと思うし。
でも、今こうやって新たな一歩をセミのように歩み出したわけで、その第一歩目の七夕を最高の4人と俺を入れた5人でここに立てたこと、みんなと会えたことは本当に幸せです」――(智)
たくさん笑って、ときに泣いて、そして理屈なんて抜きに思いっきり騒いで。
彼らのライブでそのワンシーンが起こる場面は人それぞれだけれど、間違いなく言えることは、vistlipの音楽は聴いた人の人生に寄り添えるものだからこそそれが起こるのだということ。
この日発売されることが発表されたシングルや制作中だというアルバムにも表れるであろう、メンバーがこれまでの人生を経て紡ぎ出される音や言葉を楽しみにしていたい。
そして、約1年半ぶりとなる全国ワンマンツアー「PRE-ORDER」はもちろん、この日Yuhと海が率先して「来年はスタンディングでこの会場を埋めたい」と話していた通り、18年目に突入してもなお彼らは常に攻め続けていく。
今年の七夕も大いにvistlipというバンドの尊さに浸ったライブだったが、客電がついてもやまなかったアンコールに応えて「偽善MASTER」を披露する中でタガが外れたようにヒートアップするメンバーとファンが見せた、まだまだ落ち着く気などさらさらなく、むしろこれから加速していく未来しか感じさせない様子に思わず期待の笑みを浮かべてしまった。
PHOTO:Lestat C&M Project
TEXT:平井綾子
vistlip 17th Anniversary LIVE[Periodical Cicada]
2024年7月7日(日) 東京・Zepp DiverCity
SETLIST
1. アンサンブル
2. TWISTER
3. NEXT
4. Hameln
5. Little Fabre
6. Recipe
7. Dead Cherry
8. Period
9. DIGEST
10. And the Beauty.
11. BGM「METAFICTION」
12. DANCE IN THE DARK
13. EVE
14. Timer
15. GLOSTER IMAGE
16. EDY
17. 深海魚の夢は所詮、
18. HEART ch.
19. LION HEART
20. -OZONE-
21. July Ⅶth
En. 偽善MASTER
≪Live Schedule≫
■DRESSCODE:EYEWEAR Third
2024年7月20日(土) 東京/Spotify O-WEST
OPEN 17:15 / START 18:00
【チケット代金】 スタンディング 前売:6,500円(税込) ※ドリンク代別途
<詳細> https://www.vistlip.com/posts/ticket/rbwivs
■Butterfly Allure Ⅲ
2024年7月28日(日) 東京/SHIBUYA THE GAME
OPEN 17:30 / START 18:00
<詳細> https://www.vistlip.com/posts/ticket/icgmgw
※SOLD OUT
■vistlip ONEMAN TOUR[PRE-ORDER]
2024年9月14日(土) 埼玉/HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3
2024年9月15日(日) 宮城/仙台darwin
2024年9月21日(土) 石川/金沢AZ
2024年9月22日(日) 長野/長野CLUB JUNK BOX
2024年09月28日(土) 千葉/柏PALOOZA
2024年10月13日(日) 京都/京都ARCDEUX
2024年10月19日(土) 北海道/札幌SPiCE
2024年10月20日(日) 北海道/札幌SPiCE
2024年10月27日(日) 福岡/福岡DRUM Be-1
【チケット料金】 スタンディング 前売:6,500円(税込) ※ドリンク代別途
<詳細> https://www.vistlip.com/posts/ticket/stdyum
<Official Website> https://www.vistlip.com/
<Official Fanclub>
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ジャケットイラストのギャグが最高です
咲人さんのイラストに影響されて女性の友達とクリスマスに
シードルを飲もうと考えました 断わられました
咲人さんの絵は手つかずの新雪のよう 語学の勉強も真面目
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咲人さんの絵はとても良いのでこれからも描き続けてくださ
い 独創的かつ笑えるイラストです 好きです
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インサクリファイスが好評です ナイトメアメンバーで仲間
の飲み代をまとめて払うと雑誌で語っておられた咲人さん
ナイトメアでキリストはユダと詠まれていました 二年前の
Withはラクリマクリスティを意識したと知りました 咲人
さんのナチス嫌い発言
咲人さんにはキリスト教に対する照れのような感じを受けま
す キリストとご自分にとても似た意識を持っているのかも
しれないと思いました
downは意味を調べました 夜明け、でした
いつか一緒に朝日を見ようという歌詞に救われました
ジャキガンマイスターは咲人さんのセンスの良さが光ってい
ますね
JAKIGAN MEISTER / 『Bhava』
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DIR EN GREY / 『「楓」~if trans…~』
気持ち悪すぎ。犯罪者