曇りガラス越し 傘の咲いた街角
駅前はいつかと同じ人の波
不覚にもそう、下手な嘘を見破り
目を背けられぬ私に 告げたサヨナラ
雨降り、最初の帰り道には
狭い傘に二人
冷たく濡れた右肩が
今となれば愛しくて
また貴方を少し待ってみる
街灯は容赦無く一人の影照らして
想い出の貴方と寄り添う事も許さない
ねえ、まだ合鍵は返さないで
もう少し夢を見させて
例え結末を知っていたとしても
貴方を選んだでしょう
不器用さに傷付く事も
二度と無いのでしょう
雨降り、今夜の帰り道には
広い傘に一人
濡れず帰る両肩に
愛しい香りはなくて
ただ、雨の匂いだけ残った
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