2013-09-03

【THE MICRO HEAD 4N'S】結成2周年の日に恵比寿リキッドルームでワンマンを成功

 2011年8月の結成以来、精力的にライヴ活動を続け、1stアルバム『A BEGINNING FROM THE END.』を引っさげての全国ツアーと初のEUツアーを大成功に収めたTHE MICRO HEAD 4N'S。2013年3月9日の凱旋公演をもって第一章の幕を閉じたバンドは、2ndアルバム『-REVERBERATIONS-』のレコーディングを開始。東京・恵比寿のLIQUIDROOMで行われた今回の公演は、新作発売後初の東京ワンマンで、東名阪ツアーのファイナル、しかも、記念すべき結成2周年の日とあって、ライヴ開始前から会場はお祝いムードに包まれていた。

 フロアの照明が暗転し、ニューアルバム『-REVERBERATIONS-』の冒頭を飾る“Second Emblem"が流れ出すと、この瞬間を待ちわびていたファンから大歓声が沸く。ダンスビートがより激しくなり、ファンの興奮が高まったところで、ついにメンバーがステージへ姿を現した。全員、新作のアートワークやMVで見せる、黒を基調とした衣装に身を包むも、赤やピンクの髪飾りとエクステがエレガントなRicky(vocal)、kazuya(guitar)、ZERO(bass)、TSUKASA(drums)とは対照的に、SHUN.(guitar)は目を合わすのがためらわれるほど威嚇的なメイクアップで登場!

 SEが終わりに近づいたところでギターリフがザクザクと刻まれ、“雷鳴"がスタート。Rickyの艶かしいヴォーカルと見事なコントラストを作り出す、轟くようなTSUKASAのドラムにのっけから圧倒される。その凄まじい勢いのまま“GLORIOUS BLAZE"へ。激しさと美しさが交錯する重くハードなサウンドに、フロアを埋め尽くすクローンたちがヘドバンで応酬。続く“WHITE SOUL"では、バンドが放つ並々ならぬパワーを受け止めようと、観客の手が大きく空を舞う。

 一気に3曲をたたみかけたあと、「帰ってきたぜ、東京! 暴れまくろうぜ!!」というRickyの投げかけに拍手喝采が巻き起こり、そのまま“I'm like a bird in a cage & U too"へ突入。Ricky、kazuya、SHUN.、ZEROの4人がステージ前面に乗り出し、フロアを煽りまくる。続く“UN-CONTROLLED"のラウドで猥雑な音像に、観客のボルテージがさらに上昇したところで、MCへ。

 「2年前の今日、この近くの居酒屋で初めて5人が結集しました。まだこの時間帯は、“オレはこのバンドに入っていいんだろうか?"とTSUKASAが悩んでいるところですね。まだ完全にはバンドが結成されていないころだと思います」というRickyのトークに、ファンは爆笑。「あのとき、店では誰にも注目されなかったのに、今日はこんなにたくさんの人たちが僕らを観にきてくれている。大出世です(笑)。今日は2周年ツアーのファイナル。新しいスタートにふさわしい曲を、新作『-REVERBERATIONS-』からお届けします」と紹介されて始まったのが、“「今」=「全テ」"。ライヴではすでにおなじみの、さわやかなナンバーだ。伸びやかなメロディに合わせて心地よく体を揺らすクローンの姿を目にし、メンバー全員が笑顔を浮かべる。

 温かい拍手が惜しみなくバンドへ贈られる中、同じくライヴではたびたび披露されてきたものの、よりポップかつキャッチーに生まれ変わった“ユメノツヅキ"が、kazuyaの優しいギターと共にスタート。歌詞に合わせ、ステージに触れんとばかりに観客が前へ前へと手を伸ばす。続く“Calling"では、美しい旋律とRickyの情感溢れる歌声が会場を魅了し、ライヴの空気感がガラリと変わる。

 すっかり聴き惚れ、曲の世界観にいまだひたるクローンたちをよそに、場内は一転。クラブ仕様になり、SHUN.のDJセットが始まった。これまでのマイフォのステージにはなかった展開に、最初は戸惑いをみせていたファンも、所狭しとステージを跳ね回りながら観客を煽るZEROとkazuyaに合わせてジャンプ! フロアを巻き込む新しいスタイルのパフォーマンスに、誰もがバンドの第二章の幕開けを感じたことだろう。

