2014-01-20

【Hachi/Hatch,】Hachi/Hatch,の“名刺”となる一枚

──Hachi/Hatch,(ハチブンノハチ)はドラムとギターヴォーカルという2人組のバンドですが、まずは結成のいきさつを教えてください。

ゆっき「僕はインディーズ活動時代にいろんなバンドでライヴをしていたんですが、あるバンドのサポートとして大阪でライヴをした時に、たまたま勝也のバンドと対バンになったんですが、その時に彼の魅力ある歌声に惹かれて“一緒に本気でバンドやれへん?”と声をかけたのが結成のきっかけです。」

──なるほど。Hachi/Hatch,をどのようなバンドにしようと思ったのですか?

ゆっき「勝也の歌声が乗れば必ずHachi/Hatch,の楽曲として仕上がるという点に安心感があったので、ジャンルには特にこだわらず、ふたりで自由に作っていこうと話しました。」

──“Hachi/Hatch,”(ハチブンノハチ)というバンド名の由来は?

ゆっき「蜂が花から花へと花粉を届けるように、僕たちの音楽も全国各地に届けていきたいという願いを込めて名付けました。」

──現在のおふたりに影響を与えた音楽は?

ゆっき「T-SQUAREの則竹裕之さんのドラミングを見てドラムを始めました。カシオペアなどのフュージョン系を聴きつつ、邦楽のいろんなバンドも聴くようになりました。気持ちの良い16ビートの歌モノが大好きで特によく聴いていました。」

中村「親の影響で、幼い頃からフォークをがっつり聴いて育ちました。岡林信康さん、イルカさん、チューリップ、かぐや姫…自分で詞を書き、曲を作るようになったのは、BUMP OF CHICKENがきっかけです。」

──結成から現在までの8カ月は、どのような活動を行なってきたのでしょうか?

ゆっき「サポートメンバーを迎え、5人での迫力ある演奏をライヴハウスで披露するだけでなく、ふたりだけでストリートライヴを行ない、Hachi/Hatch,を気に入ってくださるお客さんを着実に増やしていきました。自由度の高い音楽性には特に変化はありませんが、ストリートで直にお客さんの反応を見てどういった楽曲が好まれるのかを分析し、それを新曲作りに活かしています。」

中村「目の前のお客さんを楽しませるということをさらに意識して作るようになったのは、ストリートを始めたことが大きく影響していると思います。」

──その8カ月の活動期間で、今作のミニアルバム『嘘つきは大嫌い』をリリースされましたが、どのような作品を作ろうと思い制作に取り掛かったのでしょうか?

ゆっき「まずは、僕らHachi/Hatch,を知ってもらいたいという気持ちが非常に強く、名刺代わりとなるような音源を作りたいと思い制作しました。」

──本作には5曲が収録されていますが、他にも楽曲がある中での選曲でしょうか?

ゆっき「もちろん今回の5曲以外にもライヴで披露している楽曲はたくさんあります。今回は僕たちの名刺代わりになるようにということも意識し、タイトル曲を中心に音楽性や作詞曲者のバランスを重視して選曲していきました。」

──リード曲である「嘘つきは大嫌い」はフレーズが耳に残りやすく、思わず一緒に口ずさみたくなる楽曲とともに、ストーリーが展開していきますね。

ゆっき「まさにその通り、1度聴くと忘れないインパクトあるメロディーと歌詞を意識して作りました。ライヴでの客席との一体感も意識して作ったのですが、実際にお客さんにも楽しんでいただけて大変嬉しいです。」

──いろいろなシチュエーションの歌詞が多く、特に「ありがとうベイビー」は猫の目線で書かれているところが気になるのですが、その視点に立って書こうと思ったきっかけは?

中村「僕の大好きな漫画と、あるニュースがきっかけです。自分の身勝手な都合で子供を堕ろしてしまう若者が多いという内容だったと思います。そこから“生と死”について深く考えるようになり、その中で感じたことを歌詞にしました。今回は猫の目線で書きましたが、猫以外のものでも当てはまるようにと意識して書きました。猫、ハムスター、人間、なんでも当てはまると思います。」

──そんな歌詞を際立てるメロディーやアレンジのこだわりなどは?

