天聲

音が響き渡る。苦しみも皆、昇っていく。

君へ届く。
天の聲を―――。

産まれ落ちた生を愛する為に命を讃える
深い悲しみと絶望、死へ耽る想いは其の生を見つめる為に
苦しみだけで終わらないように、悲しみだけに染まらないように
永劫の惨禍の螺旋を断つような、天聲を奏でよう―――。

歌い叫ぶ言葉の意味も
響かぬ程に冷めた君は何処に居る?

沈み逝く闇に濡れた手を
掲げる為の空に日を求むのだろう?

無頼ガ沈メタ大罪、還ル先ヲ擁イタ。
祭壇サエ疼ト知ル、アノ地ヘト往キタイ。

愛を憂う、謳う天の―――。
哀に暮れた、謳う聲が―――。

痛みを殺して赫い血に招かれて
翼が捥がれ飛べなくなっても　其の足で
大地を駆け往け　あの地平線の果てへ

永劫の螺旋断つような　天聲を奏でる

苦しみの中、たとえ其の目線の先が闇に覆われていたとしても
其処に差す光を決して逃さぬよう、進むべき果てを睨み続けろ―――。

逢に暮れた、謳う聲が―――。
痛みを殺して赫い血に招かれて
翼が捥がれ飛べなくなっても　其の足で
大地を蹴り駆け往け　あの地平線の果てへ

永劫の螺旋を断つような
遍く人の目に
焦がれた涙　燃え尽きるまで
天聲を奏でる―――。

永劫の螺旋を断つ

嗚呼、天の聲よ―――。