 「HELLO MY CLONE」のループが会場に鳴り響く中、RickyとTSUKASAがステージに戻ってきたのと同時に、ZEROのベース音がうなり、“HELLO MY CLONE"がスタート。めくるめく音の洪水と激しいライティングに翻弄されたクローンたちに休むヒマを一切与えないまま、「行くぞ、東京クローン!」とさらにけしかけ、“MONSTER'S ROAR"へ流れ込む。ハンパない音圧と振動で、フロアはヘドバンと雄叫びの嵐に。会場の温度がぐんぐんと上がっていく。

 息苦しいまでの熱気を少しクールダウンさせるように、MCタイムがスタート。「2周年、楽しんでますか? メンバーも楽しんでいると思います」と、Rickyがバンドを代弁したあと、話をSHUN.に振る。「実は本番が始まってから、ひとりでトラブルを抱えています。ダウンのパーカーが暑いし、髪の毛が絡まって、さっきからずっと髪をほどいてる」と言うSHUN.に、「女子かっ!」と突っ込むRicky。

 雰囲気が和んだのも束の間、「オレより熱くなれよ! 頭、振ってけよ! 跳んでけよ!! いくぜっ!」とSHUN.がフロアを鼓舞し、新作のタイトル曲“REVERBERATIONS"になだれ込む。もともとヘヴィネスが炸裂するインストチューンだったが、Rickyが挑発的なグロールを繰り返し、これでもかと攻め立ててくる。「おい、東京! まだまだ足りねぇぜ!!」とクローンを何度も追い込み、ZEROはRickyに馬乗りになるわ、クローンたちがところかまわず跳びまくるわのカオス状態に。

 もみくちゃにされて前後左右もわからない中、“BREAKING & SHOUT OUT!!!!!"のエレクトロビートが響き渡り、フロアは再度、ダンスフロアに変貌。Rickyはステージを派手に動き回りながら「Go! Go! Go! Go!」と観客を煽り、ツインギターのkazuyaとSHUN.はステージ中央で激しいリフを繰り出していく。会場がマックスにヒートアップしたところで、“I Surrender"をたたみかけられ、驚喜の奇声を発しながらタオルを一心不乱に振り回すマイクローンたち。壮観なまでの一体感が会場を満たす。盛り上がりはそのままに、ついに本編ラストの“Curtain Call"へ。ドラマティックでヘヴィな楽曲をぶちかますメンバー5人と、そのファストなナンバーに必死に食らいつかんとするクローンが一丸となってのコール&レスポンスは圧巻だった。

 怒濤の勢いで本編が終了するも、ここで一息つくクローンではない。フロアのあちこちから「マイフォ!」コールが矢継ぎ早に上がる。アンコールを求める声が途絶えることなく続いて、10分強。黒い雷鳴Tシャツに着替えたメンバーが、ついにステージへ戻ってきた。「アンコール、ありがとうございます。盛り上がってる? 疲れてますか?」とファンを気づかったあと、「せっかくの2周年なんで、メンバーの声も届けたいと思います」と、Rickyがひとりずつメンバーを紹介していく。「一番、疲れてない男!」と紹介されたSHUN.は、「今年の夏はマイフォ一色だったけど、とにかくライヴが楽しかった」と思い出を語りつつ、翌々日には富士山へ登り、山頂で「マイフォ!」と叫んでくることを約束。

 「いつにも増して破廉恥だった、オン・ベース、ZERO!」のコールを受け、「2周年を無事迎えることができました。ありがとうございます」と、ZEROがあらためてファンに感謝を示す。そして、「くるって回ったときにコーンってぶつかられてSHUN.さんに洗礼を受け、そのあとRickyさんに洗礼を与え、馬乗りになってしまいました」とステージ上のハプニングを告白。「気持ちよかったです。次もわざと倒れてみようかな(笑)」と、Rickyもまんざらではなかった様子で、客席からはヒューヒューという声が上がる。

 「一番高いところにいる男、かなり振り回され、ある意味、このバンドを支配している、オン・ドラム、TSUKASA!」と紹介され、ドラムセットから立ち上がってファンの歓声に応じるTSUKASA。「2周年、日に換算すると730日ですね。いろんなことがありましたが、先輩方3人に会えて本当に喜んでいるんです。中高は吹奏楽部で女性の先輩しかおらず、こういう男っぽい先輩っていうのは――あれ、約1名は女っぽい先輩?」とRickyに目をやり、会場は爆笑の渦に。「これからも3周年に向けて、900、いや、千……何日? えーっと、感極まっていきましょう!」と、曖昧な計算で、さらに笑いを取る。

