2014-08-20
KANA-BOON、これも彼らの直球。瑞々しいメロディーをじっくり届ける新曲!
甘酸っぱい風味のサウンドで彩りながら、力強い前進の意思を描く「生きてゆく」。アッパーなナンバーとはまた別の魅力が煌めく仕上がりだ。そんな同曲とカップリングの制作エピソードについて4人が語る。
──「生きてゆく」は上京のタイミングで作られたのですか?
谷口「そうです。去年の3月か4月頃にできた曲なんですよ。アルバムの曲とかでも歌ってきた人のことなんですけど。東京に行くことによって距離も離れるし、“お別れやな”っていうことをテーマにして作りました。」
──去年作ったものと何か変化しました?
谷口「大分変わりましたね。この曲を書いた頃は、“全てを捨てて音楽の道で生きていかなきゃ!”っていうような“別れ”の要素が強かったんですけど、“生きてゆくんだ!”っていう部分がより濃く表れたポジティブなものになりました。」
古賀「歌詞が少し変わったことによって、サウンドに関しても前向きな部分が出てきたと思っています。」
飯田「ベースのフレーズも明るい前向きな雰囲気のものに変えました。」
小泉「僕はこの曲を作った当時、歌詞については考えられなくて雰囲気で叩く感じだったんですけど。」
谷口「雰囲気ドラマーや(笑)。」
飯田「“雰囲気”ってそれ、叩いてないってことやろ?」
古賀「ドラマーに見えるだけ(笑)。」
小泉「ちゃんと叩いてますよ(笑)。フレーズ自体は昔と変えていないんですけど、この1年で細かいニュアンスを表現するようになった、そんな成長も反映できたと思います。」
──スピード感のある4つ打ちのダンスチューンとは違って、メロディーをじっくり届けるタイプのサウンドですよね。
谷口「KANA-BOONってもともとはこういうタイプの曲をやるバンドなんですよ。僕らのもうひとつの面をこの曲で知ってほしいという想いもあります。」
──この前のツアー(『KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー2014』追加公演)でも演奏しましたよね。どんな反応を感じました?
小泉「すごくみんなが聴いてくれているのを感じました。やっている僕らとしても嬉しかったですね。」
──この曲の歌詞と似た体験をした人もいるでしょうからね。みなさんにとっても上京って大きな決断でした?
谷口「東京に行って音楽をやることに関しては、前から思い描いていたことだったのでそうでもなかったですけど、やっぱりいざ来てみると寂しかったですよ。」
古賀「水道とか電気の電話をするのがめっちゃ面倒かった。」
飯田「そういう話じゃないから!」
谷口「それはただの引越しエピソードや(笑)。」
── (笑)。カップリングの「日は落ち、また繰り返す」の話に移りましょう。
谷口「今まではライヴで再現することを想定した曲作りやミックスをしていたんですけど、これはCDならでは。レコーディングならではのことをやった曲です。」
── いろんな音を重ねたり、ヴォーカルにエフェクトをかけたりもしていますからね。
谷口「かなり遊んでいます。声はあまりいじりたくない派なんですけど、この曲は声も楽器として扱って作ってみました。」
飯田「いろいろ詰め込んでいる曲なので、やってみて面白かったですね。ベースもグイグイいかせてもらいました。」
谷口「曲自体は3年くらい前に原形があったんですけど、ライヴで2~3回やっただけなんですよ。久しぶりに昔のデータを聴いたらカッコ良かったので、今のKANA-BOONの技術でやってみました。」
古賀「アレンジは結構変えましたけど、ギターのメインリフは昔考えたものをかなり活かしています。ニュー古賀と3年前の古賀が入っている曲ですね。」
小泉「この曲の流れとかアレンジは、すごくいいですよ。今までの曲の中でもかなり上位に入るくらいの気持ち良さがあります。ライヴでめっちゃやりたいんですよ。」
──そして、3曲目が「ロックンロールスター」。ロックンロールスターと言えば、古賀さんじゃないですか。
古賀「おおっ! そう思います?」
谷口「いいんですか? そんな持ち上げて(笑)。」
──(笑)。この曲のギター、カッコ良いですよ。
古賀「僕もそう思います!」
谷口「何をひとりで盛り上がってるんや(笑)。」
──小泉さんも“俺はロックンロールスターだ!”って思う瞬間はあるんじゃないですか?
小泉「ステージに上がる時は自信を持つようにしているので、“俺が一番や!”って思ってますよ(笑)。」
──演奏している時のこの4人の姿は、文句なしにカッコ良いですからね。その雰囲気も入っている曲だと思います。
古賀「これはギター1本で思いっ切り弾いたので、ライヴっぽさもあるでしょうね。ロックスターって、あんまり考えすぎないで好きな音を鳴らすイメージがあるので、その感じです。」
──印象に残るギターフレーズが満載ですよ。
古賀「バンドだから歌メロだけじゃなくて、個々の音とかフレーズでも印象を残したいんです。」
谷口「“個々”じゃなくて“俺”やろ?」
古賀「この曲はギターと歌の印象が残ればいいのかなと。」
飯田・小泉「おい!」
谷口「ベースとドラムは?(笑)」
飯田「ヴォーカル&ギターはバンドじゃなくてユニットや(笑)。」
──(笑)。バンドらしい熱い一体感に満ちた曲だと思います。
谷口「セッションでスッとできたんです。今年のバレンタインデーにスタジオに入ったんですよ。ものすごい雪の日に男4人が集まって…何か溜まってたんでしょうね。」
飯田「あの日の俺ら、ちょっとロックやった。」
──セッション前にみんなでチョコを交換し合って?
小泉「それヤバい(笑)。」
谷口「そんなことはしていません(笑)。」
取材:田中 大
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