冷たく塞がれた窓の無い部屋では
“彼女”が微笑っていた 何かを呟きながら
感情のないその瞳に乱反射を繰り返して
ゆらゆら照らし出された数え切れない痕

現実を叩きつけられて 逃げる事も出来ずに
頭の中で響く声に 誰か私に救いの手を
温もりのないその躯に乱反射を繰り返して
指折り数を数えた 何処にも救いはない

一つ、二つ剥がれ落ちて行く‘私の欠片’を拾い集める
一度この手で壊したものはもう二度と戻らぬ事と知りながら
あまりに高く鈍色の壁に
背中合わせに寄り添い微睡む
重ねた罪の深さ、過ぎし日々に
脇目も振らず己の愚かさに
咽び泣く、

一つ、二つ割れては消える私の感情を拾い集める
一度この手で失くしたものはもう二度と還らぬ事と理解っても
一つ、一つ吹き消して行く
最期の灯の想いの深さよ
重ねた罪と数え切れぬ日々に
‘彼女’はただ褐色の天井を見上げて咽び泣く

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