2014-02-20
【NoGoD】NoGoDの原点を知ってほしかった
ここ最近の作品はHR/HMサウンドにより傾倒してい NoGoD。“四季”をテーマに過去曲のセルフカバーと新曲、さらにそのアコースティックバージョンも収録した今作『四季彩』では、彼らのもうひとつの色であり、原点が提示されている。
──今作は“四季”をテーマにした、セルフカバーによるコンセプト・ミニアルバムなのですが、なぜこういうかたちのものを出そうと?
Kyrie 実は、新曲の「千夜を越えて花束を」以外が出そろった時点からそんな算段自体はあったんですよ。もともと“四季”をかたどったシリーズとして制作をされていた楽曲ではないんですが、作っていく上でそういうふうにできていったので、だったらそういう作品として出したいと。それと併せて「櫻」という曲が、僕たちが初めて出したシングルだったんで、レコード会社からも再録の話をいただいたりもしてたんですね。ただ、再録するんだったらこういうかたちで作品として出したいっていう、ちょっとしたエゴがあって。で、今回それができることになったという。
──それをなぜ、このタイミングで出そうと思ったのですか?
Kyrie もともとこのタイミングにアルバムを出そうと考えていたんですが、昨年“神髄”というテーマで2枚のシングル(「神髄 -FRONTIER-」「神髄 -THE POWER-」)を作成して、それを消化してアルバムを出すっていうのは自分の中では駆け足すぎるというか、“もうちょっとちゃんと消化したい”って思ったんで、このタイミングにこういう企画盤をリリースさせてもらったって感じですね。で 、「櫻」を再レコーディングする…この「櫻」という曲がですね、最初に録音したのが2006年で、まだ相方のShinnoくんがいなかったんですよ。Shinnoくんが入ってからのNoGoDで「櫻」がうまく消化できなくて…“何かもうちょっとできるだろう”とか、違うアプローチの仕方をするべきじゃないかっていうジレンマがあったんですよね。で、そのまま何年という月日がすぎてしまったんで、いい加減できることなら消化したいっていう。
──そうだったんですね。このタイミングで今回のような企画的な作品が出たのは、2013年はライヴ感の強いアルバム『V』があって、HR/HMに振り切った“神髄”という2枚のコンセプチュアルなシングルがあって、それらを引っ提げたツアーも回って、すごくバンドとして勢い付いてるところがあるし、そこで足場が固められたから、少しテイストの違うものを出してきたのかなと思っていました。
団長 確かに、“神髄”の2枚を出してなかったらやってなかったと思いますね。前回の“神髄”っていうのは、人によってはもしかしたら過去を否定したシングルだったのかもしれないんですよ。この『四季彩』に入っている「千夜を越えて花束を」以外の3曲はすごく古い曲なんですけど、NoGoDってもともとこういうバ ンドだったんです。HR/HMが好きで音楽を始めたけど、それをいかにポップスにするかっていうのが根底にあるバンドだったのが、ここ数年っていうのは、いかに海外の良質なサウンドに日本語の歌を乗せるかっていうことを追求してたんですね。そういう意味では、今回に関しては純日本製なんです。サウンドにしてもメロディーにしても歌にしても。それを出すのは、多分今だなと。NoGoDの原点がこれだっていうのを知らない人も多いと思うので、知ってほしかったっていうのもあるし。だったらアルバムよりは、ここしかこういうものが出せるチャンスはないでしょっていう。来年は結成10周年なんですけど、10周年の時にやるのも違う…10周年は次の動きをしたいし。逆に9年目の今、10周年に向かっての1個の布石として10年前の曲をやるっていうのも面白いなって思ったんですよね。
──確かに、ここ最近のNoGoDのサウンドとは違うし、歌詞は特にJ-POPっぽいというか…それこそ団長のソロの曲をメタルでやっているような印象を受けました。
団長 それ、正しいと思います。結局、4曲とも全部原曲は俺なので。でも、もう書けないです、こういう曲は。特に「櫻」「彩白」に関してはもうできないですね。17歳とか18歳とかの時の曲なんで。
──今作にはセルフカバーが3曲あるのですが、どういったかたちで再現しようというビジョンがあったのでしょうか?
