2012-09-20
【SuG】PVを2本撮ることが前提だった
ファンクとヘヴィロックとダブステップが融合した「sweeToxic」を表題曲に掲げるニューシングル。本作はサウンドだけではなく、歌詞、デザイン、PV…しかもカップリング曲のPVのことまで考慮して制作された一枚とのことだ。
──ニューシングル「sweeToxic」がリリースされるわけですが、やはり次のアルバムへ向けての第一歩となるのですか?
武瑠 次のアルバムでやりたいことは見えていたりするので、シングルは毎回そうなんですけど、そのどこかのパーツになるっていう感じですね。選曲会で聴いた時にサビとイントロにすごくインパクトがあったんで、アレンジでどんどん要素を足していった…“甘い(sweet)”と“中毒(toxic)”が合わさったような世界観にしたいと思ったので、感覚的なんですけど、重いギターを足してもらったりしました。デザインの面でもハートだったり、熊が縛られている…普通は“かわいい”で成立するものに対して亀甲縛りをしちゃう、そういうバランスを曲でも、歌詞でも、デザインにも、全体的に落とし込んでいきましたね。
──ということは、そのイメージが次のアルバムで作りたい世界にリンクしているのですか?
武瑠 次は時代観的に近未来のものをやりたいと思っているので、アレンジにダブステップが入っているのはリンクしていると思いますね。近代的な音楽を使うっていうところで。
──原曲を作ったyujiくんは、どんなものを作ろうと?
yuji 今までのシングルがアップテンポで明るめの曲が多かったので、今までにないテンポ感で作ってみたいなって。前アルバムの『Lollipop Kingdom』からギターが跳ねるファンキーな曲を作り出していたので、その流れもあると思いますね。
──ファンクの持つ艶かしさだったり、ヘヴィロックばりの攻撃性を持った楽曲に仕上がっているわけですが、バンドアレンジする際に意識したことは?
yuji 原曲には激しい部分はなくて、ギターもクリーンなものだけだったんで、ファンクの要素が強かったんですね。作った人間からすると、その原曲のイメージが強くて、そこにツーバスとか歪んだギターを入れるのが難しかったんで、そういうところをアレンジャーさんにお願いしたという感じですね。
Chiyu 個人的にはアレンジャーさんから上がってきたものに、自分の要素を…小技をちょこちょこ入れていって、自分のベースの色を加えていった感じですね。
shinpei ファンクの部分とロックな部分をうまく融合させるにことに苦労したというか、“こういうリズムを入れると合うかな?”ってスタジオでいろいろ試してましたね。
masato ギターに関してはyujiが作ってきたものをそのまま弾くっていうくらいの感じでした。歪んだカッティングのギターとクリーンなギターのバランスだったり、お互いがおいしいようにってのは考えてですけど。
──そんなアレンジに対して、どんな歌を乗せようと?
武瑠 原曲の段階からこういうアレンジにはしたいと思っていたんで、イントロとか間奏がマニアックになりすぎちゃうというか、Aメロとかはリズム先行で“歌を聴かせる”っていう方向じゃなくなりそうだったから、逆にBメロとサビは90年代のような分かりやすいものにしたっていうのはあります。分かりやすい言葉を使ったほうがバランスが良くなると思って。あと、いつもよりかは大人っぽい歌い方のほうがいいのかなっていうのはありましたね。
──一方、カップリングの「fat inside horror」はバンドサウンドで攻めて立てるナンバーなのですが、masatoくんはどんな曲を作ろうとしたのですか?
masato ライヴで盛上がる…攻撃的な要素のものを作ろうと思って作ったんですけど、選曲会に出してアレンジするっていう段階で構成とかをさらに詰めて、今のかたちになりました。中間にバンドの楽器の音だけでダブステップを入れたりもして。
──では、この曲をカップリングに選んだ理由というのは?
武瑠 「sweeToxic」がダンスチューンなんで、もう1曲はバンドっぽさを出すPVを撮りたいと思ったんです。自分の中ではPVを2本撮ることが前提でしたね。そのほうが「sweeToxic」のPVをイメージ通りに撮れると思った…演奏シーンは「fat inside horror」で撮るからいいでしょって。だから、「sweeToxic」のPVは初めて演奏シーンがないんですよ。もちろん、曲としてもお互いを活かし合う…PVがそうだから、楽曲自体も両方の良さが出せると思ったから、まさにカップリングに相応しい曲だと思います。
──あと、通常盤にはインディーズ時代のリメイクで「LOVE SCREAM PARTY」が収録されていますが、なぜこの曲を?
武瑠 ライヴで今もやっている曲だし…これ、自分が人生で初めて作った曲なんですよ。パソコンも使いこなせない時に入れた打ち込みだったんで、相当ヤバいことになってるから、やり直したいランキングで一位だったんです(笑)。あと、「LOVE SCREAM PARTY」が先に決まってたんですけど、「sweeToxic」との相性もいいなって。「sweeToxic」みたいに“LOVE”と“SCREAM”って真逆にあるようなものを融合させた切ない恋愛の曲で、当時はダブステップがなかったから、ブレイクビーツっぽいものを入れてたりしていて、理念みたいなものが似ているなって。
──このシングルをリリースした後にはツアーが控えていますが、どんなものになりそうですか?
武瑠 「sweeToxic」の世界に縛られることはないんで、ベストツアーになるというか。『Lollipop Kingdom』のツアーではアルバムの曲順通りにやるっていう挑戦ができたし、その成長を夏のイベントとかで感じたから…そういう意味では、「fat inside horror」を出したことは大きいかもしれないですね。衝動的で、エモいものにしたいと思ってるんで。
shinpei 『Lollipop Kingdom』の時はアルバムの世界観を出すことに気を使って、縛られていたところがあったんで…
Chiyu 解放感のあるライヴになるでしょうね。セットリストも毎回変えたりして…それは大変だから、そこまではしないかもしれないけど(笑)。
shinpei でも、SuGって楽曲がたくさんあるけど、それに対してライヴの本数が少なかったりするから、できることならいろんな曲をやりたいとは思いますね。
masato うん。シングルのツアーでこんなに本数を回ったことがないんで、いろんなパターンも試せるんじゃないかなって思ってます。
yuji 個人的には、その時のテンションでいいものを出したいと思ってますけど、初めて行くところもあるんで食べ物が楽しみです(笑)。
取材:土内 昇
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