amber gris/bright or blind

グリニッジの針の上で

amber gris


word: 手鞠 music: wayne

『bright or blind』収録

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  • 「明日はどんな日になるのかしら?」
    不意に君が問いかけた。
    「君が願い、求めるものが君の明日になるだけさ。」

    「なぜ?」
    と、問う僕の手を離れ
    少しだけ笑ってみせて、

    「言えないわ。」

    遠回りで帰る道すがら、
    僕の問いを誤魔化した。
    高架下に鳴り響く
    リズムと警笛の狭間。

    夏草揺らす強い風が
    遠くの雨予感させた。

    長い斜陽に消えた僕等。

    その笑顔も、泣き顔でさえ、
    『今日』の『日々』を彩っていた。
    ありふれていた、ひとつひとつ
    当たり前の様に傍にあった事実

    ―― 嘘の様に。

    夕立よりも少し早く、頬に湿度もたらした。
    君は嘘が下手になった。

    またいくつの日々の中で
    その「経過」を思い返す?
    ありふれていた、ひとつひとつ
    止めどなくいつも傍にあった事実。

    それはきっと、強さだった
    君の問いを思い出した。

    月と太陽の巡る下で、

    グリニッジの針の上で。


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