2013-03-20

【Cyntia】 “噂のツンデレメタル”バンドがメジャー進出!

 著名な音楽専門誌で2012年の最優秀新人に選ばれるなど、実力派としてデビューした女性5人組が、2ndアルバム『Lady Made』でメジャー移籍。ハード&キャッチーなロックサウンドがシーンを席巻中だ。

──今回のアルバム発表に際して、“噂のツンデレメタル”というキャッチコピーが付いたことに驚きましたよ。

KANOKO「私たちもびっくりしました(笑)。でも、メンバーの性格のこととかではなくて(笑)、ライヴの時はオラオラになったりするんだけど、普段は普通の女の子たちっていうCyntiaの二面性を表したものですね。」

AYANO「この出で立ちで“ツンデレ”と言われたイメージから想像して音楽を聴いてみたら、“そうじゃなかった!”みたいなところに一番表れているのかなと思うんですよね。」

──AZUさんはサポート参加を経て、昨秋から正式加入しましたが、Cyntiaはどんなバンドに見えるんでしょう?

AZU「音楽に対しては、みんな生真面目ですね。ライヴで魅せることにも意識が高くて、すごく作り込んだり。曲順の流れもそうだし、ひとつのストーリーを作るにはどうすればいいのか、お客さんはどうやったらもっと楽しくなるのかな、とか。例えば、サイリウムを振ったりするのもそうだけど、私的に“こんなこともするの!?”ってこともいっぱい出てくるんですね。今まで型にハマったものしかやってこなかったからそう感じたんですけど、それは未知なものだなと思って。Cyntiaに入ってからは、すごくワクワクしてますね。」

YUI「最初のライヴの頃と比べてみると、やっぱりバンドとしても変わってきていると思うんですね。以前は“こうじゃなきゃいけないんじゃないか”みたいなところもあったと思うんですよ。“大型新人!”みたいな言われ方でデビューもしたから、なおさらそうだったと思うんですけど、とにかくお客さんに楽しんでほしいなって気持ちがすごく出てきて。新しいガールズバンドのかたちになるような気がしてます。」

AYANO「AZUちゃんが入ったことで、音楽性もバンと広がった気がするんですよ。バンドの可能性も、よりはっきり見えるようになってきたので、特に最近はみんな眼の色が違うじゃないけど、すごく熱が伝わってくるんですね。」

KANOKO「1年間活動してきて、長い時間みんなと一緒に過ごしたことで、見えてきたものがすごくあるんですよ。性格的なところも分かってきたし(笑)、それも今回のアルバムに活かされているんじゃないかな。まだまだ面白いことができるんじゃないかなと思いますね。」

SAKI「私はCyntiaが初めてのバンドだったので、いろんなバンドのライヴDVDをいっぱい観て研究したり、ヴォーカリストとしてどうあるべきなのかもいろいろ想像もしたんですけど、途中でそれは型にハマっていることだと気付き始めたんですね。何を変えなきゃいけないって、私がまず変わらなきゃダメなんだなって。でも、初めて観るお客さんも一緒になって盛り上がってくれる姿を観た時に、今、自分がやっていることは間違ってないのかなと、ちょっとずつ自信も付いていって。」

──今回のアルバム『Lady Made』は、音そのものからもバンドの明らかな進化が感じられますよね。

KANOKO「前回同様にバラエティーに富んでいるし、今までなかったほのぼの系の「メロリィ」とかでも幅が広がったし。サウンド的には骨太な曲が多いかなって。すごくどっしりしているんで。レコーディング中も深夜に差し掛かる頃、難しいフレーズが出てきて…大変だったんだよね(笑)。」

AZU「やっているうちに、だんだん凝り始めるんですよ。レコーディングでも試行錯誤しながら進めていってね。」

AYANO「私もみんなが演奏している姿を思い浮かべながら作った曲ばかりなんですけど、5人の個性がより色濃く表れましたね。仕上がってみて、我が子を見守る母じゃないけど、“こんな特技があったのね!”みたいな感動もあって。」

KANOKO「1枚しかアルバムを出していなかったので、“もっとこういう曲が欲しいよね”という話をしながらライヴをやってたところはあったんですよ。そんな過程が積み重なって、今回の作品になった感じもありますね。」

YUI「ハードなものもあれば、バラードもあってね。個人的には、「IV」や「Jewel Stars」は深夜に“もう無理なんじゃないかな”と思いながら録ってたんですよ。だから、出来上がったものを聴いた時に“自分が弾いたものじゃないみたい…”って言ったんですけど、そしたらディレクションしてくださった清水昭男さんが“君が弾いたんだよ”って。その言葉にはちょっと泣きそうになっちゃいました。」

──ストーリー性のある歌詞もCyntiaの特性ですよね。

SAKI「そこを意識して書くというよりは、まずデモを聴いて、その曲の中で主人公の視点を決めるんですね。“私”だったり、“僕”だったり、そして対象が“あなた”だったり、“君”だったり。その人の見ている世界を曲の中で想像していくんです。結果的にストーリー性が生まれるから、ドラマチックな歌い方も心掛けていましたし。でも、歌入れの時、ある程度のプランを立てていたんですけど、楽器録りが終わったものを聴いたら、デモの時からすごく進化していたんですよ。そこでメンバーのすごさを改めて感じながら、もっともっと頑張って歌わなきゃと思ったりして。」

──歌そのものも相当な訓練を積んだ印象ですよね。

SAKI「恐縮です。2ndアルバムなので、変わった面を見せなきゃいけないって、いい意味でのプレッシャーも感じながらでしたけど、Cyntiaとしてライヴを何回も経験させていただく中で学んだことや、そこで初めて分かった自分の強みなどを全部出さなきゃと思ってたんですね。若干、振り幅を付けすぎたので、反応が心配ですけど(笑)。」

AYANO「「Wish」の歌い出しはヤバかったですね。レコーディングに立ち会ってたんですけど、ゾクッときました。」

KANOKO「女はいろんな顔を持っていますからね(笑)。」

SAKI「そう、だから“Lady Made”なんです(笑)。」

取材:土屋京輔

(OKMusic)


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