2014-08-20

sympathy、sympathyでいるのが一番心地良い

 4月に四国限定でリリースされたミニアルバム『カーテンコールの街』を8月6日に全国流通盤としてリリース! ありのままの彼女たちが描かれた今作について尋ねてみた。

──sympathyは2011年に高校の軽音部で結成されたとのことですが、結成の詳しいいきさつは?

柴田「私と(今井)夏紀、(田口)華也奈と(門舛)友架がいつも一緒にいて、ある日私と華也奈が出会ったんですよね。それで、“バンドやろう!”という話になり…今に至ります!(笑)」

──“sympathy”というバンド名の由来は?

柴田「高知の学生の遊び場といえばイオンなのですが、そのイオンでまったりしていた時、単語帳を適当にめくっていたら綴りがかわいかったので“sympathy”というバンド名にしました! かなり適当…(笑)。」

田口「決してこだわってつけた名前ではないです。ずっとこの名前を背負ってバンドをするとも思っていなかったし、高校の3年間だけだと思ってたので…。 本当はもっと、“戦力外通告”みたいな名前にしたかったです(笑)。」

──これから出会う人たちにsympathyがどんなバンドなのかを分かりやすく自分たちの言葉で説明するとしたら?

一同「不純な乙女の集いです!」

──最初はコピーバンドとして活動をしていたとのことですが、もともとの音楽のルーツは?

柴田「私はチャットモンチーや、GO!GO!7188、相対性理論ですね! みんな共通して好きなアーティストは、椎名林檎や相対性理論です。」

──資料には“オムニバスに参加のため初となるオリジナル曲を作る。…が、その後マイペースにコピーバンドとして活動する。”と書いてあるのですが、その後オリジナル楽曲を再び作り出したきっかけは?

柴田「お世話になっているライヴハウスの方に、“オリジナルだけでライヴしてみよ!”と誘われたのが大きなきっかけですね。そのライヴを目標にオリジナル曲を作って、それからはオリジナル曲を作ってライヴして…って感じになりました! 」

──そして、2013年5月には初の音源となるデモCD「女子更生」をリリースしましたが、今改めて振り返って、どのような作品になったと思いますか?

柴田「本当に、“最初の最初の第一歩”って感じですね!」

今井「女子高生だった等身大の私たちがリアルに描かれてると思います。」

田口「とりあえず、あの当時の自分“ドーーン”って感じです。」

──リリース後の2013年6月からは受験のためバンドの活動を休止していましたが、「女子更生」をリリースしたことやバンドの休止期間、高校の卒業などの環境の変化を経たことで何かバンドとしての変化はありましたか?

柴田「お互いの大切さが身に染みて分かったことが一番だと思います(笑)。sympathyでいるのが一番心地良いというか、落ち着くんですよね。だから、今を大切にしようとか、集まって、演奏して、歌って、っていうのをひとつひとつ大切にしたいと思うようになりましたね。」

田口「“音楽してる時が一番幸せだなー”って授業中にしみじみと外を眺めてましたね。遠い目で(笑)。4人で楽器鳴らしてる時が好きすぎて。普通にいると喧嘩もいっぱいしますが。」

──受験終了直後の2014年4月には、ミニアルバム『カーテンコールの街』を四国限定でリリースしましたが、制作としてはどのような構想があったのですか? また、同作は8月6日に全国流通盤としてリリースされますが現在の心境は?

田口「これといったビジョン、テーマがあったわけじゃなく、作った曲をギュッと詰め込んだ感じです。でも、これまでに作った5曲全部、ほぼ同じ時期にできてるものだし、とりあえず今の私たちの全てなので、どの曲も向かっているところはひとつなのではないかなと思います。全国流通リリースについての心境は、全国の見ず知らずの人に聴いてもらえるっていう…本当にすごいことなんだな、と夢みたいに思います。」

──今作に収録されている5曲以外にも楽曲はあったのですか?

田口「他の楽曲は、現在制作中です。なのでこのアルバムの5曲は選曲された選ばれし者ではありません(笑)。」

──ここからは楽曲についてお訊きします。1曲目の「ナイン・トゥ・ファイバー」は爽快なメロディーが耳に残る、疾走感にあふれた楽曲ですね。

田口「もともとのイメージは、“先生”と“恋愛”です。私の憧れであります。どうしたって切ないんです。どうしたって切ないけど、もやもやとかチクチクする痛みを抱いたまま駆け抜ける、駆け抜けるしかない、みたいにしたくて。だからこの曲から切なさと疾走感が伝わったらいいな、と思いました。」

──「サディスティック・ハニー・ダーリン」は鋭く感情的でありながら時折女の子らしい一面が出てきますね。

田口「…サディスティックになったらできました(笑)。」

──切ない女の子の心境を描いた「やめたんばりん」は、《やめたんたんたん》など、歌詞の語感が面白いです。他にも、アルバム全体を通して語感の良い言葉の並びが独特で、遊び心にあふれている歌詞が目を引きました

田口「「やめたんばりん」はタンタンとタンバリンを打ってます。言葉遊びは大好きで、本も時間があれば読んでます。語彙(ごい)がなくて上手いこと言えないですけど、言葉の持つ力って本当にすごいですよね。歌詞を考える時は、とにかく自分が好きだと思える響きとかなんか分かんないけどニュアンスで伝わることを大事にしてるようなしてないような…。よく分かんないですけど。」

──感情的に怒りを歌い上げている「少女とショットガン」から繊細で可憐な「ウーロン」までさまざまなシーンを歌い分けているのも印象的でした。歌を歌う時に意識をするのはどういったところなのでしょうか?

柴田「好きな人に対する愛情を意識してます! 「少女とショットガン」だと苛立ち憎しみ、「ウーロン」では好きで好きでたまらない切なさと、決意を特に意識してます。」

──今作の中でも思い入れのある楽曲はありますか?

田口「私は「少女とショットガン」が一番好きです。ずっと同じコード進行なのに、すごく良いんですよね…(笑)。3つのコードしか使ってないのに、いい曲とかってあるじゃないですか。簡単だけど、そういう曲こそ才能を感じるというか、やっぱりそういうの、好きだなぁと思います。」

柴田「私はこの曲大っ嫌いなんですけどね…(笑)。」

──出来上がってみて、どのような一枚になったと思いますか?

田口「アルバムを作ろうとして作ったわけではないので統一性はないですが、“ここに存在してるよー!”と遠くのヘリコプターに“オーイ!”と呼びかけてるようなアルバムになった気がします。おいしいとこどりのミニアルバムができたので、ぜひたくさんの方に聴いてほしいです!」

──聴きどころは、ずばりどこでしょう?

田口「優の変幻自在のヴォイスです!」

──作り終えて思ったことは?

田口「“自分たちはどこにいくのだろう…”と思いました。sympathyらしさってあるのかなぁって。それってどんなのかなぁとか。世界観がもっと明確に確立していったらいいなとぼんやり思いました。」

──今作を引っ提げて、どのようなことを行なう予定ですか?

田口「とにかく人に聴いてもらって、ライヴをして、次回作も作って、また聴いてもらって、というのができたらいいなぁと思ってます。」

取材:高良美咲

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