Kyrie 「櫻」に関しては、今の5人でちゃんと消化し直そうと思って、イチからリアレンジをしましたね。作曲したのは団長なんで、17歳の頃の団長が思い描いたイメージはこうなんじゃないかなとこういうところを基本にしながら、今の5人でのNoGoDでどう表現するかってところをまず一番に考えて。他の2曲に関してはShinnoくんが加入してからの、今の5人での音源が存在しているので、それを新たに作り変えることはすべきじゃないなと思ったんですね。ベスト・アルバムではないので、あくまでひとつの作品として出すために、2014年現在の今のNoGoDとして演奏することは必要だったとは思うんですけど。なので、変える必然性のあるところを除いては変えないようにしました。やっぱりライヴとかで演奏してきた中で、こうしたほうがいいんじゃないかって…例えば、僕とShinnoくんのギターの弾き分けだったりとか、曲のちょっとした構成だったりとか、今自分たちがやる上で“ここは変えたほうがきっといい”って思うものは変えたりしてます。あくまで2014年の作品にしようというところで試みてはいますね。
──団長は歌い直したわけですが、どうでした?
団長 毎回新しい曲を作ってレコーディングする時って、どうしても歌い込んでないんですよね。それに比べると、やっぱり長年歌ってきた曲ばかりなので一番曲に合う歌い方になってると思います。改めて歌詞を読んだりすると恥ずかしいなと思いますけど(笑)。それも含めて今だったらあの時よりちゃんとこの歌詞を解釈ができるなっていう。
──なるほど。新曲が1曲あるわけですけど、これは夏用の曲を作ろうと思って作ったものになるのですか?
団長 はい。今回の企画盤のコンセプト自体は何年も前からあって…春と冬の曲はNoGoDをやる前からあったし、秋の曲はインディーズの時に作った時にあったから、“あとは夏さえ作れば四季でまとまるなー。う?ん、面倒臭いなー”と思いながら月日が経っていったんですけど、たまたま“あ、これは夏の曲にするしかない”という曲ができてしまったので。作ったのは2年くらい前なんですけど。
──団長のソロライヴでお披露目してましたよね。
団長 一昨年くらいにやりましたね、1回。その時は弾き語りだったんでバンドアレンジになったという意味では変わってるんですけど、曲自体は基本一緒ですね。
──では、バンドアレンジしていく時も夏だったり、他の3曲とのバランスも考えながら?
Kyrie いや、考えなかったんですよね。考えようと試みたんですよ。他に3曲があって、一枚の作品として聴くのにこういう曲であるべきだろうというイメージもあって、それ用にアレンジを施したりもしたんですけど、そこよりも大事なものがあったというか。僕は最初に団長の弾き語りのデモを聴いて、自分の中で“団長は多分こういうビジョンだろうな”って理解して、そこからアレンジを進めていくわけですけど、そこで1個の正解があるわけじゃないですか。その正解というのは、4曲入りのミニアルバムを出す上では正解ではない…“こうしたほうが4曲としてのバランスは良くなる”というものではなかったんですよ。つまり、ひとつの楽曲として正解に向かっていくべきか、4曲を通しての作品のバランスとして正解に向かっていくべきかって考えた時に、楽曲のイメージをできるだけ崩さないまま作っていこうって。きっちりパズルにはめていかないといけないというコンセプトではなくて、あくまでモチーフとなるテーマだったり、共通する世界観を持っているけど、曲としてはそれぞれ独立しているというか、そうであっていいものかなと。逆にそうでないとどんどん歌が弱くなっていって、歌に込めたものが小手先になってしまうと思ったんです。なんて言うか…そうしなきゃいけないっていう方向になってしまうのが嫌で。アコースティックからバンドスタイルに歌い変える時点で歌は変わってるわけですけど、その時に歌う人間が違和感なく歌えるというところが結構大事だったりしたかなと。
──今作の4曲はメロディーと歌詞から、その情景が見えるところが印象的だったわけですが、それがより引き立っているのが『四季彩 [sounds]』のディスク2のアコースティックバージョンで。これは新しい解釈でアレンジを作り変えていった感じですか?