 「2年前、恵比寿の居酒屋に僕らを集めた男、ギターとリーダーをやっています、kazuya!」と紹介されたkazuyaは、「このバンドを始めてホントによかったと思います。みんな、こういう職業でよかったねって感じで、すごくポンコツな人たちですけど、一緒にいて飽きないです。真剣にバカができるメンバーと2年やってこられて幸せでした。このバンドを通して、挫折してもやり直せるってことを伝えたいし、みんなにもそんなことが起こればいいなと思っています。前を向いて行動すれば、なにかが起きるんで、みんなでがんばりましょう!」と、リーダーらしいトークで感動を呼ぶ。

 続いて、「僕はヴォーカルです。Rickyです……」とRickyが小声でさみしそうに自己紹介を始めると、「むさくるしい男だらけのバンドの紅一点、ハイパーヴォーカリスト、Ricky!」と、SHUN.が救いの手を差し伸べる。「いいことは全部kazuyaが、おもしろいことは全部TSUKASAがもっていっちゃったんで」と前置きしつつも、「このバンドに誘ってもらい、今ここに立てていることがうれしいです。もう2年だけど、まだ2年。この先もずっと続けていきたいと思っています。僕がダメになっても、あと10年はやってほしい。“Ricky、大丈夫?"って言われるくらい、僕がすごく痩せちゃって声が出なくなっても……」と自虐的に笑いを取ったあと、kazuyaから新ツアーの詳細をアナウンス。ファンへ感謝を表現するために組んだという「Tour 2013 EVOKE A RESPONSE」は、11月から12月にかけて北は札幌から南は福岡まで巡る12公演のロングツアーで、ライヴ後はファンとのハイタッチ会を予定しているそうだ。

 そして、「まだまだ止まりません、マイクロヘッドフォンズ。最高の景色を見せてくれよ!」と、アンコール1曲目の“フォトグラフ"へ。メンバー5人へ今夜一番の景色を見せようと、手を大きく横に振り、ピースサインを高く掲げるクローンたち。Rickyがフロアにマイクを向け、サビは割れんばかりの大合唱に。「3年目、4年目もよろしくお願いします。まだまだ行くぞ!」と、ついにラストの“この先ずっと…"がTSUKASAのドラムと共にスタート。RickyとZEROに続き、大きく手を打つクローンたち。力強くも感動的な盛り上がりを見せ、最後はバンドと観客全員での「マイフォ!」コールで、2周年ツアーは締めくくられた。

 エンディングを告げる“「今」=「全テ」"のピアノインストがしっとり流れ、会場の照明が明るくなっても、ファンのメンバーを呼ぶ声と温かい拍手が止むことはなかった。THE MICRO HEAD 4N'Sの第二章の始まりにふさわしい、パワフルで濃厚なすばらしいライヴだった。秋の全国ツアーでは、さらに進化した姿を見せてくれるに違いない。

TEXT:権田アスカ


■THE MICRO HEAD 4N'S Tour2013 EVOKE A RESPONSE--
11月01日(金)札幌COLONY
OPEN 18:30 / START 19:00
11月02日(土)札幌COLONY
OPEN 15:30 / START 16:00
11月04日(月)仙台HOOK
OPEN 16:30 / START 17:00
11月15日(金)HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3
OPEN 18:30 / START 19:00
11月22日(金)新横浜NEW SIDE BEACH
OPEN 18:30 / START 19:00
11月24日(日)HEAVEN'S ROCK 熊谷VJ-1
OPEN 16:30 / START 17:00
11月30日(土)福岡DRUM SON
OPEN 17:30 / START 18:00
12月01日(日)福岡DRUM SON
OPEN 15:30 / START 16:00
12月07日(土)名古屋ell. FITS ALL
OPEN 17:30 / START 18:00
12月08日(日)OSAKA MUSE
OPEN 16:30 / START 17:00
12月14日(土)新宿BLAZE
OPEN 17:30 / START 18:00
-TOUR FINAL-
12月15日(日)新宿BLAZE
OPEN 15:30 / START 16:00
チケット料金 全公演:前売り ¥4,500/当日 ¥5,000

THE MICRO HEAD 4N'S 公式HPはコチラ

(OKMusic)


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