ゆっき「メロディー作りは、まず僕自身が気持ち良く歌えるキーで一旦完成させて、その後に勝也の音域に合うようにキー全体を持ち上げるというスタイルです。アレンジはメンバーであるヴォーカルとドラムが際立つように、かつ、互いに潰し合うことのないよう織り成すように意識して制作しています。」

中村「メロディーと歌詞を同時に作るので、こんなことを書こうと決めてその内容が活きるメロディーを考えながら作っています。」

──他にも、ファンタジーを描いた「虹物語」の第1話となる「夢の泉」、不安と対峙した「音楽が終わる夜に」、ラブソング「ai」まで幅の広い作品になっていますね。

ゆっき「実際にCDを購入されたお客さんの声を聞く限り“この楽曲がいい”というようなものはなく、聴き手の好みや思いにより5曲それぞれがまんべんなく非常に良いバランスで好まれていて、そういった点では当初の願い通り、僕らを知っていただくための“名刺”となる一枚が完成したなと嬉しく思います。」

中村「ジャンルには捉われない僕たちの、名刺代わりになるものができたと思います。」

──本作の中でも印象深い曲は?

ゆっき「タイトル曲である「嘘つきは大嫌い」です。間奏部分にセリフを入れているのですが、そのセリフをふたりで、しかも深夜のテンションに任せてほぼ一発録りで収録したことと、“女性役をまさか勝也がやっているとは思わなかった!”と言われる点も強みだと思っています。一度聴けば誰でも歌えてしまうキャッチーなサビも特長です。 」

中村「「音楽が終わる夜に」。自分の進むべき道を決定付けた曲だからです。 」

──制作、レコーディングを終えて何か得たものはありましたか?

ゆっき「この5曲は全て、デモ制作の時点からセルフアレンジで作曲を行ない、ライヴでも何度も披露していたのですが、CDを制作するにあたり古井弘人さんと岡本仁志さんがアレンジを手掛けてくださったことにより楽曲のクオリティーがさらに上がったように思います。改善されたアレンジ部分については僕自身かなり勉強になっており、今後の新曲制作に活かしてさらにいいものを作っていけるのではないかと思っています。」

中村「これまでライヴハウスやストリートで歌ってきましたが、スタジオのブースで歌うということは初めてだったので、まずレコーディングの環境に慣れるところからかなり苦戦しました。ブース内に前回のワンマンライヴでファンの方と撮った集合写真を張り巡らせたりといろいろ工夫したり…。今は自然と目の前にみんなの顔を思い浮かべながら、みんなに届くように歌うことができるようになりました。」

──そんな本作は12月11日にリリースとなりましたが、実際に手に取った方々からの反応はいかがでしたか?

ゆっき「以前から“歌詞を教えてほしい!”という声がよくあったので、“歌詞カードが手に入って嬉しい!”“歌詞を読んでさらに曲が好きになりました!”などの感想をいただいています。」

──そして、12月23日にはワンマンライヴを心斎橋BASSOにて行ないましたが、手応えはいかがでしたか?

ゆっき「8月、12月と2度のワンマンライヴを行ない、着実にお客さんの人数も増えていっていると感じました。お客さん自身も周りの友達などにハチハチを勧めてくださり、実際はじめましてのお客さんもたくさん来てくださっていました。CDに収録されている5曲についてはお客さんも一緒に口ずさんでくれたり、欲しいところで大声で歌ってくれたりと大変嬉しかったです。ワンマンでは十数曲演奏したのですが、この5曲でステージと客席の一体感が生まれたことにより、他の曲でもみなさんがいつに増して楽しんでくださっていたので、今回のリリースをきっかけにHachi/Hatch,とお客さんとの距離もぐっと縮まったのではないかと思っています。」

中村「前回よりも多くのお客さんが来てくれましたし、「音楽が終わる夜に」や「ありがとうベイビー」の歌を聴いて泣いてくれる人がいたり、確実に僕たちの音楽が届いているんだなと実感することができました。」

──それを踏まえて、今後はどのような活動をしていきたいですか?

ゆっき「お客さんの期待を上回る最高のライヴを全力で行ない、それによりお客さんが楽しんでくれて、さらに自信を持ってハチハチを周りに勧めてくれて、さらにまた僕らがその気持ちに応えていく…という素敵なサイクルをしっかり作り、いずれはもっともっと大きな舞台へみなさんと一緒に進んでいけたらと願っています。」

中村「もっともっとたくさんの人たちと出会いたいです。」

──では、リスナーの方々に最後にひと言お願いします。

ゆっき「今回リリースしたCDを聴いて、何か少しでも心に響くものがあればぜひ応援にライヴへ来ていただければ嬉しいです。ふたりだけのストリートライヴも、5人でのバンドライヴも、どちらも魅力あるライヴをお届けしています。遠方にお住まいでなかなかライヴにこれない方は、いつかのハチハチ全国ツアーに備えてたくさんCDを聴いたり、「嘘つきは大嫌い」のMVを観て、しっかり予習しておいてください!(笑) これからも僕らハチハチの応援をどうぞよろしくお願いします!」

中村「これからもHachi/Hatch,の応援をよろしくお願いします。」

取材:高良美咲

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