遥かな涯へ

蒼古（そうこ）なる岩窟の奥深くに御座（おわ）す主
黄金の海の底を泳ぎ古代の夢を見る

トラキアの遺宝の眠りを妨げる者
怜悧（れいり）な守護竜を欺き剣で貫いた

一度でも人に心を許した獣は野生が失われる
茫漠（ぼうばく）な空に響いた竜の叫び声を聞く
この世界でまた一つ灯が消える
友の最期の言葉を聞かなければならない
決して一人では逝かせまい　光芒（こうぼう）を放つ

まもなく役目を終えようとしているおまえの望みを叶えてやろう

神が住む空に近づく　穢れのない魂よ
ずっと久遠の耀きに満ちてくれ
風の中を駆け抜けて我らは今一つになる　掴んだぬくもりを忘れない

茫漠な空に響いた竜の叫び声を聞け
この世界でまた一つ灯が消えた
友の最期の言葉を届けなければならない
善き竜の生きた証を　遥かな涯（はて）へ