2016-03-13

怪人二十面奏 インタヴュー

昨年復活したドレミ團/THE BEETHOVENのメンバーとしても活動中のマコト(Vo)とKEN(G)の2人が手を組み、誕生した怪人二十面奏。彼らは、サポートメンバーに龍 (G:ドレミ團)/ IORI (B:from OWL)/桐(Dr:from heidi.)を迎え、3月16日に発売となる完全限定1000枚シングル盤『愛憎悪』を作りあげた。2人がどんな想いで怪人二十面奏を動かしているのか、その想いをここに記したい。


 怪人二十面奏はマコトとKENとによる弾き語りユニットとしてスタート。当時はドレミ團の楽曲をアコースティックスタイルで演奏すれば、いろんなアーティストのカバー曲を演っていました。


――怪人二十面奏が動き始めたのは2014年のこと。当時は、マコトさんの参加しているTHE BEETHOVEN(http://thebeethoven.net/)の活動の合間を縫って動いていましたよね。
マコト そうです。当時は、僕とKENとによる弾き語りユニットとしてスタート。当時はね…。
KEN ドレミ團の楽曲をアコースティックスタイル演奏すれば、いろんなアーティストのカバー曲を演ったり。
マコト それこそ、好きな歌謡曲をカバーしたりとかね。僕自身あの頃は、弾き始めたアコースティックギターを使って、とくに気を張ることないライブを演りたかったことから、自分たちで場所を借りては、みんなにも椅子席に座ってもらい、ゆったりとした雰囲気で聞いてもらう形でライブを行うことが中心でした。
KEN それこそ、1ステージで30曲とか演奏したり。
マコト そういう活動を緩ーくやっていたら、次第に「うちのライブでも弾き語りを演らないか??」という声をもらえるようになり、誘われるままにイベントにも出始めた。そうしたら誘いの声が増えだし、だんだんと趣味としての活動の範囲を超えだした。しかも本数を重ねていく中、「弾き語りではなく、しっかりとバンドサウンドで演りたい」「怪人二十面奏としてのオリジナル曲を中心に据えた形で本格的に動き出そう」という想いが芽生え始めた。そこから、ライブに於いては毎回サポートメンバーを迎える形のもと、2015年6月28日に川崎クラブチッタで行われたイベントへ出演したのをきっかけに、今の形となるバンドスタイルで怪人二十面奏として活動するようになったし、そこからが本当の意味での怪人二十面奏のスタートになりました。
KEN 「本気で演る」と決めた以上は、しっかりバンドサウンドで聞いて欲しかったからね。
――活動の狼煙を上げるのに合わせ、オリジナル曲もどんどん作り始めた形だ。
マコト 活動を始めると、良い意味での欲がどんどん沸いてくると言うのかな!?。2人の弾き語りスタイルで始めた頃は、「ステージに立つことが出来る」だけで嬉しかったのが、「応援してくれてる人たちにオリジナル曲も届けたい」「作品としても届けたい」など、いろんな欲求が自然と生まれ出した。それが理想的な形で進んでいるのが、今なんですよ。


 怪人二十面奏は、みんなが思っている「マコトとKENの作り出す音楽と言ったらこんな感じ」という部分を突き詰めているバンド。ドレミ團の楽曲もセルフカバーじゃないけど、怪人二十面奏スタイルにアレンジし、演奏もしているんで。