Kyrie 両方に共通して入っているオリジナルアレンジがNoGoDとしての正解だとするならば、単純に曲としてまったく違うアプローチをした上でどう聴かせられるかっていうチャレンジがアコースティックバージョンになるのかなと。
──そういう意味では、“NoGoDはこういうこともできるんだ”って思ったというか…それこそ「櫻」は小野リサさんが歌ってもおかしくないなって(笑)。
Kyrie そうしたほうが良かったんじゃないか(笑)。
団長 それを言ったら俺も、気持ちはorange pekoeだった(笑)。
Kyrie 言ってしまえば、それってNoGoDとしての正解ではないと思うんですね。そういう本質ではないというか。ただ、楽曲としては正解ではあるんじゃないかなと思う部分があって。そういうことにチャレンジしてみた…“もし、NoGoDがエレキギターを持たないバンドだったらこうなってたかもしれない”という。だから、“アコースティックバージョン”という言い方が、実は自分の中ではしっくりきていないんですよ。
団長 アナザーバージョンだな。
Kyrie そうだね。オリジナルの4曲は団長っていう人間が、NoGoDないし、その前のDagger Remainというバンドを経て、“こういうふうな感じにしたい”っていうイメージを今のNoGoDのアレンジにしたもので、それに対して別の側面から捉えてアプローチしたものが『四季彩 [sounds]』のディスク2なのかなと。もっと言ってしまえば、それこそアコースティックじゃなくて良かった。テクノでも良かったわけだよね?(笑)
団長 ただ、それは俺ができない(笑)。
Kyrie まぁ、テクノはできないですけど(笑)、編成にこだわる必 要はなくて、曲を別の側面からNoGoDというバンドが捉えたらこういうふうなかたちになる…というものになったかなと思います。あと、今現在のNoGoDのライヴ…別にライヴバージョンが4曲収録されているので、ライヴにも触れてもらえたらなっていうおまけをいろいろ付けて企画盤としてリリースしたのが今回の作品かなと。
──そんな本作を出した後には対バンツアーが控えているわけですが。
団長 これはある意味、今年の俺の個人的な挑戦のひとつですね。ビジュアル系という言葉にすごく閉鎖感というか、ちょっと差別用語的なニュアンスを俺は勝手に持っていて…そんなことはないとは思うんですけどね。だから、どんどん内々になってきているジャンルの裾野を広げる活動をしていきたいっていう想いが個人的にあるんですよ。どビジュアル系と呼ばれる人たちからロック系のバンドまで、全部ひっくるめて音楽として対等に闘っていきたい。どっちのお客さんにも“こんないいバンドがいるんだ!”って知ってもらいたい。
──そこは団長が常々言ってところですよね。
団長 もう堪忍袋の尾が切れました。“分かりました、俺がやります”というスタンスですね。ビジュアル系…“ビジュアル系”って言い方はあまりしたくないですけど、化粧してるジャンルの人たちがやらないことをどんどん率先してやっていきたいなっていう。だから、普通にワンマンツアーをするくらいだったら、いわゆるロック系がやるようなゲストを招いてのレコ発ツアーをやったほうが面白いなと思って。
──そんな対バンツアーの後には主要都市を回るワンマンツアーがあって、そのファイナルは5月28日のSHIBUYA-AXという。
団長 やったことないんですよ、SHIBUYA-AX。イベントですら出たことない。
Kyrie SHIBUYA-AXはMASKを観に行ったことがあったよね。あと、メトロノームと…
団長 俺は去年SiMを観に行きましたね。SiMとONE OK ROCKを。
Kyrie まぁ、言ってしまえば、僕たちが高校生ぐらいの時からある箱だし、いろんな方々がやってきた同じステージに立てるというのは嬉しいですね。最後の機会になりますからね。
──5月31日で営業終了ですからね。
団長 ぜひともね、いわゆる“ビジュアル系”と呼ばれるものでもなく、ヘヴイメタルやハードロックだけには収まらないNoGoDというバンドの…それこそ去年“神髄”という2枚のシングルを出してどう変わったんだってところを観ていただきたいですね。“去年のツアーファイナルの赤坂BLITZがお前たちの神髄なのか?”と言われたら、“いや、そんなもんじゃないっすよ”って…
Kyrie すごい早い否定だね(笑)。
団長 あれはあの時の“神髄”だからね。年も明けたし、5月のことですから。もう10周年に向けてのカウントダウンが始まっているので、“まぁ、見とけよ”と。“今、目を離したらお前ら後悔するぞ”と。…というのを、なるべくまろやかに言えたらなと思ってます(笑)。
取材:土内 昇
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