2016-10-28
井上紗希インタヴュー
過去にはSO.ON projectやTokyo Cheer ② Partyの4期生メンバーとしてアイドル活動を行ってきた井上紗希。卒業後は、シンガーソングライターへ表現のスタイルをシフト。ソロ活動と平行する形のもと、secondrateのメンバー(Vo&G)としてバンド活動も行っている。彼女がどんな想いで活動をしているのか、ここに伝えよう。
メンタルはだいぶ嫌えられましたね。女の子だけの、しかもみんながライバルという環境にいると心が傷つくこともけっこうありました。
──紗希ちゃんはもともとアイドルとして活動をしていた方。その頃からアーティスト活動をしたい意識を持っていたのでしょうか?
紗希 私は4年間アイドル活動を続けながら、19歳のときにアイドルを卒業し、ソロとしてアーティスト活動を始めたんですけど。私、音楽を専門に学ぶ高校へ入学したように、アイドル活動を始める前からアーティスト活動をしたい想いをずっと持っていました。
――そうなんですね。
紗希 私、それまで音楽の勉強をまったくやったことがなかったのに音楽の専門学校へ入ったんですよ。アイドル活動を始めたのも、何も知らないからこそ「今、出来ることをやろう」「アイドルの経験を重ねながらステージに立つことに慣れ、そのうえでアーティスト活動を始めよう」と思ってのこと。だから、アイドル活動を始める前からソロとしてアーティスト活動をしてゆく目標は持っていました。
──そのタイミングを見計らっていたわけだ。
紗希 そうなんです。「二十歳になる前までに」「10代の頃からアーティストとして活動をしたい」とずっと思ってました。
──アイドルを経験して学んだことは多かった?
紗希 メッチャクチャ多いですね。MCにしても、人にどう見られるかというステージングやライブ中の気づかいも、そう。それをわからず活動をしていたら、きっと見てくれる人たちの気持ちを何もわからずに活動しているんだろうなと想像するように、アイドル活動を通し私は「人に見られることの意味」がわかりました。
──そこは、アイドル活動をしているとシビアに見えてくることだ。
紗希 そうなんです。一人のアーティストとしてもそうだけど、一人の女性として見られることもある。だからこそ、もっともっと自分を磨かないといけないなと思う部分があったので。
──アイドル活動をしたおかげで、心は強くなったんじゃない?
紗希 メンタルはだいぶ嫌えられましたね。女の子だけの、しかもみんながライバルという環境にいると、心が傷つくこともけっこうありましたから。
──ギターを手にしたのはアイドル活動を卒業してから?
紗希 そうです。ギターを弾き始めてまだ1年ちょいくらいです。
──アイドル活動をしている頃は、ギターの練習はしていなかったんだ。
紗希 あの頃は心も時間もぜんぜん余裕がなくて、アイドルとして活動していくことで精一杯でした。学生時代は大阪の音楽高校に通いながら東京に移動する形でアイドル活動をしていたので、なかなかプライベートの時間がなかったんです。
アーティストだと自分の想いを自分の言葉で伝えれば、その歌を聞いて感動してくれる人たちがいる。その魅力を強く感じたことも、卒業を決意するうえで大きかったですね。
──アイドルを卒業するタイミングやきっかけも教えてください。
紗希 次のシングルのリリースが終わったら卒業しようと思うことは何度もあったけど、なかなかタイミングが上手くつかめずにいました。本当は18歳の時に卒業しようと思っていたんですけど。その時期にシングルのメインヴォーカルとして選ばれれば、リリース期間中の卒業は絶対に出来ないじゃないですか。そういうのも含め、なかなかタイミングが難しくて…。
あの頃は、日々「何が今の自分にとって大切なのか??」「アイドルとして認められてるからアイドル活動を続けたほうがいいのか?!」と悩んでいました。きっかけは、19歳の誕生日のときに初めてソロで歌ったこと。そのときに「やっぱし歌って楽しいな」と感じ、「私、二十歳になる前に絶対に卒業をしてアーティスト活動をやろう」と決めました。
──いくらグループ内でメイン扱いになろうと、それ以上にアーティストとしての活動を進めたかったんだ。
紗希 そう思っていましたし、その選択は正解でした。今は好きなことをやれている。何より、アーティストだと自分の想いを自分の言葉で伝えられれば、その歌を聞いて感動してくれる人たちがいる。その魅力を知れたことも、卒業を決意するうえで大きかったですね。
──自分自身で表現していくのは大切なこと。
紗希 そうなんです。アイドルだと人数が多いぶん、傷つくことも嬉しいこともみんなで吸収出来たり分け与えられるんですけど。一人だと全部100で来るじゃないですか。だから大変なことも一人になって倍あったけど、同じく楽しさも倍に増えました。
──今年は、初のワンマンライブも経験しています。
紗希 今年の5月28日に私のソロ活動一周年を記念したワンマンライブをやったんですけど。そのときに感じたのが、「集客ってこんなに大変なんだ」ということでした。
アイドルをやっているときは「メンバーの誰々押しがいる」など、メンバーが大勢いたことでお客さんもいっぱいいたし、それが普通だと思っていたけど。一人になって「会場をソールドアウトさせるために200人を集める」と目標を決めて発表をしたんですけど。チケットはぜんぜん売れませんでした。公演1カ月前の時点で、チケットを購入してくれた人たちが50人くらいだったんですよ。「あと150人も無理でしょ」「いやぁ、これは厳しい」と感じながらもどうにか成功させようと、それからの1ヶ月間、東京のみならず、水戸や名古屋にまで足を運んだりと、いろんなところで路上ライブをしました。
