2014-04-16
黒夢、東京を震撼させた「地獄ノ三夜」!
生前から脱皮、そして奈落へ……。開幕を迎えた『地獄ノ三夜』で東京を震撼させた“禁断の黒夢"。
4月12日、「地獄ノ三夜」と銘打たれた黒夢のシリーズ公演がZepp Tokyoで幕を開けた。正確に言うと、この三夜公演のタイトルには「DEBUT 20TH ANNIVERSARY~THE SECOND COMING OF 1994」という言葉が伴っている。デビュー20周年を記念して、歴史の総括をするのではなく、20年前の自分たちを呼び起こしてしまう。そんな大胆な発想に基づいたこのライヴでは、長年のファンでもほとんどライヴで聴いたことがないようなインディーズ時代の楽曲がふんだんに披露されることが清春と人時の口からもあらかじめ明かされていた。しかも黒夢のオフィシャルサイトを覗いてみると、当時の楽曲たちのタイトルが「生前」「脱皮」「奈落」と銘打たれた各公演の“キャスト"として羅列された画面が飛び出してくる。それでもファンの多くは半信半疑というか、何を期待していいものかわからぬまま会場に足を運んだのではないかという気がするが、実際そこで繰り広げられたのは、これまで誰も味わったことがなかったはずの、まさに“禁断の黒夢"だった。
現時点においては東京での二夜が終了しており、すでにSNSなどを通じて両公演の模様や具体的な演奏内容などに関する情報も飛び交っているはずだが、公式なニュースとしての本稿のなかでは、これからこの三夜公演に接することになる人たちのためにも敢えてそれについては明記せずにおきたい。ただ、清春が事前予告していた通り、第一夜では1992年に発表された「中絶」と「生きていた中絶児」、第二夜では1993年発表の「亡骸を…」を軸とするプログラムが組まれ、さらには黒夢の前身バンド時代に生まれた楽曲や、当時のライヴで演奏されていたカヴァー曲までもを再現。この4月19日に同じくZepp Tokyoで開催される「奈落」と銘打たれた第三夜公演では、1994年にリリースされた「迷える百合達」の楽曲群を中心軸に据えたステージが披露されることになる。蛇足ながら補足しておくと、第一夜と第二夜を通じてセットリスト上で重複していたのはわずか2曲のみだった。
清春は先頃のインタビューで「その場で種明かしをして驚かせることが目的じゃないからこそ、こうして予告できてしまうわけです」と語っていたが、実際、そうした時代の楽曲たちが日替わりで年代別に演奏されることがわかっていても、「まさかと思っていたあの曲が登場した!」というのとは明らかに違った次元の驚きがそこにはあった。原点回帰でも、過去の完全再現でもなく、いわば「今現在の黒夢だからこそ描き上げることのできる未知の世界」とでもいうべきものがステージ上に横たわり、オーディエンスはまさに未体験の領域へと足を踏み入れることになったのだ。しかもその世界は、やはりいわゆるヴィジュアル系のそれとは明らかに別次元のもの。シアトリカルとも現代アート的とも形容可能だろうし、ひとことで言えばやはり、“誰にも真似のできないもの"ということになる。“世界観"といった言葉が安易に濫用されがちな昨今ではあるが、このライヴに触れたなら、誰もそうした言葉をきやすく使えなくなるのではないだろうか?
終演直後、観客の何人かに話を聞いてみると「想像上でしか知らなかった時代を体験することができた」、「もう聴けないだろうと思っていた曲を聴けただけでも嬉しいのに、それがすごく新しく感じられた」、さらには「自分が生まれた頃に作られた曲に興奮させられたこと自体がすごいと思う」といった声が聞こえてきた。しかも単純にそうした楽曲を堪能できるだけではなく、清春と人時のたたずまいも、ダークな舞台演劇とも言えるその演出やパフォーマンスも、すべてが時空を超越していた。もちろんすべてのライヴが“二度と観られないもの"ではあるはずだが、この「地獄ノ三夜」という舞台と向き合う機会を逸することは、黒夢にうなされてきた人たちにとっては後悔にしか繋がらないはずだ。だからこそ、できることならば「生前」「脱皮」「奈落」と題された三夜すべてを目撃して欲しい。
前述の通り、この4月19日にはZepp Tokyoで「奈落」の夜を迎えることになるわけだが、たとえば大阪での第一夜はFC会員限定公演であるため、非会員の人たちにとっては5月24日のZepp Nagoya公演が「生前」と向き合うことのできるラスト・チャンスということになる。そして間違いなく、三夜のすべてを見届けることで見えてくるものがあるはずなのだ。それはもちろん、黒夢創生期の楽曲を知らない人たちにとっても同じこと。単なるライヴの域を超えた黒夢の“時間の魔法"を、あなたにも是非、体験してほしい。もうひとつ付け加えておくならば、黒夢の影響下にあることを自認しているか否かを問わず、暗黒的表現や世界観体現といったものを目指している次世代の表現者たちにも、この機会を逸してほしくない。なお、念のため確認してみたところ、この「地獄ノ三夜」シリーズ公演の模様が公の場で映像作品化される予定は皆無だとのこと。つまり、あなた自身が記憶に焼き付けておくしかないのである。
テキスト:増田勇一/カメラマン:宮脇進
■「地獄の三夜」名古屋公演
5月24日(土) Zepp Nagoya
5月25日(日) Zepp Nagoya
5月31日(土) Zepp Nagoya
(問)ズームエンタープライズ:052-290-0909
■黒夢 チケットぴあプレリザーブ2次はコチラから
4月12日(土)11:00 ~ 4月17日(木)11:00
黒夢 avexオフィシャルHPはコチラから
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新着コメント
Neverland / 『HumaNOISE』
歌詞合ってる?
JAKIGAN MEISTER / 『Bhava』
ジャケットイラストのギャグが最高です
咲人さんのイラストに影響されて女性の友達とクリスマスに
シードルを飲もうと考えました 断わられました
咲人さんの絵は手つかずの新雪のよう 語学の勉強も真面目
です
咲人さんの絵はとても良いのでこれからも描き続けてくださ
い 独創的かつ笑えるイラストです 好きです
JAKIGAN MEISTER / 『Bhava』
インサクリファイスが好評です ナイトメアメンバーで仲間
の飲み代をまとめて払うと雑誌で語っておられた咲人さん
ナイトメアでキリストはユダと詠まれていました 二年前の
Withはラクリマクリスティを意識したと知りました 咲人
さんのナチス嫌い発言
咲人さんにはキリスト教に対する照れのような感じを受けま
す キリストとご自分にとても似た意識を持っているのかも
しれないと思いました
downは意味を調べました 夜明け、でした
いつか一緒に朝日を見ようという歌詞に救われました
ジャキガンマイスターは咲人さんのセンスの良さが光ってい
ますね
JAKIGAN MEISTER / 『Bhava』
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咲人さんにはキリスト教に対する照れのような感じを受けま
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ますね
DIR EN GREY / 『「楓」~if trans…~』
気持ち悪すぎ。犯罪者