――2015年と言えば、マコトさんはTHE BEETHOVEN/ドレミ團、2つのバンドで活動を行っていましたよね。
マコト 昨年、ドレミ團として活動出来たことが自分に与えた影響は大きかったですね。結果、全部で4本ワンマンライブを行い、ふたたび眠りについたわけですが。その活動を通して、改めて「KENの作った楽曲を歌いたいな」と思ったし。ドレミ團自体が定期的に集まって活動をするのが難しいバンドなだけに、自分が表現したい大好きな音楽性のみに集中したバンドを組みたい欲求がますます強くなっていった。それで、怪人二十面奏をバンドとして本格的に動かしたところもありましたからね。もちろん、THE BEETHOVENも自分の演りたい音楽性を提示している場ですけど。同時に、メンバーそれぞれの演りたい音楽性を示してゆく場でもある。
THE BEETHOVENも怪人二十面奏も「演りたいことを本気で演っている」姿勢に変わりはないこと。怪人二十面奏は「自分の好きな世界観を突き詰めたバンド」。それこそ、「すげぇ偏った音楽を作る」ために誕生したバンドなんですよ。
KEN 僕も、そこはマコト君と共通して持っている想い。彼の好きな世界観をわかっているからこそ、互いに求めるものを作っていけてる関係だし、それは、昔からずっと変わらないこと。強いてあげるならば、ドレミ團は活動も長かったことから、軸を持ちながらもいろんなバリエーションを持って楽曲を作っていたけど。怪人二十面奏は、「より好きな部分へ特化した形」で今は創作活動をしている。
マコト そうだね。ドレミ團の中には明るい表情から暗い面までと多彩なバリエーションを描いてきたけど。怪人二十面奏は、みんなが思っている「マコトとKENの作り出す音楽と言ったらこんな感じ」という部分を突き詰めているバンド。今後、もしかしたら幅を広げていくかも知れないけど、今は、一つの色を突き詰めようと思ってる。ドレミ團の楽曲も、セルフカバーじゃないけど、怪人二十面奏の色に寄り添っている楽曲は"怪人二十面奏スタイルにアレンジ"したうえで実際に演奏もしているんで。
KEN セルフカバー曲もけっこうアレンジしているように、新しい楽曲として楽しんでもらえるんじゃないかな!?


 1stシングル『愛憎悪』へ向けて。


――3月16日(水)に、怪人二十面奏は1stシングル『愛憎悪』を発売します。レコーディングには、、龍(G:ドレミ團)/IORI(B:drom OWL)/桐(Dr:from heidi.)の3名が参加。
マコト 彼らは、よくライブでもサポートしてくれる中心メンバー。ライブに関しては、自分のバンドを持っている人たちも多いように、パートごと軸となるメンバーを集めたうえでスケジュールを調整しながらお願いしているのが現状です。
――1stシングルには3曲収録。どれも昭和歌謡の香り漂う、影を背負った、痛い哀愁味漂う抑揚歌じゃないですか??
マコト ここに収録したのは、ライブで演っていても「とくに濃い色を発揮している曲」たちであり、「怪人二十面奏ってどんなバンドですか??」と聞かれたときに、「これです!!」と明確に示していける歌たちばかり。まずは、その核となる色を持ってきました。


 『愛憎悪』


――タイトルにも掲げた『愛憎悪』。これぞ怪人二十面奏というスタイルを明瞭に提示した楽曲になりましたね。
KEN マコトくんと一緒に「怪人二十面奏をバンドとして本格的に動かそう」となったとき、一番最初に作ったのが『愛憎悪』。これは、「怪人二十面奏らしい歌」を求めて作ったようにライブでの支持のとても強い楽曲にもなりました。
――歌詞には、相手に振りまわされながらも「好きになった人から逃れられない」女性が登場します。しかもこの主人公は、恋が終わってさえも、相手を殺したいくらい愛し続けてゆく。「叶わない恋にも関わらず、好きを募らせる」歌は、マコトさんの得意とする表現スタイルですよね。
マコト 昔からそうなんですけど、「あなた」と「わたし」という形のもと、叶わない切ない恋の想いを描くことが多かったと言いますか、そういう想い募る歌詞を求めてくれる人たちが、とにかく多いのも理由としてありますね。
実際、1stシングルに収録した『愛憎悪』『想望カルト』『嘘憑きと盲目と』の3曲とも、内容は異なれど、同じ目線を持った「わたしとあなた」の関係性を「わたし視点」で記した歌になっています。
――痛く切ない恋心の歌詞を求める人たちが多いのも、それだけリアルに自分の気持ちと重ね合わせ実感できる人たちが多いからなんでしょうね。
マコト きっと、そうなんだと思います。


 『想望カルト』『嘘憑きと盲目と』


――『想望カルト』も、『愛憎悪』と対を成す楽曲にも見えました。
KEN 収録した3曲の中では一番新しい表情なんですけど。怪人二十面奏の顔と言えば『愛憎悪』」という意識を持ったうえで、「『愛憎悪』と並ぶ楽曲を作りたい」想いのもと作り上げたのが『想望カルト』。実際、『愛憎悪』と同じく"怪人二十面奏の顔となる歌"になったことから、次の作品の表題曲にしても良かったんですけど。より怪人二十面奏らしさを印象つけるためにも、今回収録することを決めました。
マコト 今の自分たちの演りたいことを出し惜しみせずに全部出し尽くしてこそ、より怪人二十面奏らしさの色を強調できると判断し、収録しました。歌詞も、『愛憎悪』と同じよう、忘れられない「あなた」への恋する気持ちを痛いくらいに募らせてゆく「わたし」という内容に仕上がっています。
KEN 『愛憎悪』と『想望カルト』は両A面って感覚だよね。
マコト 『嘘憑きと盲目と』は最初C/Wのイメージでいたんですけど。これもライブで演奏するたびに個性が際立ち出したように、『愛憎悪』や『想望カルト』とは多少曲調は違えど、歌詞は同じ目線で書いているようA面曲として捉えてもおかしくないくらい個性発揮した楽曲になったなと思ってる。
KEN 先の2曲よりも若干テンポ感活きた感じなんだけど、さらにレトロ感を増している雰囲気というか。そこの部分を、より強調したかった面はありましたからね。


怪人二十面奏として初のワンマンライブということもあって、あえて小さな箱を舞台に、来てくれた人たち一人一人にしっかり届く環境で、まずは怪人二十面奏の世界観を届けたいなと思っています。


――完成した1stシングル『愛憎悪』はどんな作品になりましたか??
マコト 1stシングルらしい初期衝動をすごく感じられる作品になったと思います。
KEN 「怪人二十面奏とは、こういうバンドです」というのを明確に提示できた作品という意識が強いです。
――バンド名もそうですし、アーティスト写真の雰囲気も、まさに奇談物語的な世界観へのオマージュを感じさせてくれます。このシーンで言うなら、「密室系」のような…。
マコト 「いまさら感」な感じをわざと出しているように、そこも楽しんでもらえたらなとは思っています。それは、ひねりを効かせたバンド名も含めてね。
――7月3日には新宿RUIDO K4を舞台に、初のワンマンライブ「一周年記念単独公演 NUMBER TWENTY~ネオン街に棲む悪魔~」を開催することが決定!!
マコト 活動を始めてちょうど約1年。初のワンマンライブということもあって、あえて小さな箱を舞台に。来てくれた人たち一人一人にしっかり届く環境のもと、まずは怪人二十面奏の世界観を届けたいなと思い、そうしています。
怪人二十面奏は、まだまだ始まったばかりのバンド。1stシングルの『愛憎悪』を出すまでの期間は、あえて密かに活動してきましたけど、ここからはもっと多くの人たちに伝える術も取っていきますから。まずは、一度触れてみてください。僕ら、こんなことをやっていますよというのを知ってもらいたいので。

TEXT:長澤智典


怪人二十面奏 Web
http://k20.jp/

★CD情報★

ファーストシングル
「愛憎悪」
2016年3月16日(水)リリース(完全限定1000枚)
BDBX-0033 / ¥1,500+税
[収録曲]
1.愛憎悪
2.想望カルト
3.嘘憑きと盲目と
発売元:株式会社BadeggBox
販売元:株式会社タイムリーレコード

★LIVE情報★

2016.03.18 (Fri) SHIBUYA Rex
2016.04.10 (Sun) 宇都宮HELLO DOLLY
2016.04.17 (Sun) 大阪VARON
2016.04.18 (Mon) HOLIDAY NEXT NAGOYA
2016.05.02 (Mon) 新宿RUIDO K4
2016.07.03 (Sun) 新宿RUIDO K4 ※ワンマン

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