活動の中「良かったよ、ライブに行くね」と言ってくれる人たちがだんだん増えれば、地道に活動をしていく中、評判を聞きつけて路上ライブを見に来てくれる人もいたり、そのライブを見て「いいね」と言ってくれる人も次第に増えていきました。結果、当日の幕が開いたら200人以上お客さんが来てくれたのでめちゃくちゃ嬉しかったんです。ホントに嬉しすぎて、あのときは涙を流すのさえ忘れていました。
私、ギターの弾き方はYouTubeで習ったんですよ。
──前の実績があるとはいえ、ほとんどゼロの環境から作りあげてゆくのは大変なこと。だけど、その覚悟を持ってアーティスト活動を始めたわけですよね。
紗希 そうです。みんなに「私はソロになって絶対に夢を叶えます。私自身のやりたいことで、今よりも売れるようにがんばります」と宣言をして卒業しました。「みんなに宣言したことを超えないと」という気持ちは今でも持っています。そのためにも、まだまだ頑張らなきゃ駄目なんです。
──紗希ちゃんは、みずからギターを弾きながら作詞作曲を担当。最初の頃は大変じゃなかった??
紗希 私、ギターの弾き方はYouTubeで習ったんですよ。YouTubeを開いて、「ギター初心者レッスン」を見ては覚えて。それでもわからないときは、ライブ活動を通して出会ったいろんな先輩たちに教わったり。今でも、ギターの勉強は苦労しています。
──レッスンを受けにはいかなかったんですね。
紗希 まわりの人たちからも「レッスンに通ったほうがいい」と言われたんですけど、一人暮らしをしているように、そんな金銭的な余裕もないから出来ません。
──人の心を揺さぶる音楽を届けているからこそ、今、紗希ちゃんの歌を支持してゆく人たちが増えています。紗希ちゃんは自分の持ち味をどんな風に感じています??
紗希 私、割と熱い人間なんで、曲の前に話すMCや歌に対する想いはホントに強いです。最初に音楽を始めようと思ったきっかけが、いろんな国や地域の中には、学校にも行けない子や夢を持てない環境とか、音楽を楽しむことさえ禁止されている国があることを知ったことと、その子たちをボランティアライブという形で支援していけるということでした。私は音楽が好きだったから、音楽でボランティア活動が出来るのであれば音楽をしたいと思って、音楽の道へ進もうと決めました。
自分の想いを形にして伝えていけるって素敵なこと。言葉にすると恥ずかしいことでも、歌だったら言えるから。その術を知れたことも大きかったなと思います。
夢や目標のある人が近くにいると自分も負けずに頑張ろうと思えていく。そういう人たちの音楽もたくさん聞いて欲しいと思うから主催イベントをやれて良かったなと思います。
──ソロになってもう1年半くらい。1年半前と今の自分を比べてもだいぶ気持ちに変化が出ているんじゃない??
紗希 最初はホントがむしゃらに、ただ前だけを見ながら自分の想いを歌を通して伝えていたんですけど。今は仲間も増えてバックバンドとして支えてくれる人たちも生まれれば、主催ライブに声をかければ喜んで参加してくれる人たちも増えています。何より、一人だけで想いを伝えるんじゃなくて、いろんな人の音を借りて、私の曲をみんなに伝えていけるのがすごく嬉しいんです。
──まだまだ伝えたい想いはあります?
紗希 常に生まれてきます。一人暮らしの家に帰ってあれこれ考えたり、電車に乗っているときなど、いろんな場面で想うことはたくさん生まれてきます。
──バンド編成時の紗希ちゃんのライブを支えるメンバーたちって、紗希ちゃんが別にやっているバンドのメンバーたちでもあるんだよね。
紗希 そうなんです。今はこのメンバーでソロとsecondrateというバンドとして活動をしています。secondrateの楽曲は清家さんというキーボディストの方が書いているんですけど、私も歌ってて気持ちがグーッとくるようにすごくいい歌ばかりなんです。
secondratは清家さんの持つ世界観を形にしているバンド。メンバーのみなさん第一線で活躍されている方々ばかり。その中へ私がポンッと入った形だから、みんなへついていくのに必死なんですけど。その人たちといることで学べることは本当にたくさんあるから、一緒に演れててありがたいなと思えています。
──教えてくれるメンバーたちを、自分名義の活動ではフロントに立って引っ張っているわけですね。
紗希 そうなんです(笑)。
──10月15日には初主催ライブも行いました。
紗希 私、上京してきたときはホントに友達がいなかったんですよ。だから、音楽仲間を集めて主催ライブなんて出来るわけがないと思ってて。でもいろいろお友達も増えて、一緒に音楽をやろうよと言ってくれる人たちも増え、こうやって主催ライブを出来ているのがとても嬉しいことなんです。しかもみんな、想いの強い人たち。「自分はこうしたい」という想いを持っている人たちばかりだから、夢や目標のある人が近くにいると自分も負けずに頑張ろうと思えていく。そういう人たちの音楽もたくさん聞いて欲しいなと思うから、こうやって主催イベントをやれて良かったなと思っています。
ライブだけで終わるんじゃなくて、CD盤として家で聞けるのはすごく嬉しいなと思います。
──紗希ちゃん自身も我が強い人?
紗希 強いですね。私、めっちゃ頑固です。頑固でいなきゃいけないときもあるし、もうちょっと柔らかくいなきゃいけない部分もあるなって最近思うようになりましたけど、まだまだ何事に対しても我が強いです。
──主張がないと歌だって伝わっていかないからね。自分の中に確かな想いがあるからこそ、その想いを乗せた歌声が胸に響くんだろしさ。
紗希 そうだといいです。
──紗希ちゃんが身近に目標にしていることがあったら教えてください。
紗希 私の今の目標が、22歳までにメジャーデビューしたいなということてす。今21歳なので、期限は残り1年なんですよ。それまでに行けるように。それと、来年の5月28日にふたたびワンマンをやりたいんです。その日のワンマンでは、前のワンマン公演の倍の人数は入れたいなと思ってて、まずはそこに向けて頑張りたいです。
──期限を設けて活動をすることで自分のモチベーションも上げていける形だ。
紗希 ぼんやりライブをするよりも、「私はここに向かうんだ」と思ってライブをしたほうが、お客さんも一緒の気持ちになって応援してくれるように、その意識を持つことは大事だと思います。
──11月にはミニアルバムの発売も予定しているんでしょうか。
紗希 既存の曲ではなく全部新曲で埋めつくした作品として制作しています。中には恋愛曲から、今の私の夢に対する気持ちを歌にしたり、大人の人たちの世界にもみくちゃにされながらも夢を追ってる曲や友達を思った歌などいろいろ入ります。
──形として残していけるのは嬉しいこと。
紗希 一つの作品になると嬉しいですよね。ライブだけで終わるんじゃなくて、CD盤として家で聞けるのはすごく嬉しいなと思います。
自分のしたい表現ができるって気持ちいいなと思います。何より、それが人に伝わったときが一番気持ちいいなと思います。
──路上ライブもいろんなところでやっているんだね。
紗希 やっています。ツイキャスをやっていると全国各地の方々から「うちの地元に来てよ」と言われることが多くて。そういう人たちにライブで逢えたらなという気持ちもすごくあります。
──ファンの方々も、今やアーティスト井上紗希を支持する人たちが中心なんでしょ。
紗希 ほぼシンガー井上紗希を好きになってくれている人たちです。私の歌を好きでみんな来てくれているのですごいありがたいです。アイドル時代のファンの人たちは私を女性として見ていた面が大きかったから、「男性から見て"応援したくなる少女"というのはどういう姿なんだろう??」とよく考えていたんですけど。今は「今日はどういう気持ちをライブに持っていこう」とか音楽表現のことばかりを考えられているから、そこの違いは大きいですね。
──何よりも大切にしていきたいのがマインドだ。
紗希 そうですね。自分のしたい表現ができるって気持ちいいなと思います。何より、それが人に伝わったときが一番気持ちいいですからね。
──気持ちを揺さぶられると心が踊りますからね。それを知ったら、もう音楽は辞められないでしょ。
紗希 音楽はずっと続けていきたいです。私は、メジャーデビューしてからもズッと残るアーティストでいたいんです。今は長続きしない人たちが多いと言われるけど、そういうのを私が変えたいなとすごく思います。
──これからどんな歌を届けてくれるのか楽しみです。
紗希 私は人見知りだから、自分から声はかけられないんですけど。見かけたり、Twitterを通してでいいので声をかけて欲しいです。
──主催ライブも定期的にやっていく形ですか?
紗希 めっちゃ続けたいです。来年からは定期公演が出来るといいなと思っています。
TEXT:長澤智典
井上紗希 twitter
https://twitter.com/pengin0718
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咲人さんの絵は手つかずの新雪のよう 語学の勉強も真面目
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い 独創的かつ笑えるイラストです 好きです
JAKIGAN MEISTER / 『Bhava』
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の飲み代をまとめて払うと雑誌で語っておられた咲人さん
ナイトメアでキリストはユダと詠まれていました 二年前の
Withはラクリマクリスティを意識したと知りました 咲人
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咲人さんにはキリスト教に対する照れのような感じを受けま
す キリストとご自分にとても似た意識を持っているのかも
しれないと思いました
downは意味を調べました 夜明け、でした
いつか一緒に朝日を見ようという歌詞に救われました
ジャキガンマイスターは咲人さんのセンスの良さが光ってい
ますね
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しれないと思いました
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