2013-09-24
【MUCC】開かれてるようなイメージと思ってほしい でもすごい開いてない曲
今年5月にはメタルの祭典『OZZFEST JAPAN』に出演し、ライヴバンドとしての存在感を見せつけたMUCCが、約1年振りのシングル「HALO」をリリースする。ストレートかつ明快な楽曲の裏に秘めたメッセージとは…。
──「HALO」を作った時のテーマって何だったのでしょう?
ミヤ「分かりやすいサビと簡単なギターリフ、これに尽きますね。で、サビ以外のところで、何かいろいろ含みを持たせたいなというか。サビでは何も説明しないっていうコンセプトで作ってました。もともと春に1回だけライヴでやっていて、その時はアレンジももうちょっとバンドっぽい感じだったんですよ。その感じがあったんで、あんまりゴチャゴチャしすぎないようには意識してましたね。」
──確かにライヴで初めて聴くお客さんでもノリやすいタイプの曲ですね。そういう意味では“開かれてる”曲というか。
ミヤ「“開かれてるようなイメージと思ってほしい、でもすごい開いてない曲”なんですよ。入口はすごい開いてても、中に入ると“あれ? なんかよく分かんない”みたいな。MUCC、昔って逆だったんですね。取っ付きづらいけど、中に入ってみると意外と面白いなっていう。でも、この曲はサビで“ハロー ハロー”しか言ってないから「HALO」っていう曲でしょ?ってくらいの分かりやすさがある。シンプルなギターサウンドと、シンプルなキーワード。それが表に出ていて、裏にいろいろ隠れてるっていう。」
──いろいろ隠されてる?
ミヤ「隠されてるっていうか…たぶん考えれば分かると思うんですけどね。説明したくないっていうか。世界のいろんなものが説明だらけで、それがすげぇイヤなんですよ。だって、考えなくていいってことは、退化すると思うんですよ、人間って。発信する側が説明しすぎでつまらない音楽もいっぱいあるし、映画もあるし。「HALO」って曲には、そういうことも含まれてるっていうか。だから、すごい負のオーラなんですよ、作ったきっかけが。もともとロックって負のオーラにみんなが共感するからすごいんであって、正のオーラに共感してもしょうがないっていうか、共感できて当たり前なんで。みんなが“あっ、こんなもの共有しちゃうんだ! ”っていうところから生まれてくるパワーがライヴの熱気だったりとか、楽しむ力になるポイントだと思うんですよね。」
──この曲のレコーディングはどんな感じでしたか?
逹瑯「結構ストレートな曲だし、新鮮でしたね。こういうストレートな勢いのある曲は好きだし。なんか、どんどんライヴで育っていきそうだなぁっていう感じもするし。」
SATOち「すごくシンプルで伝えやすい曲だなと。リフレインの感じとか。そういう部分でもシングルらしいですよね。耳に残りやすい。しかも、言ってる言葉が“ハロー”だし。」
YUKKE「でも、ちゃんと聴いてもらうと、例えばベースとかも結構ブロックブロックで場面がどんどん変化していく感じになってて。1回聴いただけだとあんまり分からないところかもしれないけど、何回か聴いてみてもらうと面白いなと感じてもらえると思います。」
──カップリング曲についてですが、「テリトリー」はラフな感じでガーンといっちゃう曲になってますね。
ミヤ「これは、演奏してる雰囲気をそのまま録音しただけなんで。リハでやってるような感じで録音したんで、それが一番デカいですね。せーのでやって、録り直しもしないで。」
──歌詞は、曲にインスパイアされて書いた感じですか?
逹瑯「そうですね。あんまりこう、ちゃんとした歌詞になってないほうがいいなぁみたいなイメージでしたね。単語単語がインパクトでポーンと飛び込んでくるような。」
──「Monroe」はYUKKEさんの曲ですが、コードの感じとか雰囲気とか、YUKKEさんらしい曲ですね。
YUKKE「曲からじゃなくて、“Monroe”っていうタイトルで曲を作ってみようって思って。そのタイトルに向かって作り出した感じですね。一個のかたちっていうか、それが見えやすかった感じがしました。だから、曲を作るのもそんなに時間かからなかったし、歌詞も苦悩することなく書けましたね。」
──では、今回のシングルが完成した今の手応えを。
ミヤ「MUCCを知らない人の、入口になれるような曲になってくれたらいいなと思ってますけど。やっぱり引っかかる音楽でありたいっていうのは思っていて、ずっと。そういう音楽をやってなんぼのバンドだと思ってるんで、そういうところを楽しんでもらえたらいいなと思ってます。」
YUKKE「カップリングも2曲とも「HALO」とはまたタイプが違う曲だと思うんで、いろんなMUCCというか…それが全部ではないんですけど、自分たちの持ってる部分をいろんな角度から聴いてほしいですね。そこは入れられたかなと。」
逹瑯「すごく覚えやすくて、キャッチーでストレートなようで、でも意外とマニアックな部分というか、クセがすごく強い部分が隠れてるから、いろんな人が楽しめるんじゃないかなと思いますね。タイトル曲もカップリングも含め。じっくり聴いてもらいたいなぁと思える曲が集まったかなと。」
SATOち「いい名刺にもなったし、今までのお客さんも喜んでくれるようなカップリング曲もあるし。いいシングルになりましたね。ライヴで必ずやるんでライヴにきてください。」
──リリース後には、全国2デイズツアーが控えてますね。
逹瑯「アルバムツアーでもないし、結構遊べるツアーになると思います。“Hypnos”と“Thanatos”でいろいろ性格を変えると思うんですけど、どっちの日も楽しめるとは思うんで。」
ミヤ「わりと二面性を持ってるバンドなんで、その感じを2日間違う内容で出せればいいなっていう。結構激しい曲が多いバンドなんですけど、“速い=激しい”じゃない曲も多いし。静かで激しい曲っていうのがすごい多いんで。そういう分け方をしても面白いかなぁって今はなんとなく思ってるくらいですけど。新曲もやれると思うんで。「HALO」はもちろんやりますけど、それ以外の新曲たちも。」
取材:舟見